おばあちゃん、ありがとう

祖母が亡くなりました。
突然の書き出しで、そんなこと言われても…ですよね。

私がお届けしたいものと趣旨は異なりますが、私の人生の大切な経験としてお話させていただきます。

お葬式でお経をくださった導師様のお言葉に、

「四十九日間、七日ごとに修行を乗り越えていかれる故人が、道に迷わないように一筋の光となるように、一本のお線香を絶やさぬように。
残された人たちは、忙しい一日のどこかで、一度だけでもそっと空を見上げておばあちゃんを想うこと…それが何よりの供養になります。」
おばあちゃんが道に迷わずに、新しい世界でおじいちゃんに出会える力添えになりますように…。
そっと空を見上げておばあちゃんを想う。

98歳…大正、昭和、平成、令和……
激動の時代を生きた祖母。気丈でときに厳しく、でもその中には優しさが必ず含まれていて、そっと道を示してくれた祖母。

今度は私たちが、おばあちゃんが迷わぬよう、途中で邪魔が入らぬよう、「想う」という力でおばあちゃんの進む一筋の道を進むお手伝いになれますように。


人の「死」に触れるのは初めてではありません。生まれてくるときに「あなたはこんな風に産まれてきたんだよ。」と周りが教えてくれるのと同じように、最期の時にも一人ひとりのストーリーが生まれます。

棺に花を手向ける私たちにおばあちゃんが見せてくれた涙…
ご遺体の目頭に溢れ出るひとつぶの涙。

「おばあちゃんも泣いてる…!」

その場に集う親族一同、

こんなことがあるなんて!という驚きと

おばあちゃんはやっぱり最期まですごいな!という笑いと…。

死してなお、私たちに生きる姿勢の手本を示されたようで、
『どんな時も一生懸命、その場にいる人たちに気持ちを込めて生きることの大切さ。』
『厳しさの中にある、相手を思う優しい心。』

最後の何年間はお話ができない状態のまま頑張っていたおばあちゃん。こんな時おばあちゃんなら何て言ってくれるかな。どんなアドバイスをくれるかな。。。いっぱい聞きたいこと、伝えたいことはあるけれど、


おばあちゃん、ありがとう。



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