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2024年8月13日(火)《GB》

《鹿児島にいく予定もないので今年も白くまはお預けです。来年あたり何か理由つけて行けたらいいなあ》
【天文館:有村 藤花・赤岩 美琴】
「うん、やっぱり白くまは美味しい」
「だよねー。私も久しぶり食べた」
 目の前にでんと置かれた白くまを一口食べた有村 藤花の言葉を聞いて、赤岩 美琴も笑顔で返事を返した。ここは天文館にある『むじゃき』。お盆の時期でもありたくさんの客で店内は大賑わいである。冒険者組織は昨日は祝日だったが業務が行われ、13日〜15日がお盆休みで休業となっている。有村も昨日の午後に鹿児島に帰ってきており、今日は小学校からの親友である赤岩と一緒に天文館で遊んでいる。朝早くから鹿児島中央駅で合流し、まずは『アミュプラザ』をしばらくうろつき、ある程度満足した後で天文館へと移動する。ちょうど時間がお昼少し前の時間だったので、食事と白くまを食べようと『むじゃき』に来たのである。有村は先月富田 水無らと一緒に食べに来たが、鹿児島在住の赤岩はしばらく白くまを食べる機会がなかったので、食べるのは久しぶりなのである。
「ところで藤花、最近どう?」
 白くまを4分の1ほど食べて少し気持ちが落ち着いてきた赤岩が質問する。それを聞いて有村は少し考える仕草をした後で返事を返す。
「どう?って言われても。ちゃんと生きてるよ」
「それは見ればわかりますが」
 あまりにも当然の返事を返されたが、このような返しを小学校から高校時代までずっと聞いていたので、すごく懐かしく感じる。赤岩にとって有村は特別な存在であり、変わらないままでいてくれるのは非常に安心するのである。
「美琴はどうなの?」
 聞かれた質問をそのまま返してみる。
「そうね。変わったことといえば彼氏が出来た」
「まじか。知らんかった」
 少し恥ずかしそうな表情で答えた赤岩の言葉を聞いて驚愕の表情を浮かべた有村が返事をする。普段から連絡をとっていないこともなく、ある程度頻繁にLINEでの連絡は行っている。だが、彼氏が出来たなどの話は聞いていない。
「直接会った時に話したいと思ってね」
「そうか。おめでとうだな」
 理由を聞いて一応納得する有村だったが、やはりいろいろ気になるのでこの後根掘り葉掘り彼氏の情報について話をする。そしてある程度この話題に満足した頃に赤岩が逆に質問する。
「藤花は彼氏出来てないの?」
「出来てないよ。私の彼氏って主張している奴は1人いるけど」
 ちょうど白くまの最後の一口を食べ終わったタイミングで有村は自分の恋愛事情について口にする。もちろん間違ったことは言ってないのだが、赤岩は少し意味がわからず、続けて質問をしようとする。だが有村が店を出ようと席を立ったので、一旦この話は中断して、レジに向かうことにした。

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