本、上念司著「経済で読み解く日本史④明治時代
上念司. 経済で読み解く日本史④明治時代. 2019. 飛鳥新社,
p.117 幕末・明治、サムライ年収How🤑マッチ?
下級士族出身、1906年生まれ女子、の一人だった筆者の祖母。ご近所200軒ほどの電話番号を記憶(自己申告)という脳持つ強烈バッチャ。戦前戦後に子らを育て、戦死夫の知人寡婦に食と住まいを提供し、戦没者の子を引き取り、農家の姑舅の世話、さらに教師生活継続したスーパー母さん、寝る暇なんてなかったろう。昔の労苦を「ひとつも忘れることができず苦しい」とポカンと忘れっぽいワシら孫たちに、辛抱強く語ってくれた。最期まで、自らトイレで用足す気丈さを維持、98歳で他界した。
江戸末期以降、士族だった彼女の実家は全く金なく家族は食えず、長兄は養子で他家に送り出された。明治生まれ女性の1/1000人?程度が通えたのかすら実は不明な公立校での高等教育(←文科省資料等で要再調査)。幸いワシの祖母は昭和初期に高等女学校通学、学費は働く次兄が支えたという。結婚後は数十年間共働きで教師生活を続けつつ、農家の嫁・母・妻を生き抜いた稼得母:孫娘らの生の手本 = 実は稀少生物だ😅。
彼女の子孫への伝言は毎夏毎冬「女性も職業人たれ」「父・夫らがずっと稼げるとは限らねーぞ、そいつが死んだり病気でもなったらどうする?」。直接の経験もあったはず、どんな思いでワシらに語っていたのか?若き日々の彼女の境遇を、金銭的に思い描くきっかけにと、ページを開いた↓↓↓↓
だがどうだ、「そりゃーねえーよ、酷いだろー😭」. p117
1世帯、年60万円=月収5万円って(21世紀の現在価値換算で)👀💦
はぁ?家族食えるか?家賃払えるか?無理だろー。ふと録画リストに目が止まる。
NHKに同時代の解説番組あり:土方歳三、年収基本ゼロ円(↓動画3’20”以降へ)
人口10%未満の士族サムライ 【更にその内 90%超は下級士族サムライ】 、加えて
ほぼ90%の農民で構成された江戸末期Japan🇯🇵(「工商」はその隙間)。歴史科資料で読んだ「生かさぬように殺さぬように」は誰を対象とした言葉であったか、結局人口の99%じゃね?😓資料も教科書も疑う価値ありかあ。
さて、150年超の時が流れ
2020年代、ふたたび若年層の収入は減っていた(筆者もワシの周囲のもの達も、具体的数値は知らずに暮らしてた💦なんて呑気な!)
生涯賃金(p.330):1990年男大卒 307.4百万円①
→→ 2004年男大卒 290.7百万円②
→→→→ 2020年男大卒 279.9 百万円③
【参考文献:日本勤労男性の生涯賃金、過去30年で①-③2700万円以上減】計算合ってるかなあ?間違っているといいなあ。https://www.jil.go.jp/kokunai/statistics/kako/2022/documents/useful2022_21_p316-361.pdf、
大卒・男・勤労者の生涯賃金①-③2700万円超、下落?!?!
ワシ含む「てめえ」のたった数十年の経験値に頼らず「歴史に学ぶ」という立場をとるべきだろ。見知らぬ他人を傷つけることを金銭目的の「やりがい」とか「どーでもいー」と判断する直前の数十年間に、若年勤労者の収入下落が生じていたことは、歴史上有意に相関ありと考えらないか。
19世紀江戸末期以降の、残忍な志士・元士族・軍人らの暗躍と、戊辰戦争などの内紛や対外戦争の時代は重なる。生前写真では一瞬紳士に見えるお歴々。だが兵の過半は十歳代または二十歳代。彼らが学生・職業人・家人としての目的失い、将来に失望したらどうなるか?
↓ところで件のこの人、誰でしょう?
【プロフィール】T Hさん、30歳台、男、農民(「その他」説あり?とにかく人口の9割層)出身、年収60万円未満(2020年価値換算値)、非婚、中高年男性的特権得られず、庶民救済策なし、首長コロコロ交換政府、将来不安、親ガチャ以前に3歳で孤児に、丁稚奉公(恩賞あってもスレスレ衣食住only)、自分ガチャの賭け日々命懸け、他殺暗躍数知れず、1835年江戸生、1869年逝去、享年34歳。
貴方がこのTHさんだったら?を考える。元気な若者、大志抱けど数十年間「社会」に痛めつけら続けた後、殺人厭わぬ鬼となる。虚しさ胸に暴れ討ち死に(もし20世紀以降に生まれたなら、矯正施設で衣食住だけは確保できたのか)?江戸末期日本人の平均寿命は40代、だから享年34才はすでにオジイ= 中高老年。自尊心をぶん回したい脳年齢だったろうに。TH氏が、その矛先を「社会」に向けたわけではないと断言できる?
【参考文献:THさん、だれ?】https://www.ndl.go.jp/portrait/datas/316/
【参考文献:江戸時代の寿命は20歳-40歳台】
https://weekly-economist.mainichi.jp/articles/20200611/se1/00m/020/010000d
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