2024年7月13日（土）《GB》

《明日西日本は大雨予想。雨が降るのは良いけど、災害が起きないレベルでお願いします。》
【原田邸：原田　公司・原田　美樹】
「今日帰ってくるまでは大丈夫だと思うけど、明日は線状降水帯が発生するらしいよ」
「明日休みで良かったよ」
　今日明日の天気について言葉をかけた原田　美樹に対して、原田　公司が軽く返事を返した。ここは原田邸。現在17時を少しすぎた時間であり、子供たち3人は全員外出中で家にはいない。原田も今日は土曜日なのでそろそろ『道』に出かけようと思っていたところに美樹から声をかけられたのである。ちなみに一般的な冒険者は月曜日から金曜日の間の1日で迷宮探索を行い、残りの日は鍛錬場で鍛錬を行う。なので土曜日と日曜日は通常休みなのであるが、原田にとって土曜日は負けられない戦いが『道』にあるのである。この理由で、基本的に休みは日曜日だけとなるので、冒頭の発言につながるのである。
「でも今ぐらいの天気が涼しくて良いよね」
「外も意外と涼しいからね。気過熱のせいかな」
　今日は外の気温があまり高くないことを原田が口にし、それに美樹が返事を返す。雨が降ったり止んだりしているので、地面が湿った状態であり、こうなると気過熱で気温が下がるのと、あとはある程度風が吹いているので、涼しく感じるのであろう。
「それにしても線状降水帯来る日が外出日じゃなくて良かったわね」
　明日は完全休みなので、外が土砂降りだったとしても家にいれば良いのである。そのことを美樹が口にすると、原田は一瞬何か考えた後で言葉を返す。
「線状降水帯の日が休みだったんじゃなくて、休みの日を線状降水帯にしたんだよ」
「ちょっと意味がわからない」
　少し得意げに話した原田の声を聞いて、美樹は瞬時に突っ込みを返す。何を言いたいのかが伝わってこないのだ。
「明日の線状降水帯はわしが育てた！」
「いや、育てちゃだめでしょう。怒られるよ」
　相変わらず意味がわからない原田の言葉に、美樹は呆れて突っ込みを入れたのである。