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譜面を作る上で大切なこと


こんにちは!
古明地さんです。Beat Saber日本30位台のプレイヤー兼マッパーです。今回はBeatSaber Advent Calendar 2023の19日目の記事になります。

私自身が高難易度をメインに作ってますので、高難易度譜面に焦点を置きながら譜面作成のことで大切なことを話していこうと思います。


・まず始めに

高難易度譜面を作る時に「曲調が弱いところでも強めの配置を入れる」や「常に複雑なテックにする」等全部難しくしないといけないように感じる方もいらっしゃると思いますが、そういうわけではありません。
高難易度譜面を作る上で大切なのは

  • その音にあった配置を考える

  • 全体のバランスを考える

  • 配置の難易度を使い分け、配置の抑揚をつける

の3つです。

特に3つ目の「配置の難易度を使い分け、配置の抑揚を付ける」に関しては高難易度にかかわらず、譜面作る上でかなり大切なので意識してほしいです。
配置に抑揚がないと、サビよりもイントロが目立つなど「自分が見せたい場所が薄れる」可能性が高まります。サビよりもイントロの方が盛り上がる形になってしまうと、譜面全体のバランスが崩れ、その曲とミスマッチを起こしやすくなります。このことを意識するだけでも譜面のクオリティは上がると思います。

話を戻しまして、今回は私の譜面「Finale Battle of the Requiem」をもとに解説していきます。

BeatSaver : BeatSaver - Map - takehirotei - Finale Battle of the Requiem

・譜面の構成

私が最初に行うのは音取りではなく、譜面の構成から決めていきます。一通り曲を聴いて転換点やサビ等をブックマークで分けていきます。
音取りではなく、譜面の構成から決めていくのは理由があります。理由としては

  • あらかじめ構成を決めておくことで、譜面の一貫性やバランス調整がしやすい

  • そのパートにあった配置をもとに音取りがしやすくなる

また、私は譜面のバランス調整として5段階 + break timeで各パートの配置難易度を決めています。基準としては

  • Break time:休憩地帯。ノーツが飛んでこないパート

  • 1段階目:全体的に静かな曲調でほとんどノーツが飛んでこないパート

  • 2段階目:1ほどではないが静かな曲調でほとんどノーツが飛んでこないパート(3段階目にビルドアップが必要であれば、このパートにもビルドアップを入れる)

  • 3段階目:曲の盛り上がり前のパート。主にビルドアップや配置の転換点で使う。

  • 4段階目:曲のメイン部分のパート。全体的に難易度高め(見せたい)の配置を入れる。

  • 5段階目:曲のメインの中でも一番盛り上がるパート。一番難易度が高い配置(スピードであればより激しい配置やテックであれば4段階目をもとにより角度をきつくする等)を置く

Finale Battle of the Requiemは全23パートあり、この基準に当てはめていくと以下の図のような構成になります。

予めこれらの基準を下に音取りやノーツを配置していくと、「メイン部分よりもイントロが盛り上がる」を防ぎやすくなります。なので私は先に譜面の構成から決めています。

・ノーツ配置

譜面の構成を考えたらいよいよノーツを置いていきますが、先ほどの譜面構成で決めた内容ごとにノーツを配置していきます

ここで大切なのは全部を難しくするのではなく、一番難しい(見せたい)パートから少しずつ抑揚をつけていくことです。
例えば
下の配置を見てください

この2つは同じ混フレですが、①の配置は素直な縦配置で、②は斜めが入った幅広い配置になっています。これだけでも抑揚をつけることができます。
また、テックに関してもイントロの地点で90度配置のテックを入れて、サビ部分でより角度を広げて配置する等抑揚をつけることができます。このような感じでノーツを配置していくと譜面全体のバランスが良くなり、盛り上がるところは盛り上がりつつ、自分が置きたい配置も一つのアクセントとして生かしやすくなります。
では、ストリームや片手ジャンプなど配置の難易度を決めていくかというと、ランク譜面をもとに配置の難易度を決めていきます。例えば片手ジャンプだと、★9.5〜のランク譜面に多い傾向にあるので難易度を高めに設定します。逆に1/2間隔で交互に飛んでくるタイプの配置は★3〜のランクにほとんど入っているので、難易度を低めに設定します。このように、自分が置きたい配置と配置が似ているランク譜面を見て、どの難易度帯に多いかをノーツを配置する前に決めておくと、配置の抑揚がつけやすくなります。

また、メイン部分に差し掛かる前に入れたほうが良いのがビルドアップです。

・ビルドアップ

ビルドアップとは、下の動画のようにメイン部分に入る前のウォーミングアップまたは練習区間のことを言います。ランク譜面でもよく使われています。
スピードのビルドアップ

テックのビルドアップ

ビルドアップは高難易度譜面を作るのであれば、必ず入れてほしいと思っています。なぜなら、メイン部分や転換点の前にビルドアップがないと、唐突に配置が変わり、予測できない配置になってしまうからです。高難易度譜面になれば、メイン部分は一番難易度が高くなると思うので、その場所に初見の配置が来てしまうと切りにくくなってしまいます。そうなってしまうと、急な配置の転換でミスが多くなってしまう可能性が高くなります。配置が難しくてミスが多くなるのは良いと思いますが、予測ができない配置でミスが続出することが危ないと感じます。これを防ぐためにメイン部分の前にはビルドアップを積極的にいれていきましょう

一方で気をつけなければならないものもあります。それがヴィジョンブロック、ヒットブロック、DD(ダブルディレクション)、バーストです

・ヴィジョンブロック

ヴィジョンブロックとは、ノーツや壁に隠れて視認できない、視認するのが遅れるノーツのことです。特に中央レーンの中段ノーツや壁よけはその後ろにあるノーツを隠れさせやすいので注意が必要です。
例)
・中央レーンの中段ノーツ

・壁よけ後のノーツ

ヴィジョンブロックを置いてしまうと、次のノーツが見えないためミスが続出しやすくなりますので、注意しましょう。
一方で、ヴィジョンブロックにも例外があります。
それは次の配置が予測ができる形になっている場合のみヴィジョンブロックになっていても大丈夫というパターンです。
下の例を見てみましょう。

このように最初に次の配置を予測できるように配置して、途中からヴィジョンブロックを入れても予測できる形になっています。しかし、これを入れるにはしっかりとしたパターンを入れないといけないので、マッピングに慣れてない間は入れないでおきましょう。

・ヒットブロック

ヒットブロックとは、ノーツを切った後に別の色のノーツも切ってしまう巻き込み配置と言われるものです。こちらも配置してしまいがちなので注意が必要です。
例)

これらがヒットブロックに該当していきます。ヒットブロックは意識しておかないと置いてしまう可能性が高いので置かないように気を付けましょう。

・バースト

バーストとは、BPM351以上の配置を指します。Score Saberでは基本BPM350以下の譜面しかランク化できませんが、バーストが入る場合は400まで認められています。しかし、いくつかルールがあります。
・ドットノーツやスライダー、ボム、テックは配置しない。
・BPM351〜370は6ビート、371〜400は2ビートと配置できる範囲が制限される。

(ScoreSaber Wikiより:技術的制限基準 |ScoreSaber Wiki
要するにシンプルかつ一時的であれば配置できるということになります。
バースト自体BPM350までの難易度とは異なる難しさがありますので、入れる時は周りとのバランスや一貫性をしっかり確認した上で入れてください。

ヴィジョンブロックやヒットブロック、DD、バーストに気を付けながら、ビルドアップ等譜面のバランスを考えて配置していきます。

・譜面をチェックする

次に行うのはDDやヴィジョンブロックなどをチェックしていきます。私はDDやヴィジョンブロックなどをチェックする時はBS Map Check(Kival Checker)を使っています。
URL:BS Map Check (kivalevan.me)
これに譜面のZipファイルをドロップすることでチェックしていきます。

ここでDDやヴィジョンブロックがあると出た場合は、すぐ直すのではなく、前後にあるノーツや流れを確認してから修正しましょう。テックの場合、フローの関係上DDみたいな配置になることもあると思いますが、これも検出される可能性があります。前後のフローを見て本当にDDやヴィジョンブロックだった場合修正しましょう。

すべてのチェックが終わり、修正が完了したら、次はマップ全体のバランスや配置の確認を行います。クロマッパーでは、ctrl+Hで正面からの視点に切り替えられます。これで見えにくい配置や違和感を感じる配置を微調整していきます。

・譜面をテストする

いよいよ完成した譜面をテストプレイしていきます。テストプレイで確認してほしいのは
・初見でフローが全くわからない配置はないか
・ノーツや壁に隠れてて認識しづらいノーツはないか
・身体の負担が極端に高くなる配置がないか
・BS Map Checkでも検出されないエラー(DDやミス配置)がないか

また、テストプレイで重視してほしいのは作った本人がクリアできるできないよりも、初見でも配置やフローがある程度理解できるようになっているかです。なぜなら、自分のできないこと(スキルイシュー)は配置しないをメインにしてしまうと、配置のバリエーションが少なくなってしまうからです。とても良い配置を置いたのにスキルイシューによって修正してしまうと、譜面のバランスが崩れやすくなり、クオリティが下がる可能性があります。独創性や譜面のバランスを崩さないように、フローや認識できるか等を重視して見ていってほしいです。また、自分がテストプレイできない場合は、他の人にテストプレイを頼んでフィードバックをもらうのもありです。

テストプレイもオーケーであれば、いよいよ譜面をアップしましょう!

・最後に

今回高難易度譜面を作るコツで進めてきましたが、ダウンマップや低中難易度譜面等でも活用できます。紹介した内容を意識するだけで譜面のクオリティは上がりやすくなると思います。
独創性や譜面のバランスを調整しながら楽しい譜面をつくっていきましょう!!


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