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【ミュージカル好き】「続き物のミュージカル」としてのテニミュの楽しさ【初テニミュBlu-ray】

1.私とテニミュ

 みなさんこんにちは。

 突然ですが、みなさんは「テニミュ」というものをご存じでしょうか?
 私は知っています。

 もう十年以上も前になるのでしょうか。ニコニコ動画で恐ろしいほどに人気を博した動画「あいつこそはテニスの王子様」を、私も当時視聴していた思い出があります。
 私にとってテニミュとは「ミュージカル」というよりは「何か面白いもの」というコンテンツの枠に無造作に収納されていた媒体でした。
 しかし、あれから十年の時を経て、最近改めてこう思う機会がありました。

 実際、ちゃんとテニミュって見たことないな? と。

 ここで自己紹介をさせていただきたいと思います。
 地球在住、人間、ミュージカルが好き。
 そうです。私は「ミュージカルが好き」なのです。

 数年前に「宝塚歌劇団」と出会った私は、ミュージカルというコンテンツにどハマりし、推し組の公演の際には足繁く宝塚大劇場に通うようになります。
 そこからいわゆる有名ミュージカルや劇団四季にも手を伸ばし、様々な舞台を楽しく観劇してきました。ミュージカル「オタク」には一歩及ばずとも、ミュージカル「好き」くらいは名乗ってもよいのではないか……と思っております。

 しかし、私はテニミュをちゃんと見たことがない。それはミュージカル好きとしてどうなのでしょうか?

 昨今、ミュージカル界の一大ジャンルとなってきている2.5次元ミュージカル。
 その中でも最も古い歴史を持つ公演の一つが「テニスの王子様」であることは知識として知っている。なんだったら、私は原作「テニスの王子様」のファンであり、新テニスの王子様まで読んでいる。
 それなのに、「ミュージカル テニスの王子様」を見ていない。

 ……果たして私は、このままミュージカル好きを名乗っていいのでしょうか?

 おっと……チャイムが鳴りました。

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 小包ですね。開けてみましょう。

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 これは……!

 ミュージカル テニスの王子様 3rd 全国立海vs青学!?!?

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 さて。今回ミュージカル好きとしての矜持を刺激され、早速Blu-rayを購入しました。
 購入しようと思い立って数日で到着。メルカリに感謝です。

 まずパッケージをよく観察します。
 この段階で色々と気になる部分がありますね。

 まず右側にいる真田弦一郎。完全に雷を召喚しています。対する手塚国光は、完全にテニスラケットのみで雷に対抗しようとしています。無理がありますね。
 そして、その後ろでラケットを抱きしめる越前リョーマ。さらにその後ろで光の中に召されようとしている幸村精市。
 もう何が起きているのかわかりません。「何か面白いもの」というコンテンツとしてはもう最高です。購入した甲斐を感じています。

 開けてみると、Disc1とDisc2の二枚組です。Disc1が本編ということで、早速レコーダーにセットしてみました。

 それでは、しばし観劇してきます。


2.ミュージカルテニスの王子様 全国大会 青学vs立海

 すごい。
 語彙力無くなっちゃいました。

 もう、ちゃんとミュージカル。それはそうか。空耳の歌詞が聞こえる部分はほとんどありません。空耳に脳が毒された私ですらです。

 もちろんクスッとくるシーンというか、「そんなのあり〜!?」というシーンは存在します。ヘリコプターで越前リョーマを迎えにいくところとかね。そんなことしちゃうの!? と思いましたが、クオリティが低いわけではありません。
 何が起きているのかはもちろん伝わってきますし、原作に忠実。だけれど面白い。いわゆる「真剣な笑い」というやつでしょうか。

 さて、先ほども紹介しましたが、今回私が見たBlu-rayは「ミュージカル テニスの王子様 全国大会 青学vs立海」。
 せっかくの初観劇なので私が大好きな立海大附属の全国大会をチョイスしました。そして、過去の空耳テニスとの差異を明確にするため、全国立海で最も新しい3rd seasonを選択。

 全国大会の立海との決戦では、「向こうに入らんかーーー!!」という気合いの叫びでボールをネットの向こうに落とす、という激アツ展開があります。テニスの王子様の全試合の中で私の最もお気に入りの試合と言っても過言ではありません。

 そんな激アツ展開「完全再現」と言っても良いのではないでしょうか。
 風林火隠山雷の曲は、ややキーが低く歌うのが難しそうではありましたが、「皇帝 真田弦一郎」の威厳を感じさせる迫力。そして対する手塚国光も「油断せずに行こう」と仲間を鼓舞することで自分の限界を越えようとします。
 そんな技使われたらどうしたらええねんの代表格である「零式サーブ」「手塚ファントム」。その二つの技を出し切り、腕を犠牲にしてでもこの一勝をもぎ取りたいという手塚国光の意思を感じる試合展開。
 さらに真田弦一郎も「立海三連覇のため」。この言葉をきっかけに真っ向勝負を捨て、青学に「それが皇帝のテニスか」とやじられようとも痛む足を引きずり手塚を追い詰めていく……。

 書いているだけでも手に汗握る展開が思い出されます。
 こんなにすごいのかミュージカルテニスの王子様。想像を超えてきました。
 もちろん、私の大好きなこの試合だけではなく、複数の試合と並行に、失った記憶を取り戻そうとする桃城武の必死の奮闘も描かれます。
 そして最後の客席降りは思わず見ながら「客席降りだ!!!」と叫んでしまいました。コロナからここ、客席降りをBlu-rayで見ると叫んでしまいます。

  いやー、もう続きが見たいです。決勝戦はどんな演出で行われるのか。すごく気になります。


3.「続き物のミュージカル」という視点

 そういえば宝塚歌劇団にハマってからというもの、私は「続き物のミュージカル」というものを見たことがないことに今更になって気がつきました。
 3時間たっぷり見た物語に、さらに続きがある。今更ながら、その素晴らしさに目覚めたように思います。

 長い長い物語を「続き物」として舞台上で描くということが、2.5次元が開拓した要素の一つでもあるのかもしれません。

 宝塚歌劇では、たとえば「ベルサイユのばら」が続き物のミュージカルと言ってもいいのかもしれません。
 しかし、「ベルサイユのばら」はオスカル編・マリーアントワネット編など主人公を変え、その主人公にクローズアップした舞台となっています。そうすることで、そのどちらかを見ていない人が舞台を見ても十分わかり、楽しめるものとなっているわけです。
 私は実際にベルサイユのばらの漫画を斜め読みしかしていないので漫画のストーリーをさして知っているわけではありませんが、そのどちらの舞台も楽しんで見ることができました。

 しかし、ミュージカルテニスの王子様はそのような主人公を変え、それぞれの主人公にクローズアップして物語を展開していく手法は取られていません。
 どの公演でも主役は常に「越前リョーマ」であり「青春学園中等部」です。対戦相手は姿を変えても、彼らは変わりません。前回の対戦相手とどんな試合があったのか、今まで何があって桃城武は記憶を失った越前リョーマに「また桃先輩と呼んでほしい」と歌いかけるのか、見ていなければ普通はわからないわけです。

 ただ、「ミュージカル テニスの王子様」に来るほとんどの客は漫画「テニスの王子様」もしくはアニメ「テニスの王子様」を見たことがある人間であり、どうして桃城武が悲痛な思いで越前リョーマに語りかけるのか、その前の舞台を見ていなくても理解ができます。
 それは、私が「全国大会 青学vs立海」を初めて見る一本としてチョイスしたことからもわかるかと思います。普通ならまずは一本目「青学vs不動峰」を選ぶところです。しかし、私は「原作の全国大会立海が好き」という理由でこのBlu-rayを選択しました。
 原作でここまでの物語を知っているからこそできる観劇の仕方です。

 だからこそ「主人公が変わらない」かつ「続き物のミュージカル」が成立しているわけですね。

 今回ミュージカルテニスの王子様を見て、最も頷いたのはその部分でした。見ていなければこのような感想は出ようもなかったでしょう。

 さて、続きが気になったので、早速「全国大会 青学vs立海 後編」を購入しました。届くのが楽しみです。

 そして現在公演しているらしい4thは次回、関東大会青学vs氷帝。
 チケットの取り方を、早速ググります。


色々と詳しいことを調べさせていただきました。
ミュージカルテニスの王子様、最高です。
ミュージカル『テニスの王子様』 https://www.tennimu.com/