踊るQAnon

以前、トランスヘイターとQAnonの融合が進んでるよ、という記事を書いたわけですが


トランスヘイターのQAnonをヲッチしてたら興味深いツイートをしていました。

詳しくないひとには何を言っているのかさっぱりわからないと思いますが順に解説していきます。
まず画像右下にでている「クラウスシュワブ」という人物ですが、経済学者であり慈善活動家であると紹介されています。

世界経済フォーラムという会議を主催するひとでもあり、「ダボス会議」と呼ばれる年次総会には各国の首相が参加していたりします。

記事の最初で取り上げたツイートの「ダボス」とは「世界経済フォーラムのダボス会議」であり「ボス」とは「クラウス・シュワブ」のことです。

クラウス・シュワブだと主張する画像

説明のために私が番号を振りました。
QAnon系の陰謀論者はこの「クラウス・シュワブ」が変態であると執拗に攻撃を続けています。その一つが左の画像①と右上の画像②です。

QAnon系の陰謀論者は①と②の画像がクラウス・シュワブであり、このような変態的な格好をしているのがクラウス・シュワブの本性だ、と主張しているわけです。
しかし、これは事実ではありません。③だけはクラウス・シュワブ本人ですが、①と②はフロリダ在住のマックス・シュワブという全くの別人です。

そもそも①はサングラスで顔がよくわかりませんし、②もせいぜい雰囲気が似ている程度であり、これがクラウス・シュワブだと断定できる要素はどこにもないですね。
似ているのは「シュワブ」という名前くらいで、日本で言えば「だいたひかる」の画像を「宇多田ヒカル」の画像だと間違えちゃった、くらいの恥ずかしさでしょうか。

普通であればこんな画像を信じるわけがないのですが、QAnonは日常的に「世界で活躍している資本家は変態ばかりだ」という説を刷り込まれているので簡単に信じてしまいます。
その例としてもう一つ取り上げておきましょう。

ハンターバイデンとはアメリカ大統領のバイデン氏の息子のことです。
QAnon系の陰謀論者はこのハンターバイデンがペドフィリアであるとしつこく捏造してきました。
ハンターバイデン自体は、脱税などで色々と騒動を起こしている人物ではありますが、このようなあからさまなペドフィリアを連想させる個展を開いたという事実は存在しません。だれかがハンターバイデンに対して強い悪意を持ってコラ画像を作成しているわけですが、QAnon系の陰謀論者の狭いコミュニティではそのようなコラ画像が日常的に流れているわけです。


わたしはそれらのQAnon系の陰謀論者を観察してて、「これはネットを使った洗脳ではなかろうか」と強く思うことがあります。
おそらくQAnon当事者としては「世界の事情について、一般人が知らない事情を知っている事情通な私」という幻想に浸っているのではないでしょうか。彼らは実際には「コラ画像を捏造する誰か」に操られているだけの存在だということに気づいていません。それらがコラ画像であることを指摘されても「世界の支配層の不都合な真実を暴いたので攻撃されている」くらいに思っているのでしょう。その思考はまさに統一教会と同じ思考であり、QAnonというヤバイ宗教ができあがっているのではないでしょうか。

(参考)


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?