令和4年春場所 三段目の見どころ

中1場所で三段目付出力士がまた2人。楽しみな一方、序二段上位の力士にはなんとも気の毒な話と言えるでしょうか。
ただ、先々場所の場合、(付出で連勝中の)金峰山をおそらく意図的に序二段力士とは組ませないような割を作っていたので、今回も同じ方針を踏襲するのかどうか、それなりに注目しています。
確固たる意思のもとにやっているなら良いのですが、どうも審判部はそのあたりが終始場当たり的ですからね・・・

実力十分の幕下経験者ひしめく上位戦線

幕下経験豊富な実力者が並ぶ華やかな番付に。
今場所から所属が変わった栄風(二所ノ関・28歳・西筆頭)は、先場所西44枚目・3勝4敗という成績でまさかの三段目陥落。ここは優勝のチャンスができたと前向きに捉え、新興部屋に「初タイトル」をもたらしたい。
十両経験者&昨年初場所で幕下優勝を飾っているベテラン(芝田山・35歳・東6)は平成22年秋場所以来、実に11年半ぶりの三段目在位。体調次第だが、元気ならばこの地位では頭一つ抜けた技量の持ち主だ。
ベテラン勢では小城ノ正(出羽海・28歳・西4)大元(入間川・29歳・東15)、若手では颯富士(伊勢ヶ濱・20歳・東4)藤川(二所ノ関・20歳・西7)勇磨(阿武松・23歳・東14)千代大豪(九重・24歳・西17)丸勝(鳴戸・21歳・東29)らも有力馬として名前が挙がってしかるべき強者たち。
幕下経験のない力士では、三段目100枚目格付出デビューから3場所目の勝呂(藤島・24歳・西10)や、デビューから4場所連続で5勝以上の宮城(二所ノ関・23歳・東25)も初の優勝を虎視眈々と狙っている。

中位も家賃安の幕下経験者が中心か

慶天海(阿武松・32歳・東35)時乃平(時津風・22歳・東43)佐田ノ輝(境川・26歳・東46)井上(木瀬・22歳・東49)千代の勝(九重・27歳・西49)ら家賃の安い番付にいる幕下経験者たちが順当に勝ち星を伸ばしていきそうだ。中でも、いずれも長期休場からの再起途上、いきなり最初の一番で割が組まれた井上ー千代の勝の結果には要注目。
1月31日に亡くなった元幕下・新花山こと千葉公康さんの東大阪道場で育ち、同音の四股名を受け継いだ新隆山(常盤山・18歳・東60)は、地元場所で恩師に大きな成果を捧げたい。同部屋の兄弟子太一山(常盤山・24歳・西64)も触発される形になれば大勝が期待できる位置取りだ。

付出対決の勝者が軸も、多士済々の下位

冒頭に記した通り、神崎(武隈・22歳・100枚目格付出)羽出山(玉ノ井・22歳・100枚目格付出)の2人が付出でデビューする。先々場所の例に倣えば直接対決は3番目の相撲となりそうで、勝者はそのまま三段目優勝の本命格へと躍り出ること間違いなし。
ただ、その他の力士も指をくわえて見ているわけにはいかない。中でも、宮城野部屋の新たなる小兵、掛け手の上手さ光る雷鵬(宮城野・24歳・東73)、先場所入門以来初めて負け越し、捲土重来を期す春雷(立浪・16歳・東75)、先々場所序二段上位で7戦全勝も先場所全休で番付を大きく落とした幕下経験者の魁鵬(友綱・26歳・西80)、2年7月の入門から1年で幕下入りを果たすも、膝の怪我に苦しみ先場所は全休を強いられた下山改時虎(時津風・20歳・西91)らの戦いぶりには期待を寄せている。

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