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マッチングの一歩目、病院説明会に参加すべし

 マッチングとは、要するに医学生の就活である。4年生の1月まで、マッチングシステムについてなにも把握していなかった私だが、この度マッチングへの第一歩を踏み出した。それが今回の病院説明会である。

超ザックリ!マッチングとは

 医学生は、資格取得&大学卒業後も勉強期間を過ごすことが普通である。その勉強を行う病院=1,2年目の就職病院を決定するのがマッチングである。医学生がやることは単純である。

①就職したい病院を決める
②該当病院の応募に必要な活動を行う(面接に行く、試験を受けるなど)
③法で規定された公共財団が運営する「マッチングシステム」に登録
④結果を待つのみ(マッチングシステムが各病院に希望者を伝え、病院側が採用者を決めるのを待つ)
⑤指名されたら断れない。春を待つ。。

 まあほとんど一般的な就活と同じなのだが、違いは「滑り止め応募ができない」ことである。希望者の動向次第では、マッチングに何回かチャンスが生まれうる。なので、チャンスを残しておいた方が有効なこともあり、行きたくなさすぎるけど一応希望に入れとこ、という戦略がとりづらい。手順②を頑張って、採用側が取りたくなる応募者となろう、という話だ。

病院説明会とは病院カタログである

 さて、では私が今回参加した病院説明会とはいったいどのようなものなのか。一般的な企業説明会との違いとして、「参加できる病院が制限される」という点が挙げられる。というのも、1,2年目の研修は厚生労働省の指定した病院でのみ可能であるからだ。たとえば「青森県で就職したい!」と思った時には、13病院しか選択肢がないのだ。このように、都道府県によっては全ての病院を比較して検討するということが十分現実的なのだ。
 説明会の内容は、もちろん各病院の違いに焦点を当てたものである。主な業務範囲、2年間の研修スケジュール、給与水準、勤務体制、職員の気風、衣食住などだ。これらを比較して、自分に合った病院を見つけましょう!というのが目的だ。このように、病院概要をザッと並べて教えてくれ、比較もしやすいので、「病院カタログ」と言ってよいと思う。

結局、病院説明会の何がいいの?目的は?

 良い点はズバリ、自分が意識していなかった病院ごとの違いがイヤでもわかること、である。そして参加の目的は上記の①&②の材料集めだ。そもそも、初期研修に向けた資料などはこういった説明会資料でしかまとまっておらず、比較するための情報集めが難しい。その上、それぞれの資料を読み込んで整理して…という作業が純粋に面倒くさいのだ。エネルギーがいる。それを開催者が肩代わりしてくれるのであり、非常に助かる。その結果、自分は比較に集中することができ、自分にとって何が重要そうか、という自分の中にしか答がないものと向き合えるのだ。正直なところ、開催前は説明会に対して期待していなかったのだが、いざ参加してみると非常に有意義であったと感じている。

 例として、私の場合に大事に感じたのは以下の点である。
・救急医療が濃すぎないこと(将来、救急から遠い業務に就きたい)
・産業医の経験が積めること(産業医を視野に入れている)
・健診業務があること(将来的にバイトで健診をしたい)
・ワークライフバランスを尊重しているか(仕事は生計を立てるため)
・住環境が良いこと(自宅が至福の場所。古い寮とかはキツイ)

これは、説明会が始まってから気づいたのだが、病院側が敢えて「うちは産業医としての研修が~」とかいうのなら、それは多くの病院にはないということである。この差異を基にして①の候補を絞っていくのである。
 
 そして②の情報。すなわち気になる病院がどのように採用者を決めるのか、というのを採用担当者や採用経験者(1, 2年目研修医)の口から聞ける。資料上の「面接」「小論文」の数文字とは比べ物にならない情報が手に入るのだ。もしも面接のみなら、とにかく面接当日までに何度か病院見学に行き、少しでも好印象を植え付けておく。これによる差は微々たるものかもしれないが、差は差である。そして、他にできることがないのだ。

まとめ

 一番のポイントは、太字で書いた自分が意識していなかった病院ごとの違いがイヤでもわかることである。これは病院説明会に一回以上参加したことがあるかないかで大きく変わると思われるので、一度も参加したことがない人はまず一回、参加してみるべきであると思う。(二回目以降はよく分からないが、二回目の人は自分が気になるポイントを注意深く聞くことになるだろうし、三回目以降は自分の価値観が変わりないかを確かめるといった使い道になるだろうか。)

とりあえず一回だけ真面目に参加してみなさい。完。

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