タイトル作者【ワク】タイトル【GAYAラジ村の大ボラ】
・タイトル作者【ワク】
・タイトル【GAYAラジ村の大ボラ】
・番号【1】・文章作者【りにょり】
そこは、湖が綺麗なGAYAラジ村。
ペグおすすめの洋楽が流れ、なかとーの像が立ち、秋には「ヤマ落とし」という祭りが開催され、村長はきくぞうだ。
森の奥深くにある少人数の村だが、この村は曰く付きだった。
どのような曰くかと言うと
・番号【2】・文章作者【てちゅろん】
湖を囲む東西南北に建てられた4体のなかとー像が、満月の夜に動き出すという。
先祖から伝わる嘘くさい伝承だが、きくぞう村長は満月の夜の外出を禁じたそうだ。
村役場で注意事項と宿泊先を聞いたピピタパンは、外で携帯の圏外をボヤくネロに移動を促す。
地図に無い集落や廃墟を取材して回る秘境ライター、それが彼らの生業だった。
役場には「ツーリング中にたまたま見つけたので疲れを癒したい」と伝えていた。
「それにしても、村中に流れるこの陽気な放送は何なんだろうね?」
「おこんしょこたん、らしいよ。さっきペグって人が曲紹介してた」
「おこん、なに?w」
もうすでに面白い村だ。取れ高の高い記事が書けると思えば、このノリの良い洋楽にも心が躍る。
稲刈りをする老人の視線を痛いほど感じながらも、2人は宿泊先までバイクを押した。
・番号【3】・文章作者【カジキ】
宿泊先を目指すピピタパンとネロ。
その道中、小さな神社を見つけた。
ヤマ大明神。秘境の村だけあって聞きなれない神を祀っているようだ。
貴重なネタだと写真におさめるネロ。
「うわー!」
背後でうっかり転んで肥溜めに落ちるピピタパン。
糞を洗い落とし先を急ぐ二人。
ほどなくして宿泊先に到着。湖に近いペンション「シュプール」。建物の近くには、ふんどし姿の男らしき石像もあった。
「これか! きくぞう村長が言っていた、なかとー像は」
「湖の東西南北に1体ずつあると言ってたね。満月の夜に動き出すって、本当かな。」
像を写真におさめるネロ。
「うわー!」
今度はバイクごとすべって肥溜めに落ちるピピタパン。
・番号【4】・文章作者【ワク】
ペンション「シュプール」に入ると怪訝な顔をされ、やんわりと宿泊を断られてしまった。
2回も肥溜めに落ちた奴がいるんだから当たり前だ。
ピピタパンとねろは、受付にあったなかとー像のキーホルダーだけ買ってペンションを後にした。
「ピピさんのせいで断られちゃったじゃないですか。」
ねろは村の地図を開く。
「近くに例のなかとー像がある湖があるみたいなので行きましょう。そこで体でも洗ってください。」
湖に着くと、ピピタパンはそのまま飛び込んだ。
その勢いでポケットに入っていたなかとー像が湖に落ちてしまった。
ピピタパンがしょんぼりしていると、湖がゴボゴボといい中から神々しい男が現れた。
「私はヤマ大明神。あなたが落としたのはこの金のふんどしのなかとー像ですか?それとも銀のふんどしのなかとー像ですか?」
・番号【5】・文章作者【りにょり】
ピピタパンは答えた。
「私が落としたのは、頭を押すと『はぁん♡』と声を出すなかとー像です!」
ヤマ大明神は金と銀のなかとー像の頭を押すと、両方が「はぁん!」と鳴いた。
「うーん、どっちか分かんないから両方あげます」
そうして金と銀のなかとー像をゲットしたピピタパンとねろは、湖の近くで衝撃の物を見つけた!!
・番号【6】・文章作者【てちゅろん】
ゴゴゴゴゴゴゴ……地鳴りだろうか。
「じ、地震?!」
恐怖にひきつった顔で金のなかとー像に抱きつくピピタパン。
「ピピタパン、あれ!」
ネロが指した湖の中央に祠のような大きな岩が水面を突き破って姿を現したのだ。地鳴りはいつの間にか止んでおり、ヤマ大明神の姿もなかった。
「これは、つまり」
「来いってことかな?」
2人は顔を見合わせ、金のなかとー像と銀のなかとー像をロープでぐるぐると巻いて即席の筏(いかだ)をこさえて湖に浮かべる。
「やっぱり浮くぞこれ!」
「よし、これに乗ってバタ足で祠まで進もう!」。
なかとーの筏に飛び乗り、2人は水面を勢いよく蹴りだし湖の中央へ向かった。
ゴゴゴゴゴゴゴ……これは地鳴りではない。
なかとー像をぞんざいに扱う様子を般若の形相で見つめていた人影が放つ、何というか威圧のようなものだ。
「ピピタパン、ユルサナイ!」
木陰から現れた人影の男、ハチが湖に向かって走り出した!
・番号【7】・文章作者【カジキ】
「ピピタパン、ユルサナイ!」
狂気的な叫びに怯えるピピタパンとネロ。
金と銀のなかとー像で作ったイカダのスピードをあげる。
「もっとフォルティッシモに!」
しかし、謎の男ハチは驚くことに水上を走り、あっという間に追いついてきた。
「ピピタパン、ユルサナイ!」
「フンドシ! ハカセロ! コレ ハカセロ!」
「えっ!?」
意味がわからないまま、渡されたふんどしをなかとー像につけはじめる二人。
「できた! あ、あれ!?」
ふんどしをつけ終わった時には、すでにハチの姿はなかった……。
「何だったんだろう。ふんどしはちゃんとあるし幻じゃなかったみたいだけど……」
「わからないけど、とにかく進もうか」
「そうだね。湖の真ん中まであとちょっと。急に現れた岩はなんなのかな?」
ペンションの方向から発砲音が。別の方向からは「おこんしょこたん」が聴こえる。
「何が起こっているの!? この村!」
もはや何もわからない。
祠のような岩にたどり着いた時、どこからともなく声が聞こえてきた。
「わたし、怒ってます!」
・番号【8】・文章作者【ワク】
祠は巨大なホラ貝のような形をしていた。
近寄ろうとすると、湖から巨大なボラが現れた。
「GAYAラジ村は村にあらず。空、海、山、人、皆すべて作り物なり。ワクの見ている夢の世界なり。ワク目覚める時、GAYAラジ村は泡となる。我、流れ着きし者に真実を伝える」
そう言い残すとボラは去っていった。
祠には像をはめ込める穴があり、そこになかとー像を押し込むとゴゴゴゴと祠が開いた。
中には怒り狂ったワクがいた。
「わたし、怒ってます!タイトルにGAYAラジ入れたらみんなのキャラが強すぎてしっちゃかめっちゃかで必死にタイトル回収だよ!なかとー像じゃなくて、ペグさんを寄越せー!!」
ねろとピピタパンが慌ててペグを呼んでくると、ワクは感動のあまり泣いた。
ワクが顔をあげると、
ねろやピピタパン、ペグや村のすべてが消えていた。
ワクは近くの町に向かい、今まで起こったことをみんなに話した。
しかし、GAYAラジ村なんて聞いたことがないと誰にも信じてもらえなかった。
アイツは大ボラ吹きだと噂され、職を無くし、家も無くした。
お腹の空いたワクは、「あまやどり」と書かれた店の前に倒れこんだ。
ワクを見つけたタカヒロとすずは、店の前に不審者がいると通報した。
ワクは逮捕され牢獄に入ったが、飯はでてくるし寝床もあるし、外よりはマシだと思った。
(いつか金持ちになってホラ吹きだと言った奴らを見返してやる・・・)
その獄中生活で構想を練ったゲームが「KUSOGEトリック」です!
2024年ゲムマ秋で頒布します!売れたらワクが幸せになります!よろしくおねがいします♡
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?