見出し画像

4人でダブルス

 あたりまえですが、テニスのダブルスは相手が二人います。メインラリーとなる人の特徴、いわゆるサーバーならリターナー、雁行陣の後衛同士などのことは気にしていますが、その前に相手の前衛さんの動きなどの特徴を掴んでおかなければなりません。ルール上サーブを打つとき、そのリターンは打つ人が決まっているためサーブを前衛がボレーすることはありません。ただそれ以外においては、必ず無視できない存在です。むしろ順番としてはまず前衛です。また、前衛さんの代表的な奇襲攻撃である『ポーチ』がありますが、そればかりを警戒して前衛から遠いサイドばかりに逃げていたのでは、自分のペアが自陣のストレートを守らなければならないですし、その分自分のセンターも広くなります。しかも下手に角度があるので切り返しも相手にとって打ちやすい形になってしまっています。よって、ダブルスは4人でやるものです。 #なんかみんな当たり前のことばかりでごめんね 😄

 想像してください。

 デュースコート展開で相手が二人とも前に出てきています。自分だけが一人後ろに位置します。そこで相手から自分のところに短く甘いボールが飛んできたとします。そのボールに対しての入り方もよく、高い打点で打つことも可能な状況です。

このとき、相手前衛さんはどう動きますか?

どのようなことを考えているでしょうか?

 おそらくは、ストレート側への攻撃を守りにいっているはずです。こちらがある程度余裕があり、強打できる形を見せていれば、そこへ寄って抑えておかないと単純に返球できないからです。 #トップ選手はベースライン上でこの状況になっても同じようになる

画像1

 こうなると、相手のペアもセンターに寄るのでクロスアングルも打てます。自分のボールに自信があれば、ストレートの寄り方が甘い前衛に対してはストレートに打ち込んでサイドアウトさせても構いません。最も有効打になりやすいのは、前衛がストレートに寄せる前に位置してたセンターです。(ここでいうセンターはコートの中央ではない)また、打つボールに自信がない方であれば、ストレートの打ち込みを打つような形を見せておいてからのストレートロブがお勧めです。

  では、つづいて想像してください。

 相手からのボールは短いのですが、そのボールは高くは弾まず、こちらも余裕を持って打つことまではできません。そもそもボレーからのボールが高く弾んで甘くなるということは、相手のミスショットか、こちらのその前のショットが相当よかったというようなときしか発生しません。むしろ、今回の「想像してください」の方がリアルです。

 自分のレベル(脚力、技術)が高ければ選択できる場合もありますが、大抵の場合ここでスピンを選択はできません。そこでスライス系での処理を選択しているのですが、その自分の形を見せても最初の「想像してください」と同じように前衛はストレートに寄ってきていませんか。 #両手打ちバックハンドは必ずっていうくらい

画像2

 短いボールというのは好ましくはありませんが、打つ側の打点が低いのであれば、ストレートのネットの高さが気になり、ストレートへの強打が打ちづらい状況なのです。しかし、これに気づかずなのか、自分のバックハンドの苦手さを露呈しているのか、はたまたスクールで相手の後衛が打つときは前に詰めなさいと習っているのか、同じようにストレートに寄せる前衛が一般愛好家には多いのです。しかし、ここでまずはストレートロブという選択をする人も少ないのです。ゲームの序盤にこの前衛の特徴を見抜いたら、2本、3本とストレートロブを使うのが後々有効になってきます。 #井上尚弥のボディブローみたいに 😁

 このストレートロブ攻撃を何度かされてからを想像してください。

 おそらくは相手前衛は前に詰めれなくなってしまいます。相手前衛はロブと、下がることによってできたスペースへの足元という二点待ちになります。

画像3

 こうなると、途端に有利になったような気がして、相手前衛のバックに鋭いボールを送りたくなりますが、勝負を焦るとストレートへのサイドアウトや、返ってきたボールの反応が遅れて形勢が悪くなってしまいます。逆にロブと足元の二点待ちでやや下がっているわけですから、相手の足元にゆっくりと落としにいってしまうと、バウンド処理されて打ち込まれたりするリスクが発生します。ここでは慌てず『すべる』軌道で相手前衛にノーバウンドでボールを送りましょう。打つコースはバック側足元がお勧めで、相手がバックをあからさまに待っているようであればフォアハンド側に送っても大丈夫です。また、これだけポジションを下げていてもロブを使うのも有効打になります。(相手のロブ処理の技術が高ければやめればいい)ただしどれも展開ショットであり、けしてエースや次に圧倒的勝勢になるようなことを急いではいけません。

 最後に想像してください。

 このような展開を知ってる経験豊富な前衛は、正直にストレートには寄ってきません。わざと空けられます。ここで広く空けられているストレートに無理をすると切り返されます。

画像4

 このように上手い人同士は、寄せる寄せないの駆け引きがあります。攻略法としては、地味に相手前衛のボディ足元です。空けられてるという状況で相手のボディへ入れるわけですから、軌道は外から中へというものになります。この軌道は前衛の場所的に再度逆クロスへというコース選択も難しく、角度の切り返しも難しいため、コート中央への返球になることが多くなります。要するに自分のペアにチャンスが回るということになります。 #チャンスをペアが決めたら 「俺のおかげ」✌️

 ダブルスをメインにプレーされる一般愛好家は、ただストロークを打つ練習をするにしても、常にその状況では相手前衛はどう動いてくるだろうか。自分のペアはどこをケアしてくれているのか。ここに打つとこっちに逸れるぞ。ここへ打つともう一回こっちにくるぞ…様々な状況を想像し続ける癖をつけることが、個人の能力だけに頼らない楽しい世界がそこにはあります。 #個人の能力を否定してるんではないよ ♥️

 どうやら私が生きている間にマイカーを所有する時代が終わりそうです。すでに一人一台が車を所有するのではなく、複数人でシェアするようになりつつあります。そして実際に自動運転の開発テストをしている国もあります。『豊か』という概念は個人から、より多くの全体へと移行しているように感じます。そこにも楽しい世界があることを祈りながら、明日からも4人でボールが行き交う楽しいダブルスをしてもらえるようにがんばります。 #そういや今年車検や 😆




この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?