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場面に基づいたコミュニカティブでアウトプットを中心とした授業展開するには

最近よく聞かれるのが、「御社は何をされてる会社なのですか?」という和田アキ子ばりの質問を頂くので、丁度よい機会だと思うので、この機会に弊社のことを伝えたいと思い、このnoteに記したいと思いしたためた次第です。

WIZWORDs(ウィズワード)(株)は一言でいえば、業務委託で外国人講師を学校や会社へ派遣する会社です。
そのため弊社では、各学校の教育方針や各企業の要望によって、柔軟に教授法を合わせたりしていますが、たった一つだけブレない授業展開を弊社講師たちにはお願いしています。
それは「場面に基づいたコミュニカティブでアウトプットを中心とした授業展開」というテーマを中心にレッスン・カリキュラムを常にお願いしているという点です。

そのテーマの背景として、21世紀のグローバル化とデジタル化に伴い、言語教育に求められるスキルや能力が大きく変化しています。
従来の文法中心の言語教育では、実際のコミュニケーション能力が十分に養われないことが指摘されてきました。
そこで、特に英語をはじめとする第二言語教育においては、単なる文法知識や単語の暗記ではなく、実際の場面で即座に使えるコミュニケーション能力が求められているのです。

このテーマは、学習者(生徒など)が実際の生活や仕事で即戦力となる言語能力を養うための効果的な方法です。
このアプローチは、実用的なコミュニケーションスキルの育成、学習者のモチベーション向上、文化理解の促進、アウトプットを通じた言語習得の促進、そして21世紀スキルの育成において重要な役割を果たします。

テーマの5つの重要性を下記に紹介します。

1. 実用的なコミュニケーション能力の育成

グローバルな社会では、実際に使用できるコミュニケーション・ツールとしての言語能力が重要です。
旅行、仕事、学業など様々な場面で外国語を使用する機会が増えています。
そのため、場面に基づいたコミュニカティブな授業展開は、実際の生活や仕事で役立つスキルを養うことができます。

2. 学習者のモチベーション向上

実生活に直結する内容を学ぶことで、学習者の関心と意欲が高まります。
特に、具体的な場面を設定した活動は、学習者にとって現実的で身近に感じられ、学習の意義を理解しやすくなります。

3. 文化的理解の促進

言語は文化と密接に関連しています。
場面に基づいた授業を通じて、言語だけでなく、その言語が使われる文化や習慣についても学ぶことができます。
これにより、異文化理解が深まり、国際感覚が養われます。

4. 実践的なアウトプットを通じた言語習得の促進

言語学習において、アウトプット(話す、書く)を中心とした活動は非常に効果的です。
実際に使ってみることで、学習した内容が定着しやすくなります。
また、リアルタイムでのフィードバックを通じて、間違いを修正し、より自然な表現を身につけることができます。

5. 21世紀スキルの育成

問題解決力、批判的思考、協働作業など、21世紀に求められるスキルはコミュニケーションを通じて養われます。
場面に基づいた授業展開は、これらのスキルを自然に学べる環境を提供しているのです。


レッスン・カリキュラムの基本方針

『場面に基づいたコミュニカティブでアウトプットを中心とした授業展開』のレッスン・カリキュラムにおいて、以下の基本方針を心がけることで、効果的かつ実践的な言語学習を実現できます。

1. コミュニカティブ・アプローチの概要

コミュニカティブ・アプローチは、言語を実際のコミュニケーションの中で使用することを重視する教育方法です。
このアプローチは、学習者が言語を使って意味のあるやり取りを行うことを目指し、次のような特長があります。

  • 意味の重視:文法や語彙だけでなく、言語の使い方と意味に焦点を当てます。

  • 相互作用:学習者同士、または学習者と教師との間の対話を通じて学びます。

  • 実生活のシチュエーション:教材や活動が実生活に即したものです。

  • 学習者中心:学習者のニーズや興味を反映した授業展開です。

2. アウトプット中心の授業の意義

アウトプット中心の授業では、学習者が積極的に言語を使用する機会を設けます。
アウトプット活動の意義は下記の通りです。

  • 学習の定着:実際に話したり書いたりすることで、学んだ内容が記憶に残りやすくなります。

  • フィードバックの機会:間違いや改善点をその場で確認し、修正することができます。

  • 自信の向上:何度も実践することで、言語使用に対する自信がつきます。

3. コミュニケーション目標の明確化

授業の目標を具体的かつ明確に設定します。
これにより、学習者は何を達成すべきかを理解しやすくなります。
目標設定のポイントは以下の通りです。

  • 具体的なシチュエーション:「レストランで注文する」「道を尋ねる」など、明確な場面を設定します。

  • 達成可能な目標:学習者のレベルに合わせて、達成可能な目標を設定します。

  • 測定可能な目標:学習成果を評価できるよう、測定可能な形で目標を設定します。

4. インプットとアウトプットのバランス

授業では、インプット(聞く、読む)とアウトプット(話す、書く)のバランスを取ることが重要です。
以下の点に注意して設計します。

  • インプット活動:教材やビデオ、リスニング素材などを使用して、新しい語彙や表現を学習します。

  • アウトプット活動:学んだ内容を使って、実際に話したり書いたりする活動を行います。

  • 段階的な練習:簡単なインプット活動から始め、徐々に難易度を上げてアウトプット活動を行います。

5. ペアやグループ活動の導入

コミュニケーションを促進するために、ペアやグループでの活動を積極的に導入します。
これにより、学習者同士が協力して学ぶ機会が増えます。

  • ペアワーク:2人1組でロールプレイやディスカッションを行います。

  • グループワーク:小グループでプロジェクトやディベートを行います。

6. 効果的なフィードバックの提供

学習者がアウトプットした内容に対して、適切なフィードバックを提供します。
フィードバックのポイントは以下の通りです。

  • 具体的な指摘:間違いを具体的に指摘し、どのように改善すべきかを示します。

  • ポジティブなアプローチ:改善点だけでなく、良い点も指摘し、学習者の自信を育てます。

これらの基本方針を踏まえたレッスン・カリキュラムにより、学習者が実際のコミュニケーション場面で自信を持って言語を使用できるようになります。


実際に授業で使えるゲームやアクティビティ

そして実際の授業で活用できるゲームやアクティビティについて詳しく解説します。

1. ロールプレイ

目的:特定の場面における会話を練習する。
方法:学習者をペアに分け、一方が「店員」役、もう一方が「客」役などのロールプレイを行います。
例えば、「レストランで注文する」場面では、メニューを使って注文のやり取りを行います。

2. インタビューゲーム

目的:質問する能力と答える能力を向上させる。
方法:学習者にインタビューシートを配り、クラスメイトに質問をして情報を集めます。
例えば、「好きな食べ物は何ですか?」「週末は何をしましたか?」など。

3. サバイバル英語

目的:実生活で役立つフレーズを学ぶ。
方法:旅行や買い物など、サバイバルシチュエーションを設定し、その場面に適したフレーズを学びます。
その後、実際にペアやグループでそのフレーズを使って会話を行います。

4. タイムトライアル

目的:素早く正確に話す練習をする。
方法:学習者に特定のテーマについて1分間話してもらいます。時間内にどれだけ多くの情報を伝えられるかを競います。

5. ミニディベート

目的:論理的に考え、意見を述べる能力を育成する。
方法:簡単なテーマ(例:「制服は必要か?」)について、賛成派と反対派に分かれてディベートを行います。各グループは自分たちの意見を述べ、相手の意見に反論します。

6. 情報ギャップ活動

目的:効果的なコミュニケーションを通じて情報を交換する。
方法:各学習者に異なる情報を与え、それを口頭で交換しながら情報を完成させます。
例えば、一方の学習者にはある旅行先の詳細情報が書かれた紙を、もう一方にはその旅行先の写真を渡し、お互いに情報を共有して旅行プランを作成します。


まとめ

簡潔ではありますが、『場面に基づいたコミュニカティブでアウトプットを中心とした授業展開』を実現するためには、具体的な目標設定、現実的なシチュエーションの選択、インプットとアウトプットのバランス、ペアやグループ活動の導入、そして適切なフィードバックが重要です。
これらの心がけとともに、様々なゲームやアクティビティを取り入れることで、学習者の実践的なコミュニケーション能力を効果的に向上させることができます。

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