見出し画像

昔のレザーグリップについて

 現在、本業で使用しているラケットはダンロップの4000RIMというラケットを使用しています。使い始めて15年くらいになると思います。発売は1999年くらいのものです。スペックはSLで重さは320g〜335gです。バランスはトップライトでグリップサイズは3です。ガットはバボラのトニックボールフィールというナチュラルガットを42P〜47Pくらいで張っています。フレーム自体はリムという素材で柔らかいです。このラケットは標準装備でウィルソンのプロスタッフと同じくフェアウェイのレザーが付いていました。当然ながらすでに販売は終了しているため8本ほどを中古や新古で所有していましたが、柔らかいフレームゆえに割れやすく、使えそうなものは後数本になっています。 #4000RIMのSL 、グリップ3をお譲り頂ける方はいませんか?😆

 昔の中古や新古を使用する際には、グリップを巻き替えます。私は直持ちのレザーグリップで、現在はキモニー社が販売代理店をしていますが、フェアウェイのレザーを使用します。

画像1

 現在ではレザーグリップ自体の種類が少なく、製造しているメーカーも限られます。その中ではフェアウェイが品質的に最高級だとされるのですが、昔はフェアウェイよりも品質、用途によって使いやすいレザーグリップが数多くあったので紹介します。

 まず、レザーグリップの直持ちする特徴としては次のようなものがあります。

①グリップの角ができる

②ラケットとボールがのるような打球感が好み

③グリップチェンジではなく、グリップずらしがやりやすい

 ①と②は現在でも一般的ですが、③については少し補足説明を入れます。昔の古典テニスにおけるグリップはワングリップが主流で、フォアハンドウェスタンからバックハンドイースタンというようなグリップチェンジはあまり多くありませんでした。あってもフォアハンドイースタン⇄コンチネンタルやフォアハンドイースタン⇄バックハンドイースタンくらいのものでした。グリップチェンジとは親指と人差し指の付け根(V字)がグリップのどこにあたっているかということです。大きなグリップチェンジでは利腕のラケットを持っている方の手ではなく、反対の手で操作します。一方で私がいう『グリップずらし』は、このグリップチェンジとは異なります。親指と人差し指の付け根(V字)があたっている場所は同じでも、掌がグリップのどこにあたるかは少し変わるのです。これを『グリップずらし』と呼んでいます。#『グリップずらし』は僕の造語です✋

画像2

画像3

  昔のインタビューや記事を読んでも、古典テニス時代のトップ選手は自称ワングリップと言っている人が多く、マッケンローやボルグも基本的にワングリップで打っているという主旨の発言をしています。つまりプレーの中でグリップチェンジを行っていないのでしょう。しかし『グリップずらし』は行っており、この手法を使わずにボルグのようなイースタングリップからのヘビースピンは打てなかったでしょうし、マッケンローのようにボールを掴むことはできなかったでしょう。マッケンローがスライス系のショットを打った後に、ラケット面が極端に上向くようなフォロースルーは手首の角度だけを変えているのではなく、グリップずらしが行われているからです。

画像11

 一方で、ほとんどグリップずらしをしない選手もおり、その代表格がジミーコナーズやケンローズウォールではなかったかと思っています。グリップチェンジをしていた選手、していなかった選手、グリップずらしをしていた選手、していなかった選手と古典テニスにおいてもグリップの使い方はそれぞれであったように、それぞれにあったレザーグリップがありました。

 とくにグリップずらしをする選手にとっての、レザーグリップにおける一つの重要な要件がグリップの幅です。現代テニスのグリップ幅は25mm〜27mmが一般的ですが、古典テニスのレザーグリップの幅は狭いもので15mm〜17mmのものがありました。グリップずらしを多用する選手には25mm〜27mmの幅では広すぎて、細かなズレを掌で感じとることがやりにくかったと推測されます。現在のフェアウェイのレザーグリップの幅は25mmの一種類しかありません。数年前まではヤフオクなどで21mm幅のものがありましたが、今ではほぼなくなってしまいました。個人的には私もグリップずらしをするので、幅の狭いレザーグリップが好みなのですが市販されていないので妥協しています。実は21mm幅のフェアウェイを1本だけ残っているのですが、もったいないので残しています。 #21mmのレザーが今でも市販されている情報あればください 😄

画像13

 また、グリップの粘着度と凹凸にも各メーカーによって違いがありました。グリップずらしを多用する選手にとっては、粘着度はあまり高すぎると上手くズレません。ただし、天然のレザーは湿度が低いとサラサラで滑りやすく、湿度が高いとテカテカと粘着力が上がるため、その日その日のコンディションで、グリップと手を擦って馴染ませたり、息を吹きかけて乾かしたり、大鋸屑などを付着させて粘着力を上げたりと様々な工夫がありました。 凹凸についてはグリップとグリップの溝を合わせて、その形状がフラットに近い形になるのか、低い山脈のような凹凸ができるのかということです。

 さいごに古典テニスにおけるメジャーラケット、メーカーによっての標準装備されていたレザーグリップを紹介します。①グリップ幅 ②粘着力 ③凹凸

#②と③は私が握った感覚ですが✋

ダンロップMAX200G(黒色レザー)①21mm  ②高い ③なし

ダンロップMAX 200G PROⅠ(茶色レザー)①21mm ②普通 ③なし

画像4

ダンロップMAX PLY FORT ①17mm  ②高い ③あり

画像5

ウィルソン Prostaff スタンスミス ①25mm  ②高い ③少しあり

画像6

ウィルソン T-4000  ①22mm  ②やや高い ③なし

画像7

KWASAKI  ①25mm  ②低い ③なし

画像8

ドネー ①21mm  ②高い ③なし

画像9

Genuine leather(ウィルソンのウッドラケットに標準装備) ①25mm  ②やや高い ③なし

画像10

ロシニョール ①22mm  ②やや高い ③あり

画像12

#個人的には 、ウィルソンのラケットに標準装備されているウィルソンが製造したと思われるレザーグリップが好みです😄

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?