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コロナ5類指定のパブコメ中(4/13まで)!


  • 2023/04/02 「改正法案の本当の論点」以下を追記しました。急いで書いたので構成が適当ですし,まだまだ書き足りない感もありますが,ひとまずこれで完成とします。パブコメへの意見のネタにできそうなものがあればご自由にお使い下さい。また,ご意見などあればお寄せ下さい。

  • 2023/-4/01 「パブコメの問題点」の「『引き下げ』はマヤカシ」を追記しました。

  • 2023/03/27 問題が多岐にわたりすぎて整理するのに時間がかかってます。しかし残された時間も少ないので取りあえず公開して,順次書き足して行きます。


パブコメに意見を上げましょう!

コロナ5類指定の法令改正のパブコメが始まっています。
意見を出しましょう!
意見受付は2023年4月13日23時59分までです。

この機会に,私の考えるこのパブコメや5類指定の問題点を整理してみます。
パブコメに意見するのに使えそうなものがあればご自由にお使い下さい。

主にパブコメの以下の部分について述べます。

○ 今般、新型コロナウイルス感染症(病原体がベータコロナウイルス属のコロナウイルス (令和二年一月に、中華人民共和国から世界保健機関に対して、人に伝染する能力を有す ることが新たに報告されたものに限る。)であるものに限る。以下同じ。)について、オミ クロン株と病原性が大きく異なるような変異株の出現など特段の事情が生じない限り (※)、その位置付けを新型インフルエンザ等感染症から5類感染症に変更するとともに、 特定感染症予防指針を定める感染症に追加する。
※ 特段の事情が生じた場合には本省令改正を行わないこととする。

感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する
法律施行規則の一部を改正する省令案について(概要)
厚生労働省健康局結核感染症課

このパブコメに対し意見が大きく2つあります。

  1. 5類指定そのものに反対であること。

  2. 位置付け/分類の「変更」「引き下げ」「移行」と呼ぶことが誤解を生むためパブコメとして不適切であること。

法体系の基本情報

パブコメについて書く前に,押さえておくべき基本的な情報を書きます。

「新型コロナ」の名称について

非常に重要なのですが,なかなかわかりにくいようです。

  1. 今の呼び名「新型コロナ」は分類名

  2. 5類にするために名前を決める必要あり

  3. 名前に縛りはないので「コロナちゃん」でも何でもOK

  4. 違う名前だと国民の気が緩むので「新型コロナ」を名前にしてしまえと政府が動いている

1.今の呼び名「新型コロナ」は分類名
 よく「新型コロナウイルス感染症を新型インフルエンザ等感染症から5類に引き下げる」と言われますが,これは全くの間違いです。感染症法に「新型インフルエンザ等感染症」という分類があり,それがさらに細分化されて4つの分類に分けられており,その一つが「新型コロナウイルス感染症」です。つまり,感染症法では「新型コロナウイルス感染症」は例えば「5類感染症」と同様に「分類名」です。1つの病気を指すものではありません。その定義は以下のとおりです。

新たに人から人に伝染する能力を有することとなったコロナウイルスを病原体とする感染症であって、一般に国民が当該感染症に対する免疫を獲得していないことから、当該感染症の全国的かつ急速なまん延により国民の生命及び健康に重大な影響を与えるおそれがあると認められるものをいう。

感染症法第6条7項3号

 要するに,「コロナウイルスで,新しくてとても怖いもの」です。特定の,例えば今問題になっている「SARS-CoV-2を原因とする感染症」に限るものではありません。
 日本では現在,「SARS-CoV-2を原因とする感染症」,世界では COVID-19 と呼ばれている病気の名前はありません。あくまで分類名である「新型コロナウイルス感染症」で呼ばれている状態です。「インフルエンザ」は「5類感染症」に指定されていますが,この「5類感染症」に当たるのが「新型コロナウイルス感染症」であり「インフルエンザ」に当たる言葉はありません。
 そして,「新型コロナウイルス感染症」の1つ上の分類として「新型インフルエンザ等感染症」があります。「新型インフルエンザ等感染症」の中に,「新型インフルエンザ」「再興型インフルエンザ」「新型コロナウイルス感染症」「再興型コロナウイルス感染症」の4つの分類があります。
 政府やメディアは,

「5類感染症」に位置付けられている
「インフルエンザ」

と同じ言い回しを使って,

「新型インフルエンザ等感染症」に位置付けられている
「新型コロナウイルス感染症」

のように言いますが,これらは意味が違うことがおわかり頂けると思います。正確に言うなら,例えば,

「新型インフルエンザ等感染症」のうち「新型コロナウイルス感染症」
に現在該当している
「名無しのコロナウイルス感染症」

となるわけです。

2. 5類にするために名前を決める必要あり
 今,政府はこの「名無しのコロナウイルス感染症」を5類指定しようとしています。指定するからには名前が必要です。「名無しのコロナウイルス感染症を5類感染症とする」では何のことかわかりません。

3. 名前に縛りはないので「コロナちゃん」でも何でもOK
 名前の付け方に縛りがあるわけではありません。「武漢肺炎」でも「マスクで防げることにしとこうぜ病」でも「コロナちゃん」でも何でもいいんです。
 私は,「名前の付け方めっちゃ難しいけど,どんな名前にするんだろう?」と興味津々でいましたが,「コロナウイルス感染症2019」案が出て「そのまんまじゃん! それに長過ぎるだろ」と思ったらすぐポシャりました。

4. 違う名前だと国民の気が緩むので「新型コロナ」を名前にしてしまえと政府が動いている
 名前の案がポシャり,「揉めるだろうなあ」と思ってたら,なんと「新型コロナウイルス感染症」で行くと発表! その理由が「呼び方変わったら,国民がなんか終わった気になって気が緩むだろうから」。
 「アッチョンブリケ!!」です。こんな裏技があったとは。
 感染症法上の「新型コロナウイルス感染症」と,5類感染症を指定する省令(感染症法施行規則)での「新型コロナウイルス感染症」で定義が違う状態にするわけです。
 二つの定義を比べてみましょう。

新型コロナウイルス感染症(新たに人から人に伝染する能力を有することとなったコロナウイルスを病原体とする感染症であって、一般に国民が当該感染症に対する免疫を獲得していないことから、当該感染症の全国的かつ急速なまん延により国民の生命及び健康に重大な影響を与えるおそれがあると認められるものをいう。)

感染症法上の「新型インフルエンザ等感染症」の定義

新型コロナウイルス感染症(病原体がベータコロナウイルス属のコロナウイルス(令和二年一月に、中華人民共和国から世界保健機関に対して、人に伝染する能力を有することが新たに報告されたものに限る。)であるものに限る。)

5類に指定されようとしている「新型コロナウイルス感染症」の定義

 こんなのアリですか?
 感染症法では「新しくてとても怖い」から「新型」として特別扱いしましょう,となっているのに,新しくなかろうが怖くなかろうが,2020年に中国から広がったウイルスによる病気は全部「新型コロナウイルス感染症」と呼んじゃおうってことです。
 「コロナちゃん」じゃ新しくも怖くもないのがバレバレだから,せっかく怖いイメージを植え付けた名前をそのまま使おうぜ,ってことですね。
 さらに新しいのが出てきたらどうするんだ,って思いますが,その時は旧型なんてどうでもいいので適当に名付けて捨てるんでしょうね。

現在の政府は違法状態

 感染症法での「新型コロナウイルス感染症」の定義でとても大事なことは,「と認められるもの」ということです。
 わかりますか? 主語は「感染症」です。5類感染症は,感染症法にリストアップされているものに加えて「厚生労働省令で定めるもの」であり,今回のコロナも「厚生労働省令で定めるもの」として指定されようとしています。つまり主語である「厚生労働大臣」が「定めるもの」です。
 この違いはとても大きいのです。新型コロナは政府に指定する権限があるわけではなく,新しくてとても怖ければ自動的に該当するのです。5類は大臣が指定するのです。
 2023年1月27日に,厚生科学審議会感染症部会が,もう該当しないという見解を公表しました。客観的に見て「新しくてとても怖いもの」ではないと明らかになったのです。法的にはその時点で日本には「新型コロナウイルス感染症」は存在しなくなったのです。
 そして,新型コロナが存在しなくなったら,厚生労働大臣はそれをすみやかに公表することが感染症法で義務付けられています。

第四十四条の二 3 厚生労働大臣は、第一項の規定により情報を公表した感染症について、国民の大部分が当該感染症に対する免疫を獲得したこと等により新型インフルエンザ等感染症と認められなくなったときは、速やかに、その旨を公表しなければならない。

感染症法第44条の2第3項

 実際は感染症部会が見解を出した日よりもっと前から「とても怖いもの」ではないと言えますが,そこを譲っても,1/27には間違いなくそうなりました。にも関わらず「すみやかに公表」しない政府は法律による義務を果たしていない違法状態です。

※感染症法:「感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律」

パブコメの内容

 5類指定に反対であることはずっと訴えていますので,先にこちらを取り上げます。
 「5類指定」することを,「位置付け」または「分類」の「変更」,「引き下げ」,「移行」などと呼ぶことが誤解を生むためパブコメとして不適切です。
 これまで分類名でしかなかった「新型コロナ」を病名として使うことで,実は3つのことを同時に行うのに単に「引き下げ・移行」と見せかけています。

 「今よりも規制を緩くする」と言えば,よほどコロナが怖い人以外はみんな賛成するでしょう。

 政府が行うことを正しく理解することが困難な説明では,意見募集として不適切です。
 私が「コロナちゃん」にこだわるのは単なるウケ狙いではありません(少しそれもあります)。今はコロナちゃんでもなく,名前はないということ,さらに今後の名前を「新型コロナ」にするなど卑怯に過ぎるやり方だということを強調したいのです。
  なぜ名前がないか? それは「風邪」としか呼ばれない他の4つのコロナウイルスと違いがないからです。 一旦,1類よりも強いような規制をかけられたことで5類は「引き下げ」のように感じますが違います。 コロナウイルスはコロナウイルスでしかなく,新しくて特別に怖いということで一時的に強い規制がかかっていただけです。その時期を過ぎれば無類に戻すのが本来の流れです。
  SARS,MERS は本当に怖かったから,重症急性呼吸器症候群,中東呼吸器症候群と,直訳ではありますが名前がちゃんとあります。今のコロナは,名前を付けるほどの特徴がないのです。 「2019」が精一杯(笑) 。新型コロナを名前とする卑怯さを,このパブコメは最大限利用しています。

パブコメ要点

 政府が同時に行おうとしている3つのこととは,これからコロナに付ける名称を仮に「コロナちゃん」とすると,

1 名前は「コロナちゃん」とする
2 コロナちゃんは大して怖くないので感染症法の「新型コロナ」ではないと公表
3 でもまあまあ怖いので5類指定

 以下に,各項目の説明をします。

1 名前は「コロナちゃん」とする

 名前を付ける必要性は上で書いたとおりです。実際は「新型コロナウイルス感染症」にしようとされていますが,これを使うと紛らわしいのでここでは「コロナちゃん」とします。

2 コロナちゃんはそこまで怖くはないので感染症法の「新型コロナ」ではないと公表

 これも上で書いたとおり,感染症法上の「新型コロナウイルス感染症」に該当しなくなれば,公表の義務があります。本来なら1/27に感染症部会が認めたのでその時点で「すみやかに公表」することが政府の義務であり,いまだに行っていないのは違法です。
 ちなみに,2009年の新型インフルエンザの時は,新型インフルエンザと言えなくなりつつあるので半年ほど先には新型ではないと公表する,と予告しています。

3 でもまあまあ怖いので5類に指定

 これが重要です。本来は,「2類相当から引き下げるべきか?」の議論ではなく,「風邪の一種である COVID-19 は5類指定すべきものか?」が議論されなければなりません。これは似ているようで大きく違います。
 「2類相当」をスタートにして引き下げる観点で見ると,「5類でいいほど十分に怖くなくなったか?」,さらに無類(感染症法適用外,基本的に規制撤廃)の検討になると「無類でいいほど十分に怖くなくなったか?」の議論になります。無類の風邪をスタートにすると,「5類に指定しなければならないほど十分に怖いか?」の議論になります。
 つまり判断基準が, 

無類に「引き下げ」だと,
「他の風邪と同じくらい十分に怖くなくなったか?」,
5類に「格上げ」
だと,
「5類にしなければならないほど十分に怖いか?」

となり,引き下げの方が基準が厳しくなるように感じやすいのです。
そのために,「段階的に5類に」ならばOKという考え方が受け入れられやすくなってしまうのです。しかしそれは「マヤカシ」でしかありません。

パブコメの問題点

「引き下げ」はマヤカシ

 パブコメの対称となっている「感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律施行規則の一部を改正する省令案について(概要)・厚生労働省健康局結核感染症課」に以下の記述があります。

https://public-comment.e-gov.go.jp/servlet/PcmFileDownload?seqNo=0000250684

 ここで「新型コロナウイルス感染症」の後にカッコ書きで,

病原体がベータコロナウイルス属のコロナウイルス(令和二年一月に、中華人民共和国から世界保健機関に対して、人に伝染する能力を有することが新たに報告されたものに限る。)であるものに限る。

となっています。これは感染症法上の定義とは異なります。感染症法での定義(6条7項3号)は,

新たに人から人に伝染する能力を有することとなったコロナウイルスを病原体とする感染症であって、一般に国民が当該感染症に対する免疫を獲得していないことから、当該感染症の全国的かつ急速なまん延により国民の生命及び健康に重大な影響を与えるおそれがあると認められるものをいう。

https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=410AC0000000114#Mp-At_6

となっています。
 パブコメのカッコ書きは定義ではなく,新型コロナウイルス感染症のうち,カッコ書きのものに限る,という限定条件です。そんなこと,普通の人はわかりませんよね。このおかしさ,わかりますか?
 「新型コロナウイルス感染症」は「5類感染症」と同じく分類名であり,5類感染症の一つがインフルエンザなので,それぞれ置き換えて書いてみましょう。

5類感染症(インフルエンザに限る)の位置付けを変更する。

 書き方おかしいでしょう。普通なら,

インフルエンザの位置付けを5類感染症から変更する。

ですよね。
 これの何が問題か?
病原体がベータコロナウイルス属のコロナウイルス(令和二年一月に、中華人民共和国から世界保健機関に対して、人に伝染する能力を有することが新たに報告されたものに限る。)であるもの」
では長すぎるのでまた「コロナちゃん」にしましょう。すると,

コロナちゃんの位置付けを新型コロナウイルス感染症から変更する。

が今回の改正法案の内容です。
 コロナちゃんが「新型コロナウイルス感染症」に位置付けられるかどうかは,上で述べたように政府が決めることではなく,客観的に決まることです。そして,これも上で述べたように,すでに位置付けられるべきものではないことは明らかになっています。それなのに,まるでコロナちゃんを新型コロナウイルス感染症から外すのは政府の権限であるかのような書き方です。政府が行おうとしているのは,すでに名無しの風邪になったはずのコロナちゃんをわざわざ5類に指定しようとすることです。つまり,

名無しの風邪に「コロナちゃん」と名付けて5類感染症に指定する。

ということです。
 このようなカラクリで,まるで「コロナちゃんの分類の引き下げ」であるかのように見せかけています。世の報道もすべてそうです。マヤカシです。
 繰り返します。コロナちゃんを新型コロナウイルス感染症に指定する権限は国にはありません。条件に合う病気が発生した場合にそれを公表する義務があるのみです。そして,5類指定は国の権限で行うものです。わざわざ法令を整備して指定しない限り5類にはなりません。つまり,今のルールに粛々と従い政府が「これまで新型コロナと呼んできた病気はもう新型コロナではなくなった」と公表すれば,コロナちゃんはコロナちゃんと呼ばれることもなく,特別扱いされることもなく,日常の風邪の中に溶け込むのです。
 そうなって初めて日本社会は正常化のスタートに立てるのです。

改正法案の本当の論点

 上で述べたように,今行われようとしているのは,よく言われる「新型コロナウイルス感染症の,2類相当である『新型インフルエンザ等感染症』から5類への引き下げ」ではありません。現時点で法的には「名無しの風邪」になっている病気があり,その公表の義務があることを無視して公表しないままに政府がその病気に名前を付けて5類に指定しようとしている状態です。
 法令改正の論点は,2類相当(実は1類以上)の扱いから5類に下げてよいかではなく,風邪の一種であるものを5類に指定してよいか,です。

 これまで,人に感染するコロナウイルスは6つありました。

Wikipedia ヒトコロナウイルス

 このうち,SARS-CoV,MERS-CoV が起こす「重症急性呼吸器症候群(SARS)」および「中東呼吸器症候群(MERS)」は特に重症化するものとして2類に指定されています。HCoV-NL63,HCoV-OC43,HCoV-HKU1,HCoV-229E,の4つについては「風邪の病原体」の位置付けです。SARS-CoV-2 は「新型コロナウイルス感染症の病原体」とされていますが,何度も書いたとおり「新型コロナウイルス感染症」は分類名であり,すでに分類の条件に合わないことが明らかになっています。ちなみにCOVID-19は世界で呼ばれる名前であり,上で仮に付けた「コロナちゃん」と同等のものです。
 つまりこれらの4つのウイルスによる病気は「コロナウイルス感染症」とさえ呼ばれず「風邪,普通感冒」の中に含まれ,つまり「名無しの風邪」です。従来のインフルエンザがあるから「新型インフルエンザ」という考え方が成り立ちますが,「コロナウイルス感染症」なんて一般には誰も言わなかったのに「新型コロナウイルス感染症」なるものが突然出現したのです。と,自分で書いておいて白状しますが実はこれはウソです。「新型コロナウイルス感染症」は「新型の『コロナウイルス感染症』」ではなく,「『新型コロナウイルス』の感染症」です。「新型インフルエンザ」とは似てますが言葉の組み立てが違います。
 わかりにくいですよね。もう,こういったマヤカシのオンパレードです。
 ということで,今回の改正法案の本当の論点は,新たに人間社会に登場した7つめのヒトコロナであるSARS-CoV-2により起こされる病気を5類に指定すべきかどうか,ということなのです。

「コロナちゃん」は5類に相応しいか?

 ここで仮に「コロナちゃん」と呼んできたSARS-CoV-2がひき起こす病気も,もう「インフル以下」という状態と公式に認められています。

https://twitter.com/sayosayono/status/1615933375034036225

 よってコロナちゃんはコロナちゃんと呼ばれることもなく「5つ目の普通のコロナウイルスによる名無しの風邪」になるのが当然の成り行きです。
 それなのに,現在の「新型コロナ」が1類以上相当であり,また分類名であることを国民がよく知らないのをいいことに,実は「コロナちゃんの5類指定」なのに分類と同じ名前を使うという超裏技を使って「新型コロナの5類への引き下げ・移行」と見せかけられています。そのため,「物事の順序として妥当」であるかのように思われがちになっています。
 以上のように,「新型コロナウイルス感染症」を分類名として使ったり病名として使ったりしながら,「怖い病気だったが弱くなってきたので少し規制を緩和する」という状態と見せかけています。その実は,インフルエンザに及ばない普通の風邪であり名前も不要なほどの病気を,国を挙げて感染対策をする対象に祭り上げようとされているわけです。
さて,SARS-CoV-2 は他の従来の4ウイルスに比べて特別に怖いのでしょうか。確かに,罹った人からは「とても辛かった,普通の風邪とは違う」という声が多く聞かれます。また,世界中の研究者が罹患者を分析しまくっているため,「間質性肺炎を起こす」「倦怠感が極度に強い」「味覚・嗅覚障害」「血管壁を傷害する」「後遺症」「インターフェロン応答を阻害する」など多くの現象が報告されています。
 しかし,最近私が何度問いかけても誰も答えてくれない疑問があります。

 今まで,風邪をこれだけ追いかけたことがありますか?
 「タチの悪い風邪」なんていくらでもあったはずです。この3年,高熱を出そうが,肺炎を起こそうが,検査してコロナでなければ「よかった!新型コロナじゃなかった!」みたいな空気でしたが,この3年でさえ,新型コロナ以外の風邪で苦しい目に遭った人いくらでもいますよね。また,検査で新型コロナ陽性でも,軽症の人はいくらでもいましたよね。天然痘のように,罹患した人がすべからく特異な病態を示したわけでは全くありません。
 もし,SARS-CoV-2 を特別扱いするというのであれば,他の4ウイルスのデータとの具体的な比較が必要です。他のウイルスのデータありますか?
 これは,たまたまデータがないことにつけ込んでいるわけではありません。これまでデータを取る必要を感じていなかったでしょ,ということです。そういう位置付けの病気でしょ,ということです。PCRという技術が開発された後でそれを使ってSARS-CoV-2に狙いを定めて莫大なデータを集めたからいろんなことがわかったのでしょうが,わかったことを片っ端から怖がってよいわけはなく,「正しい怖がり方」の評価が必要です。他のヒトコロナやその他の風邪ウイルスと大差なければ,特別扱いの必要はありません。
 ここで誤解して頂きたくないのは,「取るに足らない病気だ」と言っているわけではありません。「風邪は万病の元」,警戒は必要です。SARS-CoV-2,COVID-19,コロナちゃんだけを特別扱いするのがおかしいと主張しています。

5類になってしまったら

 5類は感染症法で対策の対象とされている感染症の中ではもっとも規制が緩い方です。そのため,感染症の中でもっとも扱いが軽いと思っている人も多いようですが,それは違います。感染症法で指定されるのは,無数にある感染症の中で国として特別に対策を講ずる必要があると認められるものです。5類にはインフルエンザの他に,梅毒,麻しん,AIDS,破傷風などがあります。多くの人にとって「普通の病気」とは認識していないものでしょう。インフルエンザだって,世界では風邪扱いです。日本ではかなり特別扱いですが,それに慣れてしまっているから「インフルエンザ並み」だと普通の病気と勘違いしてしまうのです。
 感染症には,感染症法で名前が挙げられているものの他に,風通の風邪など「無類」と呼ぶべき感染症がいくらでもあるのです。今新型コロナと呼ばれている病気は「コロナちゃん」などと名前を付けることなく,現状のまま無類であるべきです。「現状」と書きましたが,政府が違法に公表を怠っているため事務的な取り扱いが「新型コロナウイルス感染症」になっていますが,法的にはすでに無類です。
 そして改正法案に示されているように「感染症のうち、特に総合的に予防のための施策を推進する必要があるもの」として「特定感染症予防指針」が定められようとしています。
 そうなれば,毎年ワクチンを打ち,流行ったらマスクを着け,風邪を引いたらPCR検査をし,陽性なら専用治療薬を処方される,という流れが固定し,ワクチンサブスク状態となり様々な利権が潤い続け,国民は多額の国費や私費の支出を続けさせられ,マスクの害,ワクチンの副反応や治療薬の副作用に苦しみ続けることになります。
 5類と無類は全然違うのです。

日本再生の分かれ道です

 このような,国民が改正内容を正確に理解するのが困難な説明内容では,意見が適切に集まるはずがありません。それではパブコメとして認められません。
 このような卑怯な手段で5つ目のコロナ風邪に過ぎないCOVID-19を5類指定し,いたずらに国家統制を強めることには断固として反対し,体をなしていないパブコメは説明を適切なものとしてやり直すか,そもそも5類指定は中止し,COVID-19を本来の無類に戻すことを政府に強く要求しなければなりません。
 とにかく「新型コロナ」を国民の頭に強く印象付けたままにしておきたいのでしょう。世界は忘れています。ほぼ日本だけです。洗脳です。この洗脳から解かれるかどうか,日本の分かれ道だと思っています。
 政府が「マスクしろ」と言えば,外国で行われているスポーツ大会の観客が誰もマスクしていないのを見ても,総理大臣が外国ではマスクしていないのを見ても,ほぼ100%の国民がマスクを着け,何の根拠も示さず「もうしなくていいよ」と言えば外し始める,こんなわかりやすい現象はこれまでなかったですが,国民性はずっと前から同じです。
 これまではまだ,大多数の国民は言いなりとはいえ,かろうじて日本人の最低限の主体性は保たれていたように思います。しかし,ここで目覚めなければそれも危ないと思います。日本再生の最大にして最後のチャンスだと思っています。
 例え5類指定は押し切られたとしても,見直し期限を付けさせるか,せめて多くの反対の声があったことを残さねばならないと思います。
 どんな形でもいいと思います。声を上げてください。


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