#14 走り続けて、気づいたら北九州にいた話。

#100日後30歳になる小川  #14

2017年の12月。
僕は京都にいた。

12月末でスペースワールドが閉園する。
その情報はずっと知っていたものの、いくタイミングもなく、あと半月というところまで迫っていた。

夜、友人と遊んでいて、スペースワールドに年末までに行っておきたいよね。いつだったら行ける？いや、今じゃない。今からじゃない？となって突如レンタカーを抑えて車に飛び乗り、深夜の高速に飛び乗った。

多分8時間くらいだったと思う。ほぼぶっ通しで運転し（僕はほとんどしてない）気づいたら北九州市にいた。

人生発のスペースワールドにして、人生最後のスペースワールド。全体的に少し寂れてしまった園内にチョークで書かれた「ありがとう」の文字。なんだかとても切ない気持ちになりつつ、今まで一度も来られなかったことを後悔した。

タイタン（乗り物）は痛かったし（褒めてる）、ヴィーナス（乗り物）も痛かった（褒めてる）。この日はちょうどザターン（乗り物）はやっておらず、日本国内でインタミン（ジェットコースターのメーカー）のアクセラレータ［ぐわーんと加速して山を駆け登り方向転換して下りてくるだけの頭おかしい（褒めてる）コースター］に乗るという僕の夢は途絶えてしまった。

そこから閉園まで遊んで、また車に飛び乗り、深夜の高速に飛び乗って、ほぼぶっ通しで運転し（僕はほとんどしていない）気づいたら京都市にいた。

なかなかに気の狂った旅だったけど、あの日あの場所に行けたことは本当によかった。友人よありがとう。

ありがとう、スペースワールド。グッズをたくさん買い込んで満足そうな僕。

その時の細かいことはもうあんまり覚えてないのだけど、その時に撮った写真とそれに対するコメントを記憶として残しておこうと思う。

ヴィーナスGP。カーブがなんとも美しい。ただGが半端なくて痛い。なんと姫路セントラルパークに移設されていて、写真もたくさん出回っているが、公式からは発表されてないらしい。なぜ。

タイタン。後半のぐるぐるするところが特に痛い。前半は気持ちの良いエアタイムだったはず。

タイタンとなんて名前か忘れたけど急流を滑るやつ。両方ライドが写る瞬間を狙って撮った覚えがある。

夜になるとスペースシャトルにプロジェクションマッピングが行われていた。

これがザターン。この右側にある駅舎からものすごい勢いでこのタワーを駆け上がり、また戻っていく。見上げるたびに「ザターン...美しい」と何度も思った。

足元に書かれた「スペワありがとう‼︎」の文字。切なかった。

なんだかよくわからないイルミネーションと撮ってもらった写真。この日は写ルンですと一眼の二段構えだった。

駐車場から見たスペースワールド。右側に写る工場も含めて美しい。今はもうこの景色が見られないなんて信じられない...。

エントランス。ザターンがデカすぎて収まっていない。

もう、今の僕にはそんな無理をする愚かさは残っていない気もするけど、あの時の愚かさを忘れぬように30歳を迎えたいなと、改めて思った。

僕が30歳になるまで、あと87日。