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月とハイボール

何度目かの夜が来た
そのようだ
嘘のようだ
今も当たり前に
息をしている
手のひら キスの温度
思い出すなぁ

どうにもならない
気持ちを隠したまま
泡は消えてゆく
瞼の奥に映る
夕闇に星が揺れる
月が溶けゆく

上手く笑えるようになった(適度に)
紛らわせるようになった
僕は傷つきながら
いつのまにか
大人になった

ずっと隣に
いると言ってた
そう思った
ウソだとも思った
悪い予感を感じたら ああ
あとはそれを待つだけ

声にならない
涙を隠したまま
夜に沈んでゆく
今夜もハイボール
氷は解けないまま
グラスは霞みゆく

上手く笑えるようになった(適度に)
紛らわせるようになった
僕は傷つきながら
いつのまにか
大人になった

今夜はハイボール
問題は解けないまま
グラスは霞みゆく

どうしたら良かったなんて
考えても仕方ないのに
あぁ僕は、後悔していた
子供のように
泣けてたなら
言えていたなら
言えていたなら
今なら言えるかな

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