見出し画像

エルドリッチの力を得た新「幻煌龍」【幻煌エルドリッチ】

こんにちわ、うぃずさんです。最近の制限改定でγが準制限になり自分の持ちデッキであるPSYガエルがかなり厳しくなってしまってショックを受けてるところ、そしたら10月でγが制限ということで、もうね、絶望している今日この頃です。

今回は、最近の主力デッキに昇格した私の幻煌龍デッキを紹介しようと思います。実は初CS出場の際はPSYガエルの調整が間に合わず、またこのデッキの方が環境で戦えるという結論になり、このデッキで出場しました。結果は1-3でしたが、思いの外戦えるという手応えを感じましたので以降メインで使用していて、今現在の研究デッキとなっております。その後、CS1回・YUDT1回と大会に出場し、YUDTブロック優勝という結果を残すことができました。一つの区切りになりますので、自分の考えをまとめるためにも一度文章に起こしてまとめつつ、紹介していきたいと思います。

※2022/1/22更新 マスターデュエル稼働開始と共に僅かばかりですが「幻煌龍」の話が出ていて、自分の頭の中を知られたくないので一部有料での公開にします。
※2023/04/06更新 流石に環境で活躍は難しそうなのと注目度が落ちているので再度無料に戻しました。ご購入くださった方々、誠にありがとうございました。

1. そもそも「幻煌龍」って何なん? ~テーマとカード紹介~

幻煌龍は2017年1月に発売された「マキシマム・クライシス」で登場したテーマになり、有名な同期としては真竜・LL、灰流うらら・VFDがあります。この時点で既にかませ犬感ハンパないです。

テーマの戦い方としては、カード名が「海」として扱うフィールド魔法「幻煌の都 パシフィス」と「海」があると手札から発動できる罠カードでサポートしながら「幻煌龍 スパイラル」などの通常モンスターで戦っていく罠ビートのテーマになります。テーマ単体だけでも戦えますが、通常モンスターとの相性がいいので、妨害しつつ通常モンスターを出せるバージェストマなど通常モンスターを出せるギミックがあるテーマと組み合わせたデッキなどが開発されています。ただ環境に上がらず、テーマの知名度も他のテーマが目立ちすぎて、幻煌龍の知名度はかなり低く、話題にも上がらず、更には情報も少なくテーマの新規もなく、最高レアリティが字レアという公式からも見放された残念なテーマです。しかしながら次のデッキビルドパックで勇者トークンで戦うテーマが登場するということで、トークンと相性がいい幻煌龍と組んで環境に入ってくれるかなぁ、と淡い期待を持ってこのテーマを紹介してみます。

○カード紹介

・幻煌の都 パシフィス

画像2
フィールド魔法
このカードのカード名はルール上「海」として扱う。
このカードの効果を発動するターン、自分は効果モンスターを召喚・特殊召喚できない。
(1):1ターンに1度、自分が通常モンスター1体の召喚・特殊召喚に成功した場合に発動する。
デッキから「幻煌龍」カード1枚を手札に加える。
(2):自分フィールドにトークンが存在せず、
相手が魔法・罠・モンスターの効果を発動した場合に発動できる。
自分フィールドに「幻煌龍トークン」(幻竜族・水・星8・攻/守2000)1体を特殊召喚する。

一番重要なフィールド魔法なので一番最初にご紹介します。ルール効果で「海」として扱う効果。通常モンスターが出ると幻煌龍カードをサーチする強制効果。相手が効果を発動した場合に攻守2000のトークンを生成する任意効果で幻煌龍の中核を成す重要なカード。トークン生成から妨害サーチまで1枚で完結します。サーチ効果が強制効果であるため通常モンスターを出すと効果モンスターが出せなくなり、効果モンスターを出すとこのカードの効果が発動できなくなります。なお「海」扱いする効果は「王宮の勅命」などでは無効になりません。トークンが存在せず~っていうのは幻煌龍トークン以外も含まれるので、勇者トークンがいる時は幻煌龍トークン出せません。ということで淡い期待は打ち砕かれました、ありがとうございました。

※ちなみに、惑星探査車の効果を使った後でもパシフィスの効果が使えないだけでカードの発動自体はできます。これは特殊裁定ですので覚えておきましょう。

・幻煌龍 スパイラル

画像1

※通常モンスターにつき効果欄は省略

メインモンスター且つ唯一のテーマ内モンスターですが、最上級モンスターのバニラで初手引きは事故という悲しい子。後述の装備魔法から出せるので装備魔法を活用する場合の打点要員として用いられます。細書に記載したとおり、素引きが事故札なので入れない構築も多いですがレベル8でトレード・インが使えるなど、他のカードのシナジーを考えたりすると採用するか否かは使用者のセンスにゆだねられます。入っていると(出せれば)打点が上がりライフを取るスピードが上がるので、個人的には1枚は必ず採用したいです。守備力が2900あるのは地味に強いです。

・幻煌龍の戦渦

画像3
通常罠
フィールドに「海」が存在する場合、このカードの発動は手札からもできる。
(1):自分フィールドのモンスターが通常モンスターのみの場合、
相手フィールドのカード1枚を対象として発動できる。
そのカードを破壊する。
(2):墓地のこのカードを除外し、自分フィールドの通常モンスター1体を対象として発動できる。
そのモンスターが装備可能な自分フィールドの全ての「幻煌龍」装備魔法カードを
その通常モンスターに装備する。

幻煌龍の妨害の基本。自分の場が通常モンスターのみの場合に発動できまして、相手の場のカードなら何でも割れます。枚数の都合上3回しか撃てないのでマストはしっかり見極めましょう。墓地効果は装備モンスターが破壊されそうになったときなどに、装備対象を変えるというもので、ライフを削りきれるかを見極めて詰めるときに使う場合もあります。罠ですが、パシフィスがあると手札から発動できます。純なら3枚積み推奨。

・幻煌龍の浸渦

画像4
通常罠
フィールドに「海」が存在する場合、このカードの発動は手札からもできる。
(1):自分フィールドのモンスターが通常モンスターのみの場合、
相手フィールドの効果モンスター1体を対象として発動できる。
そのモンスターはターン終了時まで、攻撃力・守備力が1000ダウンし、効果が無効化される。
(2):墓地のこのカードを除外し、自分フィールドの通常モンスター1体を対象として発動できる。
自分の手札・墓地から「幻煌龍」装備魔法カード1枚を選んでその通常モンスターに装備する。

こちらも自分の場が通常モンスターのみの場合に発動できて、攻守1000ダウン+効果無効ということで、発動できれば「無限泡影」の上位互換的なイメージ。戦渦と違って破壊しないので使いどころはしっかり考えて打つ必要があります。このカードの強みはダメステで発動できる点と攻守を下げるのでスキドレ発動下でも発動できる点。墓地効果は墓地(手札)の幻煌龍装備魔法の再利用できる効果。手札から装備もできるので、相手の意表をつくこともできます。ちなみに最近良くある①②の効果はいずれかしか使えない、とかではないのも強いポイント。純なら2~3枚積みか。あ、これも罠ですが、パシフィスがあると手札から発動できます。

・幻煌龍の天渦

画像5
通常罠
フィールドに「海」が存在する場合、このカードの発動は手札からもできる。
(1):自分フィールドの「幻煌龍 スパイラル」1体を対象として発動できる。
そのモンスターが「幻煌龍」装備魔法カード3種類以上を装備した状態で、
戦闘で相手の効果モンスター3体を破壊した時、自分はデュエルに勝利する。
(2):自分フィールドの通常モンスターが戦闘・効果で破壊される場合、
代わりに墓地のこのカードを除外できる。

条件を満たすと特殊勝利ができる効果をスパイラルに付与するカードですが、装備魔法3種を全部付けて3体の効果モンスターを破壊するというのがそもそも時間が掛かりすぎるため純でもロマン過ぎて採用されないカード。墓地効果は通常モンスターが破壊される時の身代わりに除外できる効果でパッと見使えそうに見えますが、墓地に送る手段が無いとスパイラルがいない限り発動できないので、やっぱり微妙・・・。例の如く罠ですが、パシフィスがあると手札から発動できます。このカードに関しては「だからなんだ」という感じですが。

・幻煌龍の螺旋絞(スパイラル・ホールド)

画像6
装備魔法
通常モンスターにのみ装備可能。
「幻煌龍の螺旋絞」の(2)の効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):装備モンスターの攻撃力は500アップする。
(2):装備モンスターが戦闘で相手モンスターを破壊した時に発動できる。
自分の手札・デッキ・墓地から「幻煌龍 スパイラル」1体を選んで特殊召喚し、
このカードをそのモンスターに装備する。
その後、相手に1000ダメージを与える。

唯一攻撃力がアップする幻煌龍装備魔法。モンスターを戦闘破壊すれば除外以外から攻撃力3400のスパイラルが出てきてかつ1000バーンと非常に強力です。ダメステで出てくるのでうららも通りません。筆者が幻煌龍装備魔法の中で一番使い勝手がいいと思っているカード。採用は1枚か。

・幻煌龍の螺旋突(スパイラル・クラッシュ)

画像7
装備魔法
通常モンスターにのみ装備可能。
「幻煌龍の螺旋突」の(2)の効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):装備モンスターが守備表示モンスターを攻撃した場合、
その守備力を攻撃力が超えた分だけ相手に戦闘ダメージを与える。
(2):装備モンスターが相手に戦闘ダメージを与えた時に発動できる。
自分の手札・デッキ・墓地から「幻煌龍 スパイラル」1体を選んで特殊召喚し、
このカードをそのモンスターに装備する。
その後、相手フィールドの攻撃表示モンスター1体を選んで守備表示にできる。

貫通効果を付与する装備魔法。リンクモンスターや攻撃表示のモンスター相手だとあんまり意味が無いので個人的に優先順位としては2番目。表示形式変更効果もリンクモンスターには無意味なのであまり優先する理由がないですが、カオスMAXみたいな効果の対象取れない効果持ちで守備が低いモンスターが環境で流行るようなら採用を検討します。こちらもスパイラルの特殊召喚効果はダメステなのでうららが通りません。ダメージを与えないとスパイラルを出せない点が注意点。採用は1枚。

・幻煌龍の螺旋波(スパイラル・ウェーブ)

画像8
装備魔法
通常モンスターにのみ装備可能。
「幻煌龍の螺旋波」の(2)の効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):装備モンスターは1ターンに1度だけ戦闘では破壊されない。
(2):装備モンスターが戦闘を行ったバトルフェイズ終了時に発動できる。
自分の手札・デッキ・墓地から「幻煌龍 スパイラル」1体を選んで特殊召喚し、
このカードをそのモンスターに装備する。
その後、相手の手札がある場合、相手は手札を1枚選んで捨てる。

1度だけの戦闘破壊耐性をつける装備魔法。戦闘を行う、とスパイラルを出す条件は一番ゆるいですが、こちらはスパイラル特殊召喚がバトルフェイズ終了時なので出したスパイラルは攻撃に参加できず、しかもうららとわらしを食らうということで優先順位は最下位。ただ、スパイラルと出てきた際のハンデス効果は地味に強く、うららを打っても効果を通しても、カードを1枚使わせるor捨てさせることができます。但し捨てるカードは相手が選ぶので墓地に送りたいカードを捨てられる場合もあります。採用するなら1枚。

一通り、テーマカードの解説をさせていただきました。本当に低レアリティで悲しくなります。せめてパシフィスと戦渦はシク有のスーパーにして欲しいと切に思います。ちなみに米版も日版も同じレアリティです。悲しい

2. そもそも「幻煌龍」って何なん? ~強みと弱点~

ひとまず思いつくところで幻煌龍の強みを書いてみます。

①通常モンスターメインで戦うのでスキルドレインが強く使える

基本的に惑星探査車以外のモンスター効果はほぼ使わないので、一方的にスキルドレインで相手の動きを封じることができます。その惑星探査車も効果使用時はフィールドを離れるため、スキドレの影響を受けず非常に相性が良いです。トークンとスパイラルに合わせて採用モンスターを水属性で統一すれば、御前試合も採用できます。

②手札から罠が打てるので奇襲性が高い

幻煌龍の罠カードは、パシフィス(海)があれば手札から発動できる共通効果があるため、サーチした罠は見えてるから読めるとしても、素引きして見えていない罠は奇襲性が高く、対処しづらいため非常に強力です。

③テーマ内のカードが少ないので、自由枠が多い(個性を出しやすい)

幻煌龍のテーマカードとしては、8種しかなく、フル採用がパシフィスと戦禍の6枚(純なら浸禍も入れて9枚か)しかないので、他のカードで何を採用するか、また採用枚数は何枚かで使う人の個性を出しやすいテーマだと思います。

④ほとんどの人がまぁ知らない。

私の経験談ですが、CSでパシフィスを出した時点で、対戦相手全員からカード効果の確認されました。何の情報もないところで手札から罠を発動すると相手は困惑します。パシフィスの効果の処理やトークンがいなければトークン生成効果にターン1が無いことを知らずトークンに強制脱出装置打ってきてまたトークンが湧いて相手の方も対処に困ったりと、情報アドがハンパ無いテーマです。その分使うときは誰も助けてくれないので裁定やタイミングは完璧にしておいてください。

⑤人気がないので安く組める

テーマカードがおおよそ30円~50円ぐらい(高くても100~200円)なので格安で組めます。汎用も入れればもちろん高くなりますが、メインパーツだけなら1000円でおつりが来るレベルでお財布にやさしいテーマです。但しほとんどの場合、ストレージから探すハメになるので買うのは大変です。なので買うときはテーマごとや名前ごとにカードを分けてくれていて探しやすいお店か通販で買うことをオススメします。

以上の5点(4点?)が自分が思う幻煌龍の強みだと考えています。

逆に弱点としては

①ギミックがフィールド魔法(パシフィス)に依存しすぎ。

トークン生成+サーチ+手札から罠発動というギミックをパシフィス1枚で支えているので、パシフィスが無いとデッキの回転はかなり鈍くなります。パシフィスそのものやサーチカードが止められると苦しい戦いを強いられることになります。昔はメタバースが無制限でしたので比較的楽に持ってくることができましたが、2019年7月に制限カードになってしまい、フィールド魔法が重要の幻煌龍にとっては大きな弱体化を受けることとなりました。

②通常モンスターが引けないと、自分から動けない。

画像13

パシフィスのトークン生成効果は、相手が何らかの効果を使用しないと発動できないため盤面が出来上がっている状態でフィールドにモンスターがいないと相手は何もせずバトルフェイズで殴ってくるだけでただただライフ取られておしまい、ということが多々あります。私はこれを他の方に伝えるときは「幻煌龍はマジでメガロスマッシャーX引けないと負ける」と言ってます。かと言って通常モンスター多めの構築ですと、パシフィスがない時の通常モンスターの被り引きが非常に痛く、パシフィスがない場合は惑星探査車と通常モンスターで召喚権を食い合うので事故率が上がります。困ったもんです。

③アド・ライフを取るスピードが他テーマと比べても遅い

パシフィスのサーチ効果はターン1しかなく、トークン生成効果もトークンが自分の場に存在すると発動できないので、自分のターンで通常モンスターを出せないと、トークンが消えるまでサーチができず、盤面整えたら何もせず殴るだけでおしまい、になってしまいます。更に通常モンスターが出せないとトークン1体だけで殴り続けることになるのでライフもなかなか取れず、2100以上のモンスターを立てられると突破が難しくなりロングゲームになりやすく、リソース切れで負け、ということも多いです。かといってライフを取るスピードを上げるためにスパイラルを採用すると、事故率が上がり、下級が欲しい時のスパイラル素引きが本当に絶望です。「幻煌龍はマジでメガロスマッシャーX引けないと負ける」再びです。

④パシフィスの効果を使うと効果モンスターが出せなくなる

カード紹介の時に少し触れていますが、効果使用後は「ターン終了時まで効果モンスターを召喚・特殊召喚できない」というクッソ重い制約がつきます。これが幻煌龍デッキを組む上で重要かつ非常に重い制約になります。といっても使えなくなる主要なやつはγとニビル、最近だとトークンコレクターぐらいですが。

⑤後攻がどうしようもなく弱い

パシフィスで妨害とモンスターを用意する都合上、相手の盤面が出来上がっていると何もできず返しのターンで殺されます。罠ビの宿命ですがこのデッキも例外ではありません。こればっかりは仕方ないね。

こんな感じで幻煌龍の強みと弱点を並べて見ました。そんなめんどくせぇ弱いテーマ使いたくねぇよ!と言われるかもしれませんが、幻煌龍以外でも妨害や展開などのギミックを組み込めれば、環境でも戦える非常に強いテーマだと自分は思っています。そこで閃いたのが、現環境でもおなじみの「エルドリッチ」との混合構築でした。

3. 幻煌龍にエルドリッチを混ぜるメリット

画像10

ただでさえ強いエルドリッチを幻煌龍ごときに混ぜるとは何事か、と思われるかもしれませんが、エルドリッチを混ぜることにより先ほど挙げた幻煌龍の弱点ほぼすべてを補うことができるからです。そもそも純でエルドリッチ握っとけよと言われそうですが幻煌龍のメリットも合わせれば、私はこれでもよいと思っています。それではエルドリッチを混ぜることによるメリットを紹介します。

①パシフィスが無くても動ける(パシフィスに依存しない動きができる)

先述の通り、パシフィスが引けないと苦しい戦いになるのは間違いないですが、エルドリッチとしての動きができる場合は単純にエルドリッチとして戦うことができるというのは非常に大きいです。エルドリッチ自体もスキルドレインと相性が良いためエルドリッチで時間稼ぎしつつパシフィスを待つ、ということもできます。

②安定して通常モンスターを供給できて、しかも能動的に動ける

画像11

エルドリッチ自体は効果モンスターで、パシフィスと相性が悪そうに見えますが、エルドリッチのお供である黄金郷永続罠のコンキスタドールとワッケーロはすべて通常モンスター扱いで出てくるため、パシフィスとの相性は抜群です。さらに相手ターンにも特殊召喚できるのでトークンがいる場合でも特殊召喚してサーチ効果が使えるというのは非常に大きく、相手ターンで罠モンスターを出して展開するか、自分のターンに出して幻煌龍カードをサーチするかを状況に応じて選択できます。

画像12

その黄金郷永続罠は、サーチカードであるエルドランドでサーチ、更に各種エルドリクシルからのセットで安定して通常モンスターを供給できます。おかげで「幻煌龍はマジでメガロスマッシャーXが引けないと負ける」というのがマジで殆ど無くなりました。

③アドやライフを取るスピードが上がる

既存の幻煌龍では後続がなかなか出せずトークンだけで殴るを繰り返す場合が多い、というのは先述の通りですが、通常モンスターが安定して供給できるため、攻撃のペースも上がります。特にエルドリッチの3500打点もシンプルに強力で、盤面も捲りやすくなり、ライフを取るスピードが上がりました。また相手ターンでパシフィスのサーチ、自分ターンでエルドリッチからの盤面荒らし+戦闘破壊でテンポアドバンテージやボードアドバンテージを取りにいくことができます。またエルドリッチが2体並べばグスタフからのジャガーノートリーベというエルドリッチの必殺技も狙っていけます。そもそも魔法罠食って墓地から効果破壊耐性持ちの攻撃力3500がポンと出るだけでも十分おかしいのですが・・・

④後攻からでも攻め手がある

理不尽な数の妨害がある場合でなければ、エルドリッチ自体が後攻からでも相手の盤面を荒らすことができるので、後手からでも盤面を返して戦うことができます。

⑤エクストラが使いやすくなり、使い道ができる

画像14

エルドリッチも幻煌龍も基本的にはエクストラは使いません。なので強金や金謙なども気兼ねなく採用できますが、エルドリッチが入ることでエクストラデッキも使いやすくなり、先述のグスタフ+ジャガーノートリーベだけでなく、幻煌龍の必殺コンボであるパシフィス+トポロジックボマードラゴンも無理なく狙っていけます。無理にこの盤面を作らなくても強いのですが、この盤面ができると、手札から罠は発動できませんが、相手が効果を使うたびにパシフィスからトークンが出てメインモンスターゾーンを無限にブッパしていく「無限フルオーバーラップ状態」になります。

というように、今まで苦しんでいたのが何だったのかという程、エルドリッチが幻煌龍の弱点を補ってくれています。弱みは構築とエルドリッチの扱い方が若干異なる点が少々難しくなるぐらいで頑張ればなんとかなるレベルです。

4.実際の構築と採用理由について 

※7/11 YUDT時点でのデッキレシピになります。

画像9

YUDT時点では41枚構築になります。ここから各カードの採用理由について書いていこうと思います。

※幻煌龍関係のカード効果は先述のテーマ紹介ですべて記載していますので省略します。

◎メインデッキ

・幻煌龍 スパイラル

ライフを取るスピードを上げるために1枚だけ採用。このデッキだとエルドリッチともう1体が並ぶことも多々あるので、アドバンス召喚でトークンとエルドリッチをフィールドからどかすのにも使います。

・黄金卿エルドリッチ

効果モンスター
星10/光属性/アンデット族/攻2500/守2800
このカード名の(1)(2)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
(1):手札からこのカードと魔法・罠カード1枚を墓地へ送り、
フィールドのカード1枚を対象として発動できる。
そのカードを墓地へ送る。
(2):このカードが墓地に存在する場合
自分フィールドの魔法・罠カード1枚を墓地へ送って発動できる。
このカードを手札に加える。
その後、手札からアンデット族モンスター1体を特殊召喚できる。
この効果で特殊召喚したモンスターは相手ターン終了時まで、
攻撃力・守備力が1000アップし、効果では破壊されない。

打点要員+相手盤面を荒らすだけでなく、手札に来たエルドリクシルを墓地に送って黄金郷永続罠にチェンジするために採用。効果が手札と墓地で発動するのでパシフィスの制約下でも問題なく効果が使える点、墓地効果で特殊召喚しなければ手札に戻るので1枚あれば妨害として使いまわせる点が魅力。墓穴を食らいますが、パシフィスがあって幻煌龍で動ける場合は、むしろ相手のカードを1枚使わせることができて、むしろトークン生成から幻煌龍カードサーチ+効果発動時にエルドリクシルをコストにしているなら、コンキ・ワッケーロを伏せて通常モンスターを供給とアドを取る事ができます。コストはエルドリクシルだけでなくダブついた他の魔法罠でもOKで無駄が無いのが嬉しいポイントです。

・溶岩魔神ラヴァ・ゴーレム

特殊召喚・効果モンスター
星8/炎属性/悪魔族/攻3000/守2500
このカードは通常召喚できない。
相手フィールドのモンスター2体をリリースした場合に相手フィールドに特殊召喚できる。
このカードを特殊召喚するターン、自分は通常召喚できない。
(1):自分スタンバイフェイズに発動する。
自分は1000ダメージを受ける。

スタンバイフェイズ時に1000バーン与える強制効果が発動することで、パシフィスの効果を起動できるので、非常に相性が良いです。(スキドレ適応中でも無効にはなりますが発動します。これ重要)またデッキのギミック上、ニビルは入らないため後攻から相手の制圧モンスターやめんどくさいモンスターを消しに行ける点から、初手にあると非常に安心できる1枚。壊獣だと1体しか消せない上に強制効果でパシフィスの効果が起動できないので、ラヴァゴを採用しています。基本惑星探査車以外に召喚権を使わないので、召喚できない効果はそこまで痛くないです。上記の理由から普段はフル採用なのですが、先行で盤面を作っても羽根箒orライストで吹き飛ばされるor幻煌龍の妨害を踏み越えて、後攻ワンキルされるということへの対策の枠を裂きたいということで、YUDTにあたり1枚減らして2枚にしました。

・惑星探査車

効果モンスター
星4/地属性/機械族/攻1000/守1000
(1):このカードをリリースして発動できる。
デッキからフィールド魔法カード1枚を手札に加える。

先述の通り、召喚権はこのカードでしか使わないためパシフィスサーチ用にフル採用。コストでフィールドを離れるのでスキドレ適応下でも問題なく効果が使えます。リンクアウスの自爆特攻からサーチもできます。

・呪われしエルドランド

永続魔法
このカード名の(2)(3)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
(1):このカードが魔法&罠ゾーンに存在する限り、
自分はアンデット族モンスターでしか攻撃宣言できない。
(2):800LPを払って発動できる。
デッキから「エルドリッチ」モンスター1体または
「黄金郷」魔法・罠カード1枚を手札に加える。
(3):このカードが魔法&罠ゾーンから墓地へ送られた場合に発動できる。
デッキから「エルドリッチ」モンスター1体または
「黄金郷」魔法・罠カード1枚を墓地へ送る。

このデッキの場合、基本的にはコンキ・ワッケーロのサーチカードなのですが、ターンが進んだ状態ならエルドリッチをサーチして妨害を踏みに行ってエルドリッチ展開する、というように状況に応じて攻め手を選べるのが素晴らしく相性がいいです。初手でパシフィスとエルドランドの2枚から動くと、どちらかの効果を確実に通すことが出来るのでGoodです。これを張っている状態だとトークンやスパイラルが攻撃できなくなるので注意です。

・幻煌の都 パシフィス

ギミックに必要不可欠なのでフル投入。

・金満で謙虚な壺・強欲で金満な壺

金満で謙虚な壷
通常魔法
このカード名のカードは1ターンに1枚しか発動できず、
このカードを発動するターン、自分はカードの効果でドローできない。
(1):自分のEXデッキのカード3枚または6枚を裏側表示で除外して発動できる。
除外した数だけ自分のデッキの上からカードをめくり、その中から1枚を選んで手札に加え、
残りのカードを好きな順番でデッキの一番下に戻す。
このカードの発動後、ターン終了時まで相手が受ける全てのダメージは半分になる。
強欲で金満な壷
通常魔法
(1):自分メインフェイズ1開始時に、自分のEXデッキの
裏側表示のカード3枚または6枚をランダムに裏側表示で除外して発動できる。
除外したカード3枚につき1枚、自分はデッキからドローする。
このカードの発動後、ターン終了時まで自分はカードの効果でドローできない。

このデッキではエクストラはほぼ使いませんが、それでもエクストラに使い道があるので強金よりも金謙が優先されます。それ以外の理由もあって、ランダムでわからないカードを2枚引いて、いたずらに手札を増やすよりも、相手に見えても3or6枚めくって盤面を作るための欲しいカードを1枚手に入れて手札の質を上げるほうがこのデッキでは重要であるからです。そもそも幻煌龍というテーマはパシフィスへの依存度が高く、パシフィスを持ってくる手段として見れば上記の理由により強金よりも金謙の方が優先されると私は考えます。始めの方は手札の質を上げる金謙、詰める場合は手札が増える強金が有利だと思います。普段は金謙3枚のみですが、YUDTの一発勝負の場合、とりあえず1枚増やすというのも重要だと思ったので4枚目の金謙として投入しました。ただし、強金だと発動タイミングの都合上、うららを踏んだ後に通すということが出来ないので、強金でうららを踏んでしまうと先が厳しくなる点は注意です。

・黒き覚醒のエルドリクシル

通常魔法
このカード名の(1)(2)の効果は1ターンに1度、いずれか1つしか使用できない。
(1):手札・デッキからアンデット族モンスター1体を守備表示で特殊召喚する。
自分フィールドに「エルドリッチ」モンスターが存在しない場合には、
この効果で「エルドリッチ」モンスターしか特殊召喚できない。
このカードの発動後、ターン終了時まで自分はアンデット族モンスターしか特殊召喚できない。
(2):墓地のこのカードを除外して発動できる。
デッキから「黄金郷」魔法・罠カード1枚を選んで自分フィールドにセットする。

エルドリッチの初動として1枚のみ採用しています。基本的にはエルドリッチの効果を発動するためのコストとしての運用が多いのですが、パシフィスがなくエルドリッチで動いたほうが都合がいい場合もそれなりにあるので、その場合は普通にエルドリッチを出してエルドリッチで妨害を構えて行きます。普通は相手ターンでも発動できる紅き~(後述)が優先されますが、このデッキの基本ムーブではどちらも同じコストとしての運用になります。ただ、被ってしまうと黄金郷をセットする効果は名称ターン1なのでダブついてしまうというのもあるので、役割を散らすためにも採用しています。幻煌龍とエルドリッチどちらでも動ける場合は、パシフィス張った後、黒きでうららを踏むとパシフィスの効果をほぼ確実に通せるので、うららを踏みに行きつつ自分の展開も通せるテクい1枚。潜海奇襲も引いていれば初手羽根ライスともある程度ケアできます。

・テラ・フォーミング

通常魔法
(1):デッキからフィールド魔法カード1枚を手札に加える。

惑星探査車とのセットでうららを貫通できます。サイド後はもちろん魔鍾洞を持ってきてもOKです。魔鍾洞は今では禁止なのでダメですけどね。

・幻煌龍の螺旋絞(スパイラル・ホールド)

装備魔法
通常モンスターにのみ装備可能。
「幻煌龍の螺旋絞」の(2)の効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):装備モンスターの攻撃力は500アップする。
(2):装備モンスターが戦闘で相手モンスターを破壊した時に発動できる。
自分の手札・デッキ・墓地から「幻煌龍 スパイラル」1体を選んで特殊召喚し、
このカードをそのモンスターに装備する。
その後、相手に1000ダメージを与える。

3種の幻煌龍装備魔法で唯一採用しています。理由としては先述の通り、バーン効果でライフカットのスピードが上がることと、幻煌龍装備魔法で唯一攻撃力がアップするので盤面突破力と防御力がアップするからです。トークンに装備で攻撃力が2500になるので、後述の浸渦との併用で打点3400までのモンスターを突破できますし、ワッケーロでも2300まで打点が上がるので浸渦を絡めるとそれなりにモンスターを戦闘破壊できます。そのため効果を発動できることが多く、盤面を返しつつ、1000バーン+攻撃力3400のスパイラルでの追撃でライフを取りにいくことができます。この装備魔法はパシフィスの制約は関係ないので、エルドリッチ単体で動いていてもワッケーロ装備からの戦闘破壊でスパイラルssからの追撃も可能です。

・スキルドレイン

永続罠
1000LPを払ってこのカードを発動できる。
(1):このカードが魔法&罠ゾーンに存在する限り、
フィールドの全ての表側表示モンスターの効果は無効化される。

通常モンスター中心で動く+フィールドでモンスター効果を使わないエルドリッチとの相性は抜群で、一方的に相手の動きだけを阻害できます。幻煌龍に於いては、後述の潜海奇襲と合わせると破壊耐性がつくので突破されにくくなる点がGoodです。

・赤き血染めのエルドリクシル

通常罠
このカード名の(1)(2)の効果は1ターンに1度、いずれか1つしか使用できない。
(1):自分のデッキ・墓地からアンデット族モンスター1体を選んで特殊召喚する。
自分フィールドに「エルドリッチ」モンスターが存在しない場合には、
この効果で「エルドリッチ」モンスターしか特殊召喚できない。
このカードの発動後、ターン終了時まで自分はアンデット族モンスターしか特殊召喚できない。
(2):墓地のこのカードを除外して発動できる。
デッキから「黄金郷」魔法・罠カード1枚を選んで自分フィールドにセットする。

黒き同様コストとしての運用がメインですが、こちらは相手ターンにも発動できるため、パシフィスが無い時や、パシフィスが割られる場合のサブギミックの動きとしての運用もあります。ただ、基本は最初の通りコストでの運用がメインなので、サブギミックの主力の1枚ですが黒きと枚数を散らすため2枚採用です。

・神の宣告

カウンター罠
(1):LPを半分払って以下の効果を発動できる。
●魔法・罠カードが発動した時に発動できる。
その発動を無効にし破壊する。
●自分または相手がモンスターを召喚・反転召喚・特殊召喚する際に発動できる。
それを無効にし、そのモンスターを破壊する。

相手の初手羽根箒・ライストを止めるためにフル採用しています。それらがない場合は汎用的な妨害札としての運用があります。ある程度盤面が整えば潜海奇襲でケアができるのですが、初手羽根というような初手でのバック除去に対して、数あるカウンター罠でも、このカードが圧倒的に使いやすいのでフル採用しています。ライフ半分のコストは大きいですが、正直罠ビで羽根打たれてバックを全部はがされて何もできないで負けることを考えると全然安いと思っています。

・永久に輝けし黄金郷

カウンター罠
このカード名のカードは1ターンに1枚しか発動できない。
(1):自分フィールドに「エルドリッチ」モンスターが存在し、
モンスターの効果・魔法・罠カードが発動した時、
自分フィールドのアンデット族モンスター1体をリリースして発動できる。
その発動を無効にし破壊する。

エルドリクシルかエルドランドからサーチできるカウンター罠。幻煌とエルド両方で動いている時は、このカードでエルドリッチを墓地に送るためのカードになります。通常だとコンキ・ワッケーロを墓地に送ることが多いのですが、このデッキの場合、エルドリッチが邪魔で幻煌龍の罠が打てなくなるので妨害とエルドリッチをどかすカードとして採用しています。

・天威無双の拳

カウンター罠
(1):自分フィールドに効果モンスター以外の表側表示モンスターが存在し、
モンスターの効果・魔法・罠カードが発動した時に発動できる。
その発動を無効にする。
(2):セットされたこのカードが相手の効果で破壊された場合に発動できる。
EXデッキから効果モンスター以外のモンスター1体を特殊召喚する。

幻煌龍トークンとコンキ・ワッケーロが通常モンスターで、このカードの発動条件を満たせるため4枚目の神宣として運用します。ドローorスタンバイフェイズにコンキ・ワッケーロを出しておくことで、初手羽根ライストを止めることができるため採用しました。ただし、その使い方だと初手ツインツイスターはケアできないので注意です。

・黄金郷のコンキスタドール・ワッケーロ

黄金郷のコンキスタドール
永続罠
このカード名の(1)(2)の効果は1ターンに1度、いずれか1つしか使用できない。
(1):このカードは発動後、通常モンスター
(アンデット族・光・星5・攻500/守1800)となり、モンスターゾーンに特殊召喚する。
このカードは罠カードとしても扱う。
自分フィールドに「黄金卿エルドリッチ」が存在する場合、
さらにフィールドの表側表示のカード1枚を選んで破壊できる。
(2):自分・相手のエンドフェイズに墓地のこのカードを除外して発動できる。
デッキから「エルドリクシル」魔法・罠カード1枚を選んで自分フィールドにセットする。
黄金郷のワッケーロ
永続罠
このカード名の(1)(2)の効果は1ターンに1度、いずれか1つしか使用できない。
(1):このカードは発動後、通常モンスター
(アンデット族・光・星5・攻1800/守1500)となり、モンスターゾーンに特殊召喚する。
このカードは罠カードとしても扱う。
自分フィールドに「黄金卿エルドリッチ」が存在する場合、
さらに自分・相手の墓地のカード1枚を選んで除外できる。
(2):自分・相手のエンドフェイズに墓地のこのカードを除外して発動できる。
デッキから「エルドリクシル」魔法・罠カード1枚を選んで自分フィールドにセットする。

エルドリッチの妨害カードですが、このデッキでは通常モンスターで出てくる点に重きを置いているため、通常モンスターとしての運用がメインです。そのため、エルドリッチの妨害として強いコンキスタドールよりも単純に攻撃力の高いワッケーロのほうがこのデッキでは重要なのですが、エルドリッチとして動く時もあるので、双方のバランスを取って各種2枚ずつ採用です。エルドリクシルからセットもできますが、エルドランドでサーチできる点も素晴らしく、エルドランドの項目でも記載しましたが、これらをサーチするエルドランドにうららを打たれても、パシフィスのトークン生成→サーチの流れが通る、という点が本当に強いです。

・幻煌龍の戦渦

このデッキに於けるメインの妨害。素引きしていると相手からは見えないため対処がしづらく強いです。フル採用です。ただし、回収するギミックは無いため3回しか打てない点は注意。墓地効果は忘れがちですが、螺旋絞と組み合わせてダメージを稼ぐために使う場合もありますので詰めで重要になるときがあります。

・潜海奇襲(シー・ステルス・アタック)

永続罠
(1):このカードの発動時の効果処理として、自分の手札・墓地の「海」1枚を選び、発動できる。
(2):フィールドに「海」が存在する場合、表側表示のこのカードは以下の効果を得る。
●1ターンに1度、自分フィールドの水属性モンスター1体を
エンドフェイズまで除外して発動できる。
このターン、自分フィールドの表側表示の魔法・罠カードは相手の効果では破壊されない。
●元々のレベルが5以上の自分の水属性モンスターが
相手モンスターと戦闘を行うダメージステップ開始時に発動する。
その相手モンスターを破壊する。

幻煌龍トークンを消して、パシフィスのサーチ効果を起動させたり、パシフィス含む表側になってる永続魔法罠に破壊耐性をつけるなど、動きのシステム面の補助から、トークンとスパイラル(どちらもレベル8)が戦闘では効果破壊耐性が無いモンスターには絶対負けないほぼ無敵状態になるアクティブな効果と、幻煌龍のために産まれたかのような最強カード。ただし、トークンとスパイラルがモンスターを戦闘破壊できなくなるため、幻煌龍装備魔法各種とは相性が悪い点と、使い方を誤るとゲームが膠着し、超ロングゲームになる要因になるので注意。このカード自体の注意としては表にした際は効果がまだない状態なので、破壊耐性を与える効果は使えません。(発動してチェーンが解決したあとに効果が付きます。)

・メタバース

通常罠(制限カード)
(1):デッキからフィールド魔法カード1枚を選び、手札に加えるか自分フィールドに発動する。

テラフォーミングと同じでパシフィスを持ってくるためのカード。このカードから魔鍾洞を発動させると非常に強力なので、妨害される可能性は高いですが、それを利用するのもアリです。ただし魔鍾洞は10月制限で禁止なので、この手は使えません。先日の1月改定で準制限に緩和されました。(マスターデュエルでは制限カードのまま)

・幻煌龍の浸渦

パワーダウンがあるのでスキドレ適応下でも発動できますが、スキルドレインと役割がかぶるので、1枚のみ採用しています。ただし、墓地の幻煌龍装備魔法を再利用できる墓地効果は強力で、攻撃宣言時に発動してその後に墓地効果を発動して、手札墓地の螺旋絞を装備するとトークンの場合、打点3400まで戦闘破壊できて、その後スパイラルを出してバーンまでできます。(ワッケーロの場合は打点3200まで対応可能)特に相手バトルフェイズで発動すると相手の意表を突くことができ、自分のターンでも追撃で相手の盤面を消すことができる技なので要チェックです。なお、通常モンスターには撃てません。注意

◎エクストラ

先述の通り、このデッキはエクストラデッキをほぼ使いませんが、使い道はありますので簡単に解説しながら紹介していきます。

・トポロジック・ボマー・ドラゴン

リンク・効果モンスター
リンク4/闇属性/サイバース族/攻3000
【リンクマーカー:上/左下/下/右下】
効果モンスター2体以上
(1):このカードが既にモンスターゾーンに存在する状態で、
このカード以外のモンスターがリンクモンスターのリンク先に特殊召喚された場合に発動する。
お互いのメインモンスターゾーンのモンスターを全て破壊する。
このターン、このカード以外の自分のモンスターは攻撃できない。
(2):このカードが相手モンスターを攻撃したダメージ計算後に発動する。
その相手モンスターの元々の攻撃力分のダメージを相手に与える。

パシフィスとのコンボで、無限フルオーバーラップ状態が作れます。相手が効果を使う度にパシフィスでトークンをリンク先に召喚することで延々とメインモンスターゾーンを全破壊します。ただし、こいつがいる間は幻煌龍罠が発動できなくなるのでその点は注意。破壊効果はパシフィスのサーチ効果と同様に強制効果なので、チェーンの組み方次第でターンに1回は片方の効果をケアすることができます。このデッキではエルドリッチと後述の霊使いを経由して出せるので、純よりは圧倒的に出しやすいと思います。初手で無理して出すよりも相手の手札とリソースが少なくなってきたタイミングで出すのが一番強いです。デッキによっては出さないほうが良い場合もあるのと無限泡影や一滴という裏目があるので注意です。

・各種霊使いリンク

【リンクマーカー:左下/右下】
「~」属性モンスターを含むモンスター2体
このカード名はルール上「憑依装着」カードとしても扱う。
このカード名の(1)(2)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
(1):相手の墓地の「~」属性モンスター1体を対象として発動できる。
そのモンスターをこのカードのリンク先となる自分フィールドに特殊召喚する。
(2):リンク召喚したこのカードが戦闘または相手の効果で破壊された場合に発動できる。
デッキから守備力1500以下の「~」属性モンスター1体を手札に加える。
※「~」にはそれぞれの属性が入ります。

相手のカードを墓地から奪ってリンクすることで先述のボマーを出したり、相手の制圧モンスターをパクって使うために、このデッキでは枠が潤沢にあるので、2021年7月現在で出ている全属性の霊使い(炎・水・地・風・光)をすべて採用しています。基本的にリンク2以上を墓地から出せればそれだけでボマーが作れるので相手に合わせて出す、という感じになります。正直決まればラッキーぐらいしか考えていませんが、アウスに関しては自爆特攻から惑星探査車をサーチ、という使い道もあります。エリア(幻煌龍トークン)とライナ(エルドリッチ)は、デッキのギミックだけで自然に出せますが、他の霊使いは他のエクストラモンスターを経由させないと出せないため、出すために入れているという感じです。

まとめると

水(エリア)・光(ライナ)・・・デッキ内のギミックだけで自然に出せる

炎(ヒータ)→惑星探査車からアルミラージに変換して2体でリンクorフェニックスを出してもう1体用意して2体でリンク

地(アウス)→トークンかコンキ・ワッケーロの片方をリンクスパイダーに変換して2体でリンク

風(ウィン)コンキ・ワッケーロをイムドゥークに変換して2体でリンク

出す難易度は優しい順から光≧水>地≧風>炎という感じで、炎のヒータだけ惑星探査車(アルミラージ経由)か実質素材3体(フェニックス経由)を要求してくるので召喚難易度は高いです。風のウィンもトークンがイムドゥークに変換できないため必ずコンキ・ワッケーロを使わないと出せません。エリアとライナはギミックだけで出せるので優先度は高いですが、エリアでパクれる有用なカードが環境にあまりいないのが残念なところではあります。ただし、エリアは潜海奇襲のコストにできるので、トークンを絡めてるとトークンを消しつつバック破壊のケアも出来ます。

また、効果モンスターが残る手前、エルドリッチで動くこと前提になりますが、このギミックは相手の強い制圧モンスターをパクって使う、という利用方法があります。特に出しにくいヒータで罠コードトーカーのヒートソウルをパクれば1ドローできますし、ウィンでバロネスをパクって使うという動きも期待できます。ちなみに十二鉄獣が流行ってた頃はアウスから十二獣をパクってドランシアとワイルドボウを重ねてそこからアーゼウス、みたいなこともやっていました。完全に相手依存ですが、エクストラに余裕があるので相手の力も上手く活用できるという意味では、このデッキに合ってる非常によいギミックだと考えます。

・転生炎獣アルミラージ / 星杯竜イムドゥーク / リンク・スパイダー / トロイメア・フェニックス

転生炎獣アルミラージ
リンク・効果モンスター
リンク1/炎属性/サイバース族/攻   0
【リンクマーカー:右下】
通常召喚された攻撃力1000以下のモンスター1体
このカード名の(2)の効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):このカードをリリースし、自分フィールドのモンスター1体を対象として発動できる。
このターン、そのモンスターは相手の効果では破壊されない。
この効果は相手ターンでも発動できる。
(2):このカードが墓地に存在し、通常召喚された自分のモンスターが
戦闘で破壊された時に発動できる。このカードを特殊召喚する。
星杯竜イムドゥーク
リンク・効果モンスター
リンク1/風属性/ドラゴン族/攻 800
【リンクマーカー:上】
トークン以外の通常モンスター1体
(1):このカードがモンスターゾーンに存在する限り、
自分は通常召喚に加えて1度だけ、自分メインフェイズに
「星杯」モンスター1体を召喚できる。
(2):このカードがこのカードのリンク先の
相手モンスターと戦闘を行うダメージステップ開始時に発動できる。
その相手モンスターを破壊する。
(3):このカードがフィールドから墓地へ送られた場合に発動できる。
手札から「星杯」モンスター1体を特殊召喚する。
リンク・スパイダー
リンク・効果モンスター
リンク1/地属性/サイバース族/攻1000
【リンクマーカー:下】
通常モンスター1体
(1):1ターンに1度、自分メインフェイズに発動できる。
手札からレベル4以下の通常モンスター1体を
このカードのリンク先となる自分フィールドに特殊召喚する。
トロイメア・フェニックス
リンク・効果モンスター
リンク2/炎属性/悪魔族/攻1900
【リンクマーカー:上/右】
カード名が異なるモンスター2体
このカード名の(1)の効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):このカードがリンク召喚に成功した場合、手札を1枚捨て、
相手フィールドの魔法・罠カード1枚を対象として発動できる。
そのカードを破壊する。
この効果の発動時にこのカードが相互リンク状態だった場合、
さらに自分はデッキから1枚ドローできる。
(2):このカードがモンスターゾーンに存在する限り、
自分フィールドの相互リンク状態のモンスターは戦闘では破壊されない。

先述の霊使いを出すために経由するカード。イムドゥークとフェニックスの効果は使用する場合がありますが、幻煌龍の制約もあるため最終的にボマーまで繋ぐかエルドリッチで動ける時にしか出せません。

・アクセスコード・トーカー / トロイメア・ユニコーン

アクセスコード・トーカー
リンク・効果モンスター
リンク4/闇属性/サイバース族/攻2300
【リンクマーカー:上/左/右/下】
効果モンスター2体以上
このカードの効果の発動に対して相手は効果を発動できない。
(1):このカードがリンク召喚に成功した場合
そのリンク素材としたリンクモンスター1体を対象として発動できる。
このカードの攻撃力は、そのモンスターのリンクマーカーの数×1000アップする。
(2):自分のフィールド・墓地からリンクモンスター1体を除外して発動できる。
相手フィールドのカード1枚を選んで破壊する。
このターン、自分の「アクセスコード・トーカー」の効果を発動するために
同じ属性のモンスターを除外する事はできない。
トロイメア・ユニコーン
リンク・効果モンスター
リンク3/闇属性/悪魔族/攻2200
【リンクマーカー:左/右/下】
カード名が異なるモンスター2体以上
このカード名の(1)の効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):このカードがリンク召喚に成功した場合、
手札を1枚捨て、フィールドのカード1枚を対象として発動できる。
そのカードを持ち主のデッキに戻す。
この効果の発動時にこのカードが相互リンク状態だった場合、
さらに自分はデッキから1枚ドローできる。
(2):自分ドローフェイズの通常のドローの枚数は、
フィールドに相互リンク状態の「トロイメア」モンスターが存在する限り、
その「トロイメア」モンスターの種類の数になる。

枠が余っているので入れている、という感じで出番はあまりないです。理由としては、出した時に基本アクセス単騎になるので、ライフを取り切れるケースが結構稀で残しておくと幻煌龍関連との噛み合いが悪くなるので、どうしても盤面に触れたい時か、一撃でライフを取り切れるかでないと出せません。そのため優先順位は低めです。ユニコーンは効果もさることながらアクセスに行くためにリンク数を稼ぎたい時に経由しますが、アクセス同様、単体で出して効果を使うと、幻煌龍罠が使えなくなるのでアクセスかボマーに繋がる状況か出してもエルドリッチで動ける時以外は出しません。

・超弩級砲塔列車 グスタフ・マックス / ジャガーノート・リーベ / 天霆號アーゼウス

超弩級砲塔列車 グスタフ・マックス
エクシーズ・効果モンスター
ランク10/地属性/機械族/攻3000/守3000
レベル10モンスター×2
(1):1ターンに1度、このカードのX素材を1つ取り除いて発動できる。
相手に2000ダメージを与える。
超弩級砲塔列車 ジャガーノート・リーベ
エクシーズ・効果モンスター
ランク11/地属性/機械族/攻4000/守4000
レベル11モンスター×3
「超弩級砲塔列車ジャガーノート・リーベ」は1ターンに1度、
自分フィールドのランク10の機械族Xモンスターの上に重ねてX召喚する事もできる。
(1):1ターンに1度、このカードのX素材を1つ取り除いて発動できる。
このカードの攻撃力・守備力は2000アップする。
この効果の発動後、ターン終了時まで自分はこのカードでしか攻撃宣言できない。
(2):このカードは1度のバトルフェイズ中にこのカードのX素材の数+1回までモンスターに攻撃できる。
天霆號アーゼウス
エクシーズ・効果モンスター
ランク12/光属性/機械族/攻3000/守3000
レベル12モンスター×2
「天霆號アーゼウス」は、Xモンスターが戦闘を行ったターンに1度、
自分フィールドのXモンスターの上に重ねてX召喚する事もできる。
(1):このカードのX素材を2つ取り除いて発動できる。
このカード以外のフィールドのカードを全て墓地へ送る。
この効果は相手ターンでも発動できる。
(2):1ターンに1度、このカード以外の自分フィールドのカードが
戦闘または相手の効果で破壊された場合に発動できる。
手札・デッキ・EXデッキからカードを1枚選び、
このカードの下に重ねてX素材とする。

エルドリッチが2体並んだ時の必殺技です。グスタフマックスはゲームを終わらせる引導火力になるので優先順位は高く、リーベも耐性は無いものの4000以上の複数回攻撃は強力でグスタフ→リーベの流れでゲームが決まることもあります。アーゼウスはその全体除去能力で戦渦やコンキスタドールで対応しきれない効果破壊耐性持ちのモンスターを処理する時や盤面を一気に捲るのに使います。ただしパシフィスなどの自分の永続系も全部吹っ飛ぶので使い所は選びます。また、グスタフマックスはともかく、リーベ・アーゼウスまで伸ばす必要がある状況はかなりのレアケースのため、後者2枚の優先度は低いです。また、このデッキではエルドリッチは2枚採用なので1枚でも墓穴で飛んだりするとグスタフマックスも優先順位が下がります。

5.期待の新カードと所感

このデッキレシピはYUDT時点でのレシピになりますので、以降に発売された新パックで使えそうなカードについてはノータッチなので、気になったカード何枚かを所感を交えて書いていこうと思います。

・天獄の王

効果モンスター
星10/闇属性/岩石族/攻3000/守3000
このカード名の(1)(2)の効果は1ターンに1度、いずれか1つしか使用できない。
(1):自分メインフェイズに発動できる。
手札のこのカードを相手ターン終了時まで公開する。
この効果で公開し続けている間、フィールドにセットされたカードは効果では破壊されない。
(2):セットされた魔法・罠カードが発動した場合に発動できる。
このカードを手札から特殊召喚する。
手札で公開されている状態でこの効果を発動した場合、
さらにデッキから魔法・罠カード1枚を自分フィールドにセットできる。
そのカードは次のターンのエンドフェイズに除外される。

幻煌龍だけでなく、全部の罠ビの救世主とも言えるカードで裏側だけですが羽根・ライストからの破壊を守ってくれます。見せるだけでいいのでこのデッキでも問題なく使える点が素晴らしいです。相手ターンに適当な罠を開いて特殊召喚してテラフォとかメタバースを持ってこれるとパシフィスにもアクセスしやすいので非常に良いかと思います。レベル10なのでエルドリッチと合わせてグスタフマックスが作りやすくなったのも良ポイントです。幻煌龍で動いている時は出す効果は使えませんが、裏側のバックが破壊されないだけでも充分強いので、このデッキでも充分採用は考えられます。

・超自然警戒区域

永続魔法
このカード名の(1)(2)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
(1):効果モンスター以外のモンスターが表側表示で特殊召喚された場合、
相手フィールドのカード1枚を対象として発動できる。
そのカードを破壊する。
(2):魔法&罠ゾーンのこのカードが相手の効果で破壊された場合に発動できる。
自分の手札・デッキ・墓地から効果モンスター以外のモンスター1体を選んで特殊召喚する。

幻煌龍トークンが出るとフィールドのカードを破壊できるので一見強そうですが、パシフィス単体の時、破壊したいタイミングまでトークン召喚を待たなければいけなくて、その間は手札の幻煌龍罠も発動できないため非常にストレスでした。コンキ・ワッケとは相性は良かったですが、後手がすごく弱いので採用は見送る予定です。

・騎竜ドラコバック

装備魔法
自分フィールドのモンスターにのみ装備可能。
このカード名の(2)(3)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
(1):「騎竜ドラコバック」は自分フィールドに1枚しか表側表示で存在できない。
(2):このカードが効果モンスター以外のモンスターに装備されている場合、
相手フィールドのカード1枚を対象として発動できる。
そのカードを持ち主の手札に戻す。
(3):このカードが墓地へ送られた場合、自分フィールドの「勇者トークン」1体を対象として発動できる。
その自分のモンスターにこのカードを装備する。

幻煌龍になかったバウンス効果を付与できるのですが幻煌龍が勇者ギミックと相性が悪く、素引期待かアームズホール便りになるので、わざわざ枠を作ってまで入れる価値はないと考えています。幻煌龍においての勇者の動き方が確立できたら検討します。

6.終わりに

9期最後に登場したものの他の衝撃的なテーマやカードに埋もれてしまい、あまり見向きもされないマイナーテーマの幻煌龍ですが、構築・プレイング次第では現在でも充分に戦えると考えております。今回はエルドリッチの力を借りているので通常の幻煌龍とは若干動きが異なりますが、しっかり幻煌龍の動きができますので気兼ねなく組んでみてはいかがでしょうか?

少々長くなりましたが最後までご覧いただきありがとうございました。このデッキを作るにあたっていろいろ付き合ってくれた方々にお礼申し上げて終わりにしたいと思います。ありがとうございました。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?