Gran Turismo 7 Setting Blog #3

いつもの前口上

昔取った杵柄と言うわけでもないんですが、以前某SNSにてグランツーリスモ5と6の車のセッティング公開みたいなことをやっていました。つい最近、遅ればせながら『グランツーリスモ7』を始めまして、毎日レースを走ってはセッティングを煮詰めてみたいな遊びを大いに楽しんでおります。

やっぱりGTは自分の原点だなと思い至り、7に関してもセッティングを公開していこうかなと思います。参考になれば幸いです。

注意点として、あくまでもこの設定値は自分が扱いやすい数値であるということをお断りしておきます。また速く走れるセッティングであるかどうかは未知数であり、自分が速く走れるテクニックがそれ程ないことも追記しておきます。

さて今回は

セッティング第3回目は、前回の予告通りNSX CONCEPT−GTでいってみようと思います。前回の記事はこちら。

予告から期間がだいぶ経ってしまって申し訳ありません。その間も別にサボっていたわけでもなく、色んな車のセッティングを出しつつ、良いと思った部分はこの車に反映してみたりとかしてました。

中々これといったセットが出ず、ああでもないこうでもないと詰めていった結果、まあどうにか発表してもいいんじゃないかというものが出来たというわけです。前回のNSX  GT500ほど抜きん出たものはないんですが、安定感は抜群でそこそこの速さはキープ出来ております。

ワールドツーリングカーPP800のレースであれば全てのイベントに対応可能かと思いますよ。お気に召していただければ幸いでございます。

HONDA NSX CONCEPT−GT ’16

このリバリーもLOVEBITESのイメージで作成しました

スーパーGTが2014年の車両規定改正でDTM（ドイツ・ツーリングカー選手権）との共通シャシーを使用することになり、日産やレクサスが普通にFRの車両を発表する中で、HONDAが発表したのはNSXをベースとするミッドシップレイアウトを採用したレースカーでした。ただしこの頃のNSXは市販前のコンセプトカーだったので名称に『CONCEPT』と付いてますし、当初はハイブリッド機構を搭載した初めてのGT500車両となっていました。

しかしまあそのハイブリッド機構、重量が100kg以上重くなってしまったり、ルール上の様々な制限を受けてしまったりなど大きなハンデを抱えてしまい、勝利に繋がらない足枷となってしまったため、2016年よりハイブリッド機構を非搭載とすることになったのです。グランツーリスモ7に登場した車両はその2016年バージョンとなります。

今回もワールドツーリングカーPP800のレギュレーションに合致させるためにセッティングをしたわけですが、本来であればPP900辺りを主戦場とするNSX CONCEPT−GTをそこそこにダウングレードしてますので、本来持つ速さの一端はなくなっている部分はあります。ただしゲーム上においては問題なく通用してしまうので、これもまあまあな反則級マシンとなります。

サルディーニャ・ロードトラック15周などなど

この車においてもメインターゲットとなるイベントは『サルディーニャ・ロードトラック』となります。賞金稼ぎ用のマシン扱いですね。しかし上記した通り他のイベントにも全然通用します。スパ24hレイアウトとニュルブルクリンク エンデュランスではしっかり活躍しました。特に耐久レースとは名ばかりのスプリントレースよりも、割とガチめな耐久レース系においてそのど安定さが非常に武器になると思っています。スパ24hレイアウトの1時間耐久レースでは割と気楽に操作出来ますよ。

使用パーツ

タイヤ：レーシング・タイヤ全般
トランスミッション：フルカスタマイズ・シーケンシャル・トランスミッション

またクラブスポーツのパーツから、パワーリストリクターとバラストも使用しております。

各種セッティング

セッティングの数値は画像の方で紹介します。

こういうセッティングになりました。要約すると、足回りはまあまあなオーバーステア傾向でそれを空力で抑え込む感じ、PP合わせでバラストを積んでますが、ただ重くするだけではなく前後重量バランスにも配慮しております。48：52というバランスは曲がりやすくもあり車体の安定度も高くなります。

セッティングの傾向

このサスペンションの数値は前回のNSX GT500同様、レーシング・ソフトタイヤの性能を全て使い切るという事を目標として出したもので、車重に合わせた硬めの固有振動数とネガティブキャンバーやトー角でしっかり地面に接地させる様にし、ダンパーはフロント側が縮みやすく伸びにくい、リア側が若干縮みにくく伸びやすいといった感じにしています。フロントに出来るだけ荷重を残すイメージですね。弱〜中オーバーステア気味の設定になっていると思います。

ただしNSX GT500よりもダウンフォースの値が高くかなりなアンダーステア傾向にありますので、足の方はそれに合わせてオーバーステアの度合いが若干高くなっています。

またバラスト搭載とその位置での前後重量バランス調整、パワーリストリクターやコンピュータでのパワー調整、ダウンフォースの値を微調整することで理想のPPに近付けています。特に前後重量バランスには拘りました。

相変わらずのキモ『LSD』

この車のセッティングのキモもNSX GT500同様にLSDです。イニシャルトルクは少し強めで、コーナーでの内輪と外輪の回転差がそれなりに出る限り作動する感じになっており、尚且つ車体の姿勢変化をある程度抑える数値にしています。そして加速時・減速時の効きは、割とオーバーステア傾向になっていると思います。ただしダウンフォースとの兼ね合いでだいぶニュートラルステアに近くなってますので、急激なオーバーやアンダーは発生しにくくなってるはずです。

この車の弱点

この車を操作してみると多分思ったより速く感じないかも知れません。上記した高いダウンフォースが存在するため、コーナリングではそこそこのスピードを稼げてもストレートでは伸びが足りなくなります。加速性能もトランスミッションで補っているとは言え他の車より若干劣ります。バラストで車重を重くしパワーリストリクターでパワーを絞っているので、トルクが細くなり馬力も落ち、高いダウンフォース＝大きな抵抗となった空力性能を跳ね除ける本来のエンジン性能を発揮出来ないんですね。

以前からグランツーリスモにおいて車の性能の指標となるPP（パフォーマンスポイント）が上がる要因に、空力性能とエンジントルクの太さが大きく関係しています。空力性能＝ダウンフォースということなんですが、ダウンフォース＝空気抵抗とも言えるのです。あくまで仮定ですけど、フロントダウンフォース650・リアダウンフォース1000だとしたら、速度が上がるにつれてフロントに65kg・リアに100kgの空気の重さが乗って来ると考えると、常に数値が変化する天然のバラストを積んでいる状態と言えます。その重さを跳ね除けるため、車重＋空気抵抗を引っ張る太いトルクが重要＝トルクが太ければエンジン性能が高いことに繋がるのでPPが上がるのは自然な成り行きというわけですね。

コンピュータやリストリクターでパワー（トルク）を絞るというのはPPを落とすのに最も有効ではあるものの犠牲とする部分も大きくなってくるので、増加した重量や空気抵抗と兼ね合いを探りつつ如何にそのバランスをとるかが重要となってきます。

あと安定志向の車ではあるもののミッドシップというレイアウトならではの、一旦バランスを崩したら立て直しはほぼ不可能という弱点はごく当たり前にあります。コーナリング、特に高速コーナリング時に敵車の接触を喰らったら一発アウトです。

サルディーニャ・ロードトラックにおいて

自分の場合ですが、このセッティングを施したNSX CONCEPT−GTで、サルディーニャ・ロードトラック15周をミスなしで大体26分切るか切らないかくらいで完走出来ます。1周の平均タイムは1分40秒近辺でしょうか。最速ラップは1分38秒前半でした。

スティントは6・5・4がオススメ。レーシング・ソフトタイヤは9周ほど保ちますので、最初のピットインでタイヤ交換と給油、次のピットインでは給油のみを行います。燃料調整マップの変更は一切なしです。

このマシンもバラストは積みつつもかなり軽いので、タイヤの持ちの良さと燃費の良さはピカイチです。敵車は大体3〜4周（車によっては5周）でピットインしますし、これはGT500マシンの強みでしかないでしょうね。

改めて自分の操作環境

PS4版のグランツーリスモ7をプレイしてまして、操作はデフォルトのDUALSHOCK4（要はパッド操作）です。コントローラー操舵スピード補正は3でやってます。

アシストとしてTCS（トラクションコントロール）を1、ABS（アンチロックブレーキ）を標準に設定しています。スタビリティ・マネジメントなどの挙動系アシストは使用しておりません。

またこれも書き忘れていたんですが、マニュアルミッションで操作しております。セッティング自体はオートマにも問題なく対応出来るとは思いますよ。ちなみにコントローラーのボタン設定はこんな感じです。

右スティックでシーケンシャルシフト操作というレースカー感覚を楽しんでます

ちょっとしたお願い

もしハンドルコントローラーをお使いでこのセッティングを試してみた方がいらっしゃいましたら是非感想を聞かせていただきたいですね。グランツーリスモ5や6のセッティング時はハンコン使いの方々にもなかなか好評でしたが、7では果たして？といったところです。

終わりに

今回はこんな感じで締めたいと思います。このセッティングを試してみた方がいらっしゃいましたら是非ともご感想を聞かせてくださいませ。次回はマクラーレンF1GTRでもやってみようかと考えています。鬼畜な超反則級PP800マシンというのも面白いかなと。実際にとんでもなく速いですし、メインの金稼ぎマシンになってますよ。F1GTRと同様の超反則級PP800マシンとして、一緒にメルセデスAMG CLK−LMのセッティングも公開して、その差を解説というのも面白いかも知れません。同じ様な速さを持ちつつも車の性格が全然違うので中々興味深いですよ。

それではまた！