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備忘録。

はじめに。これは2021年10月30日(土)・31日(日)に行われた、『Piccolo passo〜小さな一歩〜』についての備忘録である。

まず、このパッソで数ある候補の中から自分の企画が選ばれ、7作品の中の1つになれたことがこの上なく嬉しかた。
高校を卒業して1回だけ演劇部の文化祭で上演するために台本を書いたのが最後だった。
4年ぶりの演劇用台本だった。

企画を出したはいいものの細かい内容までしっかり固まっていたわけでもなく、高校演劇用の台本しか書いたことのなかった自分には未知の世界だった。

最初から最後まで、脚本?演出?音響?え?大丈夫?と思いながらなんでも役を背負いたがりの自分なので、キャパオーバーしながら上手に休みながら頑張ったつもりだ。

パッソ用に書いた台本の題名は『旅路』日常×ファンタジー作品だ。
メンバー5人でいろいろ話し合いながら書いて、3週間〜1ヶ月程度で書き上がった。
最後に提出をした3稿目をここで公開しようと思う。

この台本では沢山挑戦をさせてもらった。
まとめてみよう。
・登場人物、一人ひとりに物語を作った。
・自分の言葉や自分の考えを深く書いた。
・暗転を極力減らす。
・シンプルで自由な空間作り。
・場所に意味を持たせる。
・好き嫌いの分かれる内容。
時間が経ってしまって、思い出せるだけであるが。

上記の台本は男性主人公の台本で実際に上演されたものではない。
最初は少しコメディ要素、恋愛要素もあった。
この台本について沢山話し合えたことは、今ではいい思い出である。(知っている人は知っている)
それだけ台本について考えてもらえていたんだと感謝しなければならない。意見をいただけることは嬉しいことだった。実に自分が大人気ないと思ったが、当時も今も自分を曲げる気はまったく無い。

中身についてもう少し触れよう。
電車が到着する時間、巳の刻は10時頃。通勤ラッシュが終わり1番落ち着いた時間。
人気の少ない時間帯に、不思議な電車が人生に疲れている人の元に現れる。

申の刻は16時頃。申の刻で入れ違いになる。まひる16歳にアイドルになる。まひるにとっては原点である16時に電車を降りる。
あさひ現在16歳である。16時に電車に乗る

子の刻は24時、0時。あさひは子の刻で降りる。子=子ども。子=0時。
子どもであるあさひの成長そして新たなスタートを表している。
ひな23歳。出会うのは24時より少し前になる。再スタート。24時より少し前=誕生日前。

という設定があった。

登場人物、車掌について。
車掌は中性的な設定で書いていた(cv.木村○平)が脳内に流れてきたが、それはちょっと隅に置いておいた。
男性でもなく女性でもなく、999号の車掌さんが人間の形になってと意味のわからない説明をしていたのだ。
車掌さんはカウンセラーのような存在であり、陽気で、人に寄り添ってはいるが自分の感情に少し鈍いというか、麻痺した人物だった。
今更だが、もう少しこういう設定を稽古期間中に掘り下げていけていたら良かったのかもしれない。
役者に掘り下げ、読解を任せるのがいいのか自分が発信した方がいいのか、いまだにバランスがわからない。

自分のコンプレックスであったり、登場人物たちに自分を重ねるということ、反省会で誰かが「自分語りを〜」という話をしていたが、正にこの台本のことだ。直接言われたわけではなく、そう自覚しているだけだ。
改めて自分の書いたものを他人に見せることのハードルの高さを感じた瞬間だった。

今までは誰かの物語りを書いていたのに、そこに自分を入れたのが初挑戦だった。果たして観た人の目にはどう映っていたのだろうか。

さて、長々と書いてきたがもう少しお付き合い願いたい。

パッソ上演台本も公開しておこう。
上にある元のものと読み比べてみてほしい。


主人公が女性になり、登場人物が1人減りそれぞの背負っているものが変わり、ある意味シンプルになった。
台本の修正は3日で終わらせた。講師にも3日でやります!と言っていた。なんとかできた。稽古をしているうちに修正もあったが、やり遂げた気持ちだった。
自分の力のなさも感じた。1番本を理解していないといけない自分が、できない。手が回らない。頭が回らない。誰よりも先にセリフを覚えていたのに、本番セリフが飛んだ。悔しさでいっぱいだった。
自分の企画に集まってくれた仲間に弱音は吐きたくなかった。なんとかなるよ。そう言っていた。

本番が終わって、楽しかった、この作品に関われて良かったと言葉をもらえた時は本当に嬉しかった。

制服以外の衣装がついて、自分以外が流している音響に合わせて、最後は全体テーマであった『夜明け』にたどり着き、再出発をした。

2020年に3年間続けた看護助手を辞め、ピッコロの門を叩いた。ある意味再出発だったのだと思う。

少し感情的な文章になってしまったが、これを見返したとき、感じたことを忘れないようにしたいと思っている。書き切れていないこと言語化というか文章化が難しいこともあるので、ここまでにしようと思う。

卒業して1ヶ月が経って、刺激のない日常に戻ってしまったけれど、車掌さんのこの言葉を忘れないでいたい。
「旅路はまだこれからだ」
あの中ホールで見た景色を忘れないように、これからも『旅路』を続けたいと思う。

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