令和4年初場所 序二段・序ノ口の見どころ

序二段

先場所、本格復帰の場所で序ノ口優勝を飾った井上(木瀬・22歳・西10)は、当然今場所も有力候補となる。
近い番付には、いずれも先場所三段目中位で全休した琴虎(佐渡ヶ嶽・27歳・東12)、益湊(阿武松・26歳・東12)など骨のある相手もいるが、さほど大きな脅威ではないか。先場所序二段下位で優勝にあと一歩まで迫った千代大和(九重・20歳・西7)も、最上位での大勝は難しいだろう。

ホットゾーンになっているのは、上位と中位の境目にあたる30枚目台半ば~40枚目前半あたり。新幕下場所の昨年夏、最後の相撲で右膝に大怪我を負い、3場所全休中だった聖冴(錣山・23歳・東34)が久々に復帰するほか、宮城野部屋の新たなる業師、掛け手の上手さに定評ある雷鵬(宮城野・24歳・西38)、先場所その雷鵬を破って驚かせた千代獅子(九重・16歳・東39)は再戦が楽しみ。2場所連続休場からの再起を図る朝心誠(高砂・23歳・東42)も、体調次第ではあるが、家賃としては軽く、有力馬の一人に数えられる存在だろう。

それ以下の番付では、先場所長期休場が明け、序ノ口で復帰した三段目経験者の中石(放駒・23歳・西63)や川村(鳴戸・20歳・西69)の名前は挙がってくるし、先場所全休のベテラン飛驒野(荒汐・31歳・東81枚目)も、ここまで落ちれば地力が違うはず。同じ先場所全休組として山根(鳴戸・18歳・東82)、琴紀峰(佐渡ヶ嶽・19歳・西93)、北の峰(八角・28歳・西100)にも言及しておきたい。
もうひと押しとして、先場所意外な不振にあえいだ伊藤(錣山・18歳・東92)の挽回にも期待。

序ノ口

4場所連続で休場していた幕下経験者の中島(武蔵川・23歳・西16)が復帰。実績から見ても、本命視されることは間違いないだろう。
ただ、3場所連続休場から復帰の三段目経験者・虎徹(大嶽・20歳・西15)、2場所連続休場から復帰の谷元(山響・19歳・西14)、先場所7番目の相撲で復帰の栃颯(春日野・30歳・西12)、大陸山(大嶽・21歳・東13)、先場所前相撲を取って番付外から復帰の千代大光(九重・20歳・西17)らにも力はあるだけに、波乱の可能性は十分。
随所で序ノ口レベルを超越した好戦が繰り広げられそうだ。

ちなみに、先場所最後の相撲で敗れた際に土俵下で頭を打ち、状態が心配された澤勇に関しては、初日の割にしっかり名前を確認できて一安心。
しかし、紛うことなきヒヤリハット事例であったことは事実。番付外陥落阻止のため、最後の取組に出てくる実力者と序ノ口の全敗力士を機械的に対戦させる現在の取組編成方針を改め、たとえば最高位や怪我をする前の番付に即して相手を変えるなど、個別具体的な対応を望みたい。

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