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新無印第101話「スティック一本、バチンキー!」感想

※画像は全てポケモン公式YouTubeチャンネル からの引用となります。
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〇概要

今回はスティックが一本しかないバチンキーを巡るお話。バチンキーの抱える課題をゴウとサトシがサポートするというリサフェロ型っぽい話でした。
が、今回の話の意義としてはサルノリ一族の生態をゴウが理解することにあったといえるでしょう。

〇過去話からのオマージュ

話の性質としては無印編「ピカチュウのもり」AG編「キモリの森! 巨大樹を守れ!!」XY編「折れた小枝・折れた心! テールナーの強き思い!!」などの既存話の要素が複合されていました。
特にテールナー回は強く意識している印象で、今回は一本のスティックで課題解決することで新規性を作っていました。

〇毛づくろい

サルノリ一族は群れでの「セッション」を行うためにスティックを使うようです。その本質は途中で挟まれていた「毛づくろい」と同根でしょう。
友情と信頼の証。人間は言語コミュニケーションに頼りがちですが、動物においては重要なコミュニケーションのひとつです。

〇セッション

テールナー回では使用する道具に対するポケモンの思いに焦点化されましたが、今回はスティック一本で「セッション」に参加するためにはどうすればよいかを考えるというものでした。
結論としてバチンキーの身体能力を高めるというまさに脳筋ともいえる解決策ですが、サトシとゴウらしいともいえます。

ゴリランダー率いるサルノリ一族の群れは一定の秩序を保っており、特にスティック一本であることでその個体を排斥する集団ではありませんでした。「セッション」にうまく参加できれば群れの一員として認められるというシステムを構築しているようですね。

〇サルノリの生態を理解するゴウ

スティック一本のバチンキーをサポートしていく中で、ゴウはサルノリ一族の生態を理解していきます。詳しくは語られませんが、ゴウはこう思ったのではないしょうか
「自分はサルノリのことを何も知らない」と。
実際ゴウはサルノリに振り回されることが多く、お使い回以降もその傾向は続いていました。

〇「人間対自然」と「共生」

そしてセッションに成功したバチンキーを見て、サルノリもここで暮らしたほうが幸せになれるのではと考える。
これは無印「ピカチュウのもり」、そして新無印の「さよなら、ラビフット!」のリバイバルともいえます。


アニポケにとって永遠のテーマである「人間対自然」と「共生」。難しく壮大なテーマですが実は一「ポケモン側の意思を優先させるべき」という一貫した倫理感が通底しています。
ただし、ゴウに関してはポケモン側の気持ちを思いやるというより思い込みが先行しているイメージがあります。サルノリに関してももっとお互いに対話できる時間があるとよかったかもしれませんね。

〇総評

総評として、トラブルメイカーのサルノリ及びその一族の生態をゴウが知ることに意義がある回でした。
ただし、最後の別れの匂わせはラビフット回からあまり進歩がなかったので必要性が薄かったです。サルノリが毛づくろいをするという〆でしたがゴウ側からのアプローチで終わってほしかったですね。

余談ですが、ここで進化系のバチンキー・ゴリランダーを登場させたということはサルノリが現行シリーズで進化する可能性は低くなったということでしょうか…?
残りの話数的にサルノリ回があるとは中々考えにくいなあ…。
まあ確かにサルノリも可愛いのですが、進化までの過程も見てみたいですね。

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