過敏性腸症候群ガス型 ガス漏れ症状を改善した方法

 本来なら「過敏性腸症候群ガス型とは何か」「ガス漏れ症状とは何か」を説明すべきなのですが、ここでは省きます。この題名のnoteを開いているということはきっと当事者の方で、症状については痛いほどご存知かと思われますので。
 なるべく手短に書いていきます。保険診療なのでどなたでも簡単に試せます。ただしこれはあくまで一例なので再現性があるかはわかりません。でも試して損はないと思います。

何をしたか?

 抗うつ剤で治療しました。
 現在、
・イフェクサー(SNRI)75mg×2錠
・ミルタザピン(NaSSA)15mg×2錠
・レバミピド(抗うつ剤による胃荒れ防止)×1錠
を1日の終わりに服用しています。

どういう症状を抱えていたか?

 過敏性腸症候群ガス型と下痢型で、オナラがたくさん出てしまう症状と下痢に加えて、肛門から常にガスが漏れていました。肛門が熱感・不快感を伴って開いている感覚です。このほかに呑気症や不眠もありました。

どう改善したか?

 ガス漏れがなくなり、不快感も感じなくなりました。オナラが出る回数も大幅に減り、下痢、呑気症、不眠もいつの間にか改善していました。

なぜ抗うつ剤で治療したか?

 きっかけは市販の痛み止めがガス漏れ症状に効果があると気づいたことです。
 当方は女で生理があり、生理痛が酷い場合はイブA錠を飲んでいたのですが、なぜかイブA錠を飲んでいる時はガス漏れ症状とオナラが大きく抑えられることに気付きました。
 他の痛み止め(ロキソニン)では効果がなかったので、イブA錠に含まれる鎮痛以外の成分、特に鎮静成分(アリルイソプロピルアセチル尿素)がガス漏れに効果的なのかもしれないと思い、似た効能を持つ市販薬のパンセダンを試そうとしたところで、「病院にかかれば安全かつ安価に、耐性がつかない薬を処方してもらえるのではないか」と考え直し、心療内科を受診しました。
 これまでもジェイゾロフト(抗うつ剤)やメイラックス(抗不安薬)、大建中湯などの漢方、ミヤリサンやビオフェルミンなどの整腸剤を試しましたがオナラに効果はなく、特にガス漏れについてはどの医師にも「聞いたことがない」「そんな症状はない」と言われてきたので治療をほぼ諦めていました。今回は痛み止めの効果も交えて腸ではなく自律神経がおかしくなっていること、イブA錠の鎮静成分に似た効能を持つ薬を試したいことを医師に話し、了承をいただいて抗うつ剤を試していくことになりました。

どのくらいの期間で効果が出てきたか?

 私の場合、大体2週間くらいで効果を感じ始めたように思います。
 現在服薬中のイフェクサーという薬を最初は37.5mgからスタートし、2週間経って「最近少し体の調子がいいかも?」と感じたため75mgに増量、また3週間経って「体調が良い日が増えたな」となり150mgに増量、そのまた3週間後「最近ずっと体調がいいな」になり増量をストップして現状維持、という形です。
 抗うつ剤治療は効果が出るまで時間を要します。どの薬も効果が出るまで最低2週間は様子を見るようです。その2週間のうちに効果が得られなければ増量か他の薬に切り替えという形になります。

抗うつ剤なのにガス漏れに効果があるのか?

 私の体感ではあると思います。今の抗うつ剤2種になったところでピタリとガス漏れが止まりました。
 またある方の体験談では、エスシタロプラム(SSRI)を服用し始めたところ機能性ディスペプシアが大きく改善したとブログで書かれていました。自律神経を失調した結果生じる諸症状に対して抗うつ剤は効果があると言えるのではないでしょうか。

どの抗うつ剤なら効果があるのか?

 これについては断言できません。専門家ではないため詳しくはわからないのですが、抗うつ剤は人によって効果の出方が違うようです。
 先ほどエスシタロプラムで機能性ディスペプシアが改善した方の例を出しましたが、私の症状にはエスシタロプラムは効果がありませんでした。私に効果のあったイフェクサーやミルタザピンが同じ症状で悩む当事者の方には効かなかったということは当然あり得ると思います。自分の症状に薬の効果が出ているかどうか確認を取り、出ていなければ増量する、または減量して別の薬に切り替えていく、を繰り返す作業が必要になります。
 抗うつ剤には副作用があり、吐き気や立ちくらみ、下痢、便秘などが出てしまう方も中にはいるようです。抗うつ剤治療は人の体によるので、医師とよく相談しあって治療することが重要です。

どの病院にかかるべきか?

 私のように明らかに自律神経の異常が原因だとわかっているなら精神科か心療内科に行ってもよいと思います。しかし、過敏性腸症候群だと思われていた症状が潰瘍性大腸炎やガンによるものだったというケースも中には存在します。出来れば内科で胃腸に異常がないか確認してから治療に当たった方がよいでしょう。

どの精神科(心療内科)を選ぶべきか?

 これについてもその分野に詳しくないので非常に断言しづらいのですが、とりあえず初診で気をつけた方がいい2点だけあげておきます。
 1点目は初診でパキシルを処方しないことです。パキシル(パロキセチン)は抗うつ剤の中でも極めて強い薬です。抗うつ剤の種類が少なかった昔であれば第一選択薬でしたが、現在ではトリンテックスやエスシタロプラムなどが主流のようです(自殺を企図したなど重症の場合は使われるケースも)。どの薬を試しても効かずパキシルに移行することはあっても、初診でうつ症状や自律神経失調症にパキシルを処方する医院は現代ではかなり珍しい方のようです。
 2点目は抗うつ剤は単剤処方が基本ということです。何種類もの抗うつ剤を一度に服用すると、どの薬が症状に効いているかわからなくなってしまうためです。
 ただし併用療法といって、2種の抗うつ剤を組み合わせたカリフォルニアロケット療法なるものも存在します(当方が服薬しているイフェクサーとミルタザピンはこれに当たります)。初診は単剤から入り、単剤で限界を感じたら併用で、というのがよくあるケースかと思います。
 この2点を頭に入れた上で、医師を薬のソムリエとして頼るのがいいかもしれません。素人がインターネットで薬の効能を調べたところで限界があります。しかも医師はガス漏れという症状について詳しくありません。選択すべき薬を医師に伺い、自分の体で治療を試す、そういう気持ちで治療に臨むのがベターだと思います。上記の2点が怪しい医院なら別の医院に変えるのも手です。

おわりに

 手短にと言いながら長くなってしまい、申し訳ありません。とりあえずどんな方でも試せる方法だと思うので、ぜひ色々な方に試してみて欲しいです。
 ガス漏れ症状をとりまく現状は絶望的です。我々は患者であると同時にスメルハラスメントの加害者でもあります。しかも医師が存在を認めない症状ですから、お手上げ状態です。インターネットで色々検索してみても、食事療法、鍼灸、消臭パンツ、肛門トレーニングetc…と曖昧な情報が溢れて返っています。これらの治療法で治った方も勿論いらっしゃるのでしょうが、治らなかった人間はもはや打つ手がないわけです。
 今回ひょんなことからあっという間に症状が治って、何とか同じ悩みを持つ方に情報を共有しなければと全力疾走で書き上げました。もし同じように改善したよという方がいらっしゃいましたら、どこかで情報を無料公開していただけるととても嬉しいです。当事者の中には藁をも縋る思いでいる方もいらっしゃいます。安全かつ安価にアクセスできる治療法を確立したいというのが一当事者の思いです。
 ガス漏れはほぼ0になりましたが、過敏性腸症候群が完全に治ったわけではありません。この病気を発症して十数年経っているせいか完治にはまだ少し遠く、相変わらず人混みは怖いです。しかし以前を100とすると10まで大きく抑えられていて、何とか人並みの体調には戻ってきています。
 再現性があるかどうかは正直全くわかりません。これからまた体調が崩れる可能性もあります。ただもし再発しても今回のトライアンドエラーを教訓にまた沢山やれるだけ試すと思いますし、その時はまた何かしら書きます。
 とりあえずガス漏れ症状を改善した方法は以上になります。駄文乱文で本当に申し訳ありません。そしてここまで読んでくださって本当にありがとうございました。当事者の皆さんの症状が一刻も早くよくなることを願っています。

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