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新無印第111話「モーンとリーリエ、雪原の再会」感想

※画像は全てポケモン公式YouTubeチャンネル からの引用となります。
©Nintendo・Creatures・GAME FREAK・TV Tokyo・ShoPro・JR Kikaku ©Pokémon

〇概要

頭と心をぐちゃぐちゃにしたまま語った語りですが、自分なりに想いを込めました。これはSMファンへのプレゼントです。大事に開けましょう。

〇はじめに

本題に入る前にひとこと言わせてください。この一週間ずっと自分の中でエーテル家族のことを考えて、言葉にして、みんなと共有してきてよかった…。普通は最後に挨拶しますが、今回ばかりは初めにいっておきます。スタッフさん、声優さん、フォロワーの皆さん本当にありがとうございます。

〇語りの手がかり

早速語りたいのは山々ですが、今回はあまりにも情報量が多くて整理するのが困難なので事前に挙げた注目ポイントを手掛かりにこの物語を咀嚼していきます。

・ストーリー構成

サトシ側とリーリエ側で別れるところまでは事前情報通り。リーリエ側がモーンに接触したのはAパートで、サトシたちが合流したのはその後。つまり、今回はモーンに出会うまでの工程ではなくモーンと出会ってからに焦点があてられた物語です。

リーリエたちがモーンと出会うまでにも吹雪という障壁がありましたが無事に乗り切っています。障壁が低いのではなくそれを乗り越えるほど家族が強くなっていることを表しています。家族の絆、ポケモン同志のキズナ、エーテル財団の科学力。物理的な困難に挫けるような柔な家族ではないということです。

〇ミステリー

そして今回重要なのはミステリー型の構成になっていることです(ホラー・サスペンス要素もありましたが)。証拠を集め真実にたどり着く―これはエーテル家族の物語の形です。リーリエの記憶の問題もモーン探しもミステリーの構成でした。

今回探し求めるべき真実は三つ。

  1. なぜモーンは冠の雪原にいたのか

  2. モーンの記憶はどのように失われたのか

  3. どうしてモーンはそのことに気づかなかったのか

探偵はエーテル家族、 そして犯人は…UB:パラサイト―ウツロイドでした。

・ウツロイドとエーテル家族

SMシリーズを観た方ならば知っているはずです、ウツロイドとエーテル家族に浅からぬ因縁があることに。リーリエを襲い、ルザミーネを取り込み、家族をバラバラにしたウツロイド。そのウツロイドが、新しい家族に…。

・モーンの記憶

今回追い求めるべき真実の一つ、モーンの記憶。まさか「Fall」の要素をがっつり拾ってくるとは…。予告の時点では全く分からなかったし、もっと単純なストーリーにする道だってあったはずなのに…。原作に真摯に向き合ったストーリーが構成されていました。

・記憶をめぐるミステリー

モーンが記憶を失ったのは「Fall」の特性ですが、問題は気づかないまま雪原で生活していた理由です。そこにはウツロイドの想いが隠されていました。モーンと一緒にいたいという想い。きっかけはもしかしたら本人にもわからないかもしれない…でも強い想いがありました。

〇二人のリーリエとエーテル家族の「再生」

最初は偶然だったかもしれない…。でもモーンと暮らしたその生き物は、家族は「リーリエ」でした。父を想う、一緒にいる存在。エーテル一家の最後のピースは二つありました。

・エーテル一家の物語の始まり

モーン、ルザミーネ、グラジオ、「リーリエ」 エーテル一家がここに揃いました。ここからエーテル一家の物語が始まることとなりました。そう、まさにTo Be Continued…

〇演出について

ここから少し本筋ではない演出について語ります。本話は大筋以上に演出に力が入っており、ここを見逃すわけにはいきません。

・誰がピアノを弾いているのか

まず予告から存在感を放っていたピアノについて。演目はSMからずっと使われてきた「リーリエのテーマ(仮称)」 弾いていたのはルザミーネ、そして「リーリエ」 全員が繋いだエーテル家族の旋律。

・ゴウ・コハルとの関わり

ここまで密度の濃いストーリーとなると、やはりゴウ・コハルの関わりは最小限にとどまります。…が、やはりコハルのほうがよりコミットしていましたね。今後の話での関わりに期待が持てそうです。

・冠の雪原要素

フリーズ村の村長くらいで他はほぼ無し…とみせかけてウルトラホールが冠の雪原に接続しているのはがっつり原作要素です。ウツロイドの回想シーンはあの手記の再現といえるでしょう。

本命のバドレックスは外れましたが…。ウツロイドはなんやかんや意思疎通するとかそういうレベルではなく、種として他生物に寄生、もとい共生するために脳から直接情報を取り込みコミュニケーションを図るようです。奇しくもSMでのグラジオの所見が生かされた形となりました。

・その他演出について―引き算の論理

他にも演出について語れることは無限にありますが、それらを全部ひっくるめて言うと今回の話は極限まで無駄を省いた引き算の論理で構成された物語でした。

回想に注釈もウツロイドというポケモンについての説明もなし(図鑑説明すらも!)。エーテル一家にとってのウツロイドの意味を知っている人でなければ、「リーリエとウツロイドの容姿が似ている」ことぐらいしかわからないでしょう。

他にもアイカットなし、自己紹介パートなし、次回への導線・伏線全部なし。新無印でここまで引き算の論理の物語が作られたことがあるでしょうか。この形にするにはきっととてつもない勇気が必要だったでしょう。はっきり言ってSMシリーズをずっと見続けてきたファンを対象に作られています。

物語に対する愛がなければ、こんなことできません。作ってきたものを愛する人を愛していなければこんなことは…。アニポケは商業ベースの週刊アニメです。それでこんな…、すいません取り乱しました。

〇総括

名残惜しいですが〆ましょう。今回はSMの忘れ物を拾いにきた話です。以前も語りましたがエーテル一家の物語のテーマは「家族再生」。

そしてモーンと出会ってからが物語のはじまり。「リーリエ」とであった今胸を張っていえます。エーテル一家の物語は今ここに始まりました。
To Be Continued
(了)


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