「 Refining  → to the future(精製さを未来へ・・・) 」  ☆001

僕は、個人事業主で「清掃業」を営んでいる。
清掃業と言っても、主に週に4日。
軽自動車に掃除道具を積んで、委託された現場マンションをまわり、管理人さんが常駐していないマンションやハイツ、アパート 等の共用スペースを掃除する。巡回日常清掃。
 
― 散って飛んで来た、桜の葉の後始末 01 ―
< 月曜日 >
1週間の始まりだ。
毎週月曜日は、3件(ケ所)の現場マンションを巡回日常清掃している。
 
1件目は、「〇〇大学」の近くの25世帯あるマンション。
ここの共用廊下、階段、駐車場、ポストがあるエントランスホール、駐輪場 等をホウキとチリトリを持ってゴミを探して取る。
ゴミと言っても、このマンションは住民の方が落としたゴミは、あまり見かけない。
それだけ、マナーが良いのだ。
残念に思うのは、近くに「〇〇大学」が近くあるという事なのか、「桜並木」が約100mに渡って並んでいるという事だ。
(大学や学校、それに公共の施設の近くって・・・・何で桜の木があるのだろうか・・・・?)
いつもそう思う。
何で、いつもそう思ってしまうかと言うと、
「桜並木」はとても綺麗で美しい。
がっ! 散った時が、その時がとても最悪なのだっ!
この現場マンションの敷地内という至る所に散った葉が、風で飛んで来ては、枯れていくのだ。
 
ピンク色の葉 → 薄汚い茶色の葉。 となってしまう。
 
いや、いや、いや、決して茶色が、薄汚いと言っている訳ではい。
あの「美しい葉」から「想像もつかない葉」へと変わっていくからだ。
そしてそれ等を、僕は、ホウキとチリトリを持って、落ちている葉をかき集めては拾う。
散って落ち葉となった瞬間の葉は、
(あ~~あ。散っちゃった。また来年ね)
とハートマークが出来るほど「哀愁」を漂わせてくれるが、
(薄汚い茶色の葉・・・・これって・・・・本当に桜の葉だったの? う~~ん・・・・)
と疑問を感じる。
ごくたまに、廊下の溝の排水溝に溜まってくれてはいるのだが、ホウキの毛先が届かず手で取らないといけない時がある。
そして、その時に小虫が早くに冬眠から覚めて、茶色の葉を布団代わりに寝ている。
あれは、何とな~~く、嫌な気分になる・・・・。
(雨降ったらどうすんの? 一緒に流れていくよ? もうちょっと、考えて隠れなよ)
小虫をそのままにして、茶色の葉だけを取って、そのままにしておいた。
落ちた直後に飛んで来た葉から、まだ樹液で零れて、貼り付いているのもある。
こういう時は、ホウキで擦っても中々剥がれない。
(これは、あれだ・・・・モップで擦るしかない)
バケツに水をくんできて、モップで擦る。
(手間が掛かるなあ・・・・)
 
 
この現場マンションは、3階建てである。
約60メーター程の共用廊下は、建物がZ型の様に建てられているので、途中にクネクネと曲っている。
そして、3本ある階段をジグザグに上がり下がりし1階まで降りて来ると、
(ん? 何だ?)
廊下には、子供が靴に砂利と砂を引っ掛けて帰宅した跡が着いていた。
〇〇大学が近くにあるからか、たまに「日曜日のサッカー教室」がある。
(靴を履き替えて、帰って来てくれよ・・・・)
(あ~あ。ここも後でモップだな)
チラッと〇〇大学の方を見た。そして先に進み、落ちている葉、ゴミをかき集めた。
 
 
1階のエントランスホールまで来た。
約40㎡ぐらいの広さだ。
夏になると、気温がグングンと上がり、いつもエントランスホールで水分補給して休憩する。
だけど、4月はまだ涼しく感じ、作業がやりやすい。

ここから先は

1,417字

¥ 150

期間限定 PayPay支払いすると抽選でお得に!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?