激情型の女はどんな人生を送ってきたのか

私には4歳年上の姉がいた。「いた」と過去形なのは彼女はある日、ぽっくり死んでしまったからだ。いつものように朝目覚ましが鳴っているのに全然起きない彼女に私は「もう起きなよ」と目覚まし時計を消して言ったのだが、全然目を覚まさない。私も出勤しないとなので、そのまま放っておいた。いつまでも起きてこない姉を母が心配して部屋に行った。部屋に行った母が「お父さん、A子が息してない!!!」と叫んで、父は慌てて部屋に行き、私は動揺しながら救急車を呼んだ。原因は心臓停止。もともと心臓に持病を持っていたのだ。他殺の可能性はないので解剖もなく、遺体はとても綺麗だった。苦しんだ表情もなく、寝ているようだった。本当にあっけなく逝った。33歳だった。

彼女は美人だった。白い肌に艶やかな黒髪。ぱっちりした目。運動も勉強もできて、うちにあるトロフィーは彼女のものばかりだった。学生の頃などたまにラブレターなんぞ貰っており、まあモテてた。そして性格ときたら大胆で自信満々で性欲も強い「女王様」「ファムファタール」みたいな人だった。そんな姉は演劇に興味を持ち、就職はしないで演劇の道を進んだ。私も何度か舞台を観に行った。しかし苦労の連続で、一時はうつ病で部屋に閉じこもって出れなくなり、お金の苦労もしていた。
・・・もう20年以上前の話だ。姉のことを思い出すのはほとんどない。しかし、あの激情型の彼女の人生、あれはいったいなんだったんだろう?ずっと私の中で疑問があった。が、最近読んだ本で、その答えがようやく出たのです。で、少し彼女のこと考察してみようと思います。
それでは、また次回。

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