豹に纏わるくだらない話(寅版)

最強のレオパルドが送られるから…

という話に湧いていたが…滑稽…😭


兵器兵装単体のスペック対比評価というものは、大概の戦闘結果を左右しない。
なぜならば、兵器は人員が運用し、戦闘の継続は兵站によって支えられるからだ。

継戦能力の維持こそが戦闘の原資である、ということだ。

だからこそ、戦略構築の段階でそれらを指揮命令系統を経て合理的に運用できるかが適当に考えられているか、が大事なのであり、些細な戦術云々は直接的には勝敗を殆ど左右しない。

多くの戦いは「始める前にその結果の大部分は確定している様なモノ」だとも言える。


レオパルドという戦車を語るのには、NATOの経緯とそれに纏わる「米国の将軍たちの黄昏」やらを知る必要があるかも知れない。

レオパルドは、西ドイツ時代のレオパルド Ⅰ から現行のレオパルド2A7以降に至るまで、NATO軍における運用と戦術形態を想定した西側の主力戦車の一つでもあり、ドイツ軍需産業の代表的輸出品でもある。
主に旧西側諸国とその政治的影響下の軍に輸出され運用されており、カナダ軍向けレオパルド Ⅰ Cシリーズやら同様の中東欧向けなど旧型の発展改良派生型(追加装甲と火器管制など電子機器を換装したコミュニケーション能力向上型)も多く存在し、レオパルド Ⅰ シリーズだから弱いやらレオパルド2シリーズだから強いやらとは一概には言えず、旅団・師団構成から教導整備運用法まで含めなければ何とも言えない。

数とスペックだけで対比しても殆ど意味をなさない。

その一例としては、コソボに送られたレオパルド2A4中隊があっという間に全滅に追い込まれた過去があり、この時の戦訓を基にアップグレードが図られたのがレオパルド2A6でありその改良版としてモジュラー装甲に方式転換したのがレオパルド2A7+(一般には2A7と呼ばれることのほうが多い)である。

レオパルド2シリーズは、西ドイツと米国共同開発によるKPZ70/MBT70計画の頓挫によって生まれることになった、いわば正統な開発経緯を持った戦車ではなく、皮肉にも主に米国の政商的都合によってクライスラー/GE社が独自に次期MTB(Main Battle Tank、主力戦車)開発計画を進める事になった経緯で誕生した妾の子のようなものとも言える。

その政治的身勝手で生まれた米側のMBTこそが「米陸軍主力のM1エイブラムス」シリーズであり、こちらはM2ブラッドレー装甲兵員輸送車との併用を前提として開発された。そもそもの運用要目が異なるものでもある。

NATOにおける西ドイツ軍機甲部隊の主任務は、先陣を切って高速進軍してくるワルシャワ条約機構軍戦車部隊の侵攻阻止であり、主要戦術は森林地帯などでの待ち伏せと敵軍の侵攻路を限定的にしつつ反撃を集中できることにあった。

だからこそ、主な幹線道路に架かる橋を自由に通過できることで急速な部隊展開による敵の予測進撃路に先回り出来る軽量から来る運用性と、コンパクトに収まった高トルク駆動系による機動性の高さに併せて低シルエットで遮蔽物に隠れつつの機敏で正確な射撃の実現が求められたのだった。

軽量コンパクトながらも高機動性能で発見され難く、初期展開の運用性と野戦整備性が高い事が求められたのだ。これは、レオパルド Ⅰ のコンセプトでもあった。


一方で米陸軍が求めた要目は、戦線突破の後に歩兵戦力を効率的に展開することであり、こちらに主に必要なのは敵の砲撃に耐え得る十分な装甲と敵戦車を圧倒する戦車砲の威力であった。

1970年代は全般的にコストの抑制が求められた時代でもあり、それに起因してKPZ70/MBT70計画が米国主導で政治的に策定されたものの、米陸軍と係る政治が軍需産業を「その方が儲かるぞ」と唆した結果の様なものがM1エイブラムズであったとも言い換えられるだろう。

故にも皮肉であるし「将軍たちの黄昏」なのである。


レオパルド2シリーズは今でこそ世界最強のMTBとさえいわれるが、開発当初にはバランスが歪で実現困難、例え出来上がってもコンセプト倒れの襷に短すぎる駄作となるだろう、とさえいわれた。

開発中期の段階では当初コンセプトに依拠した重量50tを大幅に超えることが判明し、履帯換装や装甲モジュール着脱無しの全備状態での主要幹線道路自走移動や架橋渡河許容性能が放棄され60t級のMBTとして開発が継続され採用に至った経緯を持つ。

KPZ70計画時の保険として半ば秘密裏に開発されていた105mm砲搭載40t級の試験開発車両を発展させて、ラインメタル製120mm滑腔砲搭載の50t級戦車として計画されたのが途中様々を経て60t級のレオパルド2となった訳だ。
当初50t級として計画した車体と砲塔であったから、計画通りに行かなかった設計に起因し急遽軽量化を意図して新設計し直された砲塔は車体とのバランスも悪く、旧来の装甲技術を継続使用し発展的チョバム・アーマーやモジュール装甲の採用などを構造重量的に見送らざるを得なくなった故にも「バランスが歪な駄作になるだろう」と云われたのであった。
当初計画された中空装甲は、A5型に発展する際に砲塔前面の楔形バルジ装甲(ビルジとも、出っ張りの意味)として必要に迫られて部分的に追加されることになった。

米国のM1エイブラムズの開発でもチョバム・アーマーに使用する複合素材の開発を断念しA1型当初は単純な重ね合わせ装甲で妥協され、後のA2型での構造変更再設計と共に採用に至る同様の経緯となった。

70〜80年代のチョバム・アーマーに関する先進国は最初に開発実用した英国であったが、簡単に真似できると踏んだ米国は失敗し、難しいと予測し中空装甲という別方式を採ろうとした西独は米国の我儘によって適当な開発が叶わなかった。
実はNATOに纏わる兵器開発の裏話にはこんな顛末が少なくない…何やってんだかねぇ(笑)


レオパルド2A0から2A4までは量産先行試作を含むものの基本仕様に大差はなく、2A5ではAPFSDS弾と対戦車ミサイル対応として砲塔防楯周囲に楔形中空装甲を追加すると共にサイドスカートにも爆発反応装甲を追加することで20世紀末準拠の近代化改修が図られ、2A6では55口径120mmのDM53戦車砲に換装することで新型の多種砲弾を運用可能とした。
一言で言うならば、レオパルドシリーズはNATOの都合に合わせて造られたものであり、それに沿った技術思想の下に開発されたものなのだ。
その為の戦車砲を搭載し、その戦術構想に適う運用が想定され、それらに沿って訓練された乗員が操る。


戦車を自国単独開発の末に製造する上で困難な要素は、戦車砲、パワーパック(エンジンと駆動系)、砲安定装置を兼ねた火器管制システム、装甲構造の製造技術、それらを実験評価し反芻する事のできる全体的な組織機構、が主である。

前世紀まではその中でも運用を左右する難しい要目は戦車砲とパワーパックに装甲構造車体と併せて火器管制システムであり、これらを独自開発するだけでなく維持管理整備する体系を構築する技術と並立した戦術運用形態が揃って初めて真艫な機甲軍を形成可能と出来、今世紀にはネットワーク・コミュニケーションを介した戦闘形態を考慮することが最大要目にもなった。

レオパルド2A7+やM1エイブラムズA2などは、これらの要目を順次ソックリ転換されたものともいえるだろう。


その点に限れば、英国戦車であるチーフテン→チャレンジャーなどは、少し違う英国に合わせた特性を持つ正統的な戦車と見ることも出来る。

EUにおけるブリグジットにも見られたように、陸続きでない島国の英国の安全保障政策は多少独自路線であるが、要因はそこにだけはない。

戦車開発第一の要素である戦車砲は、カノン砲発展の経緯が海賊に発端する軍艦で主に急激に進んだことからも戦車砲開発先進国も英国だったのである。

この為、西側戦車には1980年代(第3世代)まで英ロイヤルオードナンス製のライフル砲である105mm L7〜L11系列が主に使用されてきた。これは高射砲から流用された米軍の90mm T7(第二次世界大戦でのM4シャーマン)が、口径の小さな84mmであるロイヤルオードナンスQF20ポンド砲(英センチュリオンの戦車砲)と比較しても大して優れなかった事に起因する。

105mm L7は、このQF 20ポンド砲の口径を拡大しただけにも等しい発展型でもある。

現在の様にコンピューターが高能力小型化するまでは、旋条により砲弾を旋動させるライフル砲の弾道の方が遥かに命中精度が高く、このライフル砲の開発製造のノウハウを最も持っていたのが英ロイヤルオードナンスだったからとも言い換えられる。

コンピューターの高度な発展と戦車砲弾種の多様化や戦車砲からのミサイル発射の優位性が確立した120mm滑腔砲が主力となる(第四世代以前)までは、105mmライフル砲によるAPFSDS弾の独壇場でありその射程距離は1.5km未満程度であった。

第二次世界大戦以後、HE弾(High-Explosive shells)と呼ばれる対陣地対歩兵及び対軽装甲が主用途で爆散する破片を用いた面制圧の榴弾と、AP弾(Armor-Piercing shells)と呼ばれる硬質な弾体を高速で当てることにより敵の装甲を貫徹する徹甲弾の混用が戦車砲の標準であったものが、主にはタングステン鋼で芯材を構成発展したAPCR弾(Armor Piercing Composite Rigid)と呼ばれる硬芯徹甲弾の高度化や、メタルジェットによるモンロー/ノイマン効果を用いたHEAT弾(High-Explosive Anti-Tank shells)と呼ばれる成形炸薬弾が登場し、戦車車体の装甲に対する考え方も変遷した。

第二次世界大戦直後までは、装甲を傾け避弾経始と呼ばれる効果を用いて「着弾から装甲板を侵徹する距離を実質的に伸ばす」ことで侵徹容積を増大させて砲弾の運動エネルギーを吸収し対抗性を高めた方式が主であったが、HEAT弾が一般化し歩兵が携行するロケット弾にも利用されると従来の鋼板だけによる装甲では脆弱であり戦車車体は大型化する砲塔と共に大きくなり45tを超える車体が一般化した。

これは、800馬力級のバワーバックが必要とされる要因ともなったが、同時に艤装補機類や乗員の操作に必要な空間容積が必要以上に狭まりかねずに更に大型化を招くことにも成った。

この過渡期に採用された戦車がレオパルド Ⅰ (第2世代MTB)であり、その砲塔には鋳造法を併用した避弾経始装甲が採用され、ほぼ機械式の砲安定装置の肥大化はその容積を圧迫して「105mm砲弾であれば人力装填で良い」との考え方から自動装填装置の採用は見送られた。

しかし、自動装填装置を採用しないことは砲弾格納スペースを自動装置化しないことも含まれ、多様な弾種や装薬量の(カートリッジを選択などした)調整は装填手の煩雑な作業手順と空間の狭さに起因する危険性を常に内在すると同時に、人的コストが装填手1人分余計にかかることも合理化出来ずにいた。


他方でソ連戦車は第2世代以降半自動装填化が図られたが、これは高度なノウハウを必要とする大口径ライフル砲開発技術に劣ったために「更なる大口径化と弾速の高速化がし易く貫徹能力を高められる滑腔砲を採用せざるを得ず」、その有効活用のためには大きな装薬量が必要となり装填手が弾体と装薬の2つの重量物を扱うことが難しかったことに拠る妥協策でもあった。

初期に採用された半自動装填装置(装薬の装填は人力で行う物)は変則的な規定射角と俯角に戻さねば動作できないという設計欠陥的な大きな弱点もあったが、後に改良され更に半自動から完全な自動装填機構に改められると「装填手が不要となる上に連発速度と弾種変更速度が向上」した(ただし、この実現により低シルエット化の為に更に小容積化が進められ回転式で車体部に半潜状態で設置された弾薬庫は砲塔旋回支持機構と一体的支持構造を採って合理化を図った結果、被弾時に砲塔と車体の隙間を破って侵入した高温ガスに因る砲弾誘爆を起こしやすいというソ連戦車特有の弱点を作ってしまった←中東でのT-72が有名)。

滑腔砲の弱点は弾道の不安定による命中精度の低さであり、これの妥協的対策には弾速の高速化と弾体形状の緻密な改良設計が有効であり、弾速向上は貫徹能力を高める主要因であるら有力視された。
最終的には砲弾を有翼化することで高速安定弾道を実現したAPFSDS弾にまで発展し、こうした弾種と共にミサイルの発射を行うには105mmライフル砲では難しく、ライフル砲の120mm級への大口径化は熱の問題から困難極まるとも考えられた。
ソ連戦車の滑腔砲は115mm口径に始まり後には125mmに拡大されたが、これは対空ミサイルと対戦車ミサイルを滑腔砲で発射するには大経の方が機械機構的に誘導機能を砲口から射出した直後に展開させるシステムを格納するのに優位だと考え出された事で西側の120mmよりも5mmほど直径が大きく設計された。

第2世代MBTの時代には、光学機器と連動した機械併用の電気電子併用計算機による射撃統制に優れる上に弾道が安定するライフル砲を装備した西側戦車の長射程での絶対的有利(中東でのイスラエル軍戦車の活躍等)が目立ったものの、第3世代との過渡期になると様相が代わりつつあった。

APFSDS弾(Armor-Piercing Fin-Stabilized Discarding Sabot)と呼ばれる装弾筒付翼安定徹甲弾が一般化したことで飛躍的に戦車砲弾の貫徹能力が高まると同時に有線誘導ロケット弾を含む対戦車ミサイルが汎用的になると、数百mから1km近辺の射程で正対する事が少なくなかった戦車戦が一変しかねない状況になったのだ。


APFSDS弾に対しては、従来の戦車砲弾と同じく水平射弾道で着弾することから装甲強化か模索され、複合装甲の開発が進んだ。

複合装甲は、英国のチョバム・アーマーが発祥で、高硬度の鋼鉄装甲で表面を覆うのは従来通りであるが、装甲の構成を多層化して中間層に複合材による軟質なエネルギー吸収層や耐熱層を複数設けて砲弾の運動エネルギーの高効率吸収とHEAT弾で利用される様な超高温メタルジェットに対抗するものだった。

その複合素材には、セラミックを含有した焼結金属や樹脂繊維などを混在させたものなど多様な素材が多数用いられており、この組成や中間層の構成要件などを含む製造法は従来の装甲鋼板製造の冶金学よりも飛躍的に複雑で、一時代前までは化学的にも技術的にも先進的であった英国の開発が先行していた。

これを密かに真似しようとして失敗したのがM1エイブラムズの初期の開発過程であり、中空装甲という別のアプローチを試みて実現出来なかったのがレオパルド2でもあった。

便宜上、この複合装甲の合理的装備は第3世代MBTの要件でもあったことから、M1とレオパルド2の近代化改修以の型式は第2.5世代MBTとも呼ばれる。


一方で、有線ロケット弾や対戦車ミサイルの脅威の本質は「あらゆる角度から攻撃されかねない事」であり、これに正攻法で対抗することは総じて装甲を強化することに直結しか寝ず重量的に全く非現実的といわざるを得ず、爆発反応装甲が開発される経緯の1つともなった。

装甲内に爆発物を内在させて着弾に適宜合わせてこれを撃発し、その爆発のエネルギーによって敵弾の運動エネルギーを相殺するのが爆発反応装甲の思想で、HEAT弾に必要なモンロー/ノイマン効果に適切な物理的な位置関係などを確立させないこととAPFSDS弾のような高速で衝突する硬質な尖端の適切な入射の両方を阻害できる可能性があった。

それぞれに対応する装甲板を別途配置する場合と1つのバッケージに内在させる方式があるが、どちらでも装甲板の飛躍的な軽量化とそれに伴う配置の自由度の向上が最大の利点である。

この事は、戦車車体の全備重量を低減できる可能性とともに、従来よりの最大の弱点でもあった履帯(キャタピラー)周りの防護をサイドスカートの装着で強化する可能性と同時に、地雷や仕込み爆弾の様な変則的な攻撃に対する防護能力の向上可能性を飛躍的に増進できた。


第3世代MBTの一つの要件は、対戦車ミサイルなどや非対称戦術とも呼ばれる変則的な攻撃に対する靭性が能率的に確保可能な「モジュール装甲の実装能力」とされる。

レオパルド2ならば2A5以降若しくは2A7+がそれに当たり、M1エイブラムズならばA2が相当するとするのが一般的で、これらは先駆者ではなく後発組でもあり一時期世代的には英国戦車に先を越されたともされる。ソ連戦車であればT-80が第3世代に相当するとされる。



話は少し戻るが、有線ロケット弾や対戦車ミサイルの一般化で対地対装甲の射程距離は 2km〜3kmとライフル戦車砲よりも長くもなり、それまでの戦車砲に対する防御としての装甲の配置やバランスの重要点が変わるとともに、歩兵携行装備や対地攻撃ヘリコプターによる脅威度が激増もした。

第3世代の理念的要件の一つとしては、これらに十分に対抗して生き残れる事とも言い換えられる。

結果論的に、70t級で1500馬力級バワーバックを実装し自動追尾可能な火器管制装置とネットワークコミュニケーション能力に併せて多様なモジュラー装甲を実装し能率的運用ができること、とも為るが、これに拠れば我が自衛隊の90式や10式は第2.5世代超級に甘んじるとも出来るが運用条件を踏まえた能力と考えれば一概にはいえない。

戦術的戦闘環境に適合する為のMBTに求める要件が思想的に異なるからで、その原点は第2次世界大戦での独ソ戦におけるドイツ軍の駆逐戦車運用戦術ともいえ、ソ連機甲師団の常用戦術でもある機動転戦戦闘に対抗する手段が起点とも言い換えられる。

先に述べた「迅速な適宜展開による待ち伏せ前述」である。


第2世代MBT開発期における待ち伏せ戦術に適合化した設計思想の戦車には、代表的に我が国の74式、レオパルドⅠ、先駆的にスウェーデンのS型戦車などがある。

急峻で道路などが限られたり渡河の必要を迫られたり、森林などで効率的な進撃路が限定される場合などに多大に有効なのが待ち伏せ戦術であり、先に述べたように被発見性を定限する低シルエットや渡河能力や高機動力の要件である低重量が最大限に求められる事にも為る。

第2次世界大戦期のドイツ軍は、可動旋回砲塔を持たない突撃砲とも分類される駆逐戦車を用いて高速機動転戦するソ連のT-34に対抗したが、これにソックリなのがスウェーデン陸軍の第1.5世代MBTに分類されることさえもあるS型戦車で、油空圧機構によってマイナス俯角を大きく取れる代わりに砲旋回機能を限り無く制限して砲塔を廃止することで最大限に低シルエット化を企図した戦車である。

我が国の74式は、同じく油空圧機構で高マイナス俯角と最低限度のプラス俯角を確保しつつ砲安定装置の最小化に伴う小容積の旋回砲塔を実現しつつも40t級に収める事で主要幹線道路の橋梁通過と鉄道輸送を実現しつ高機動性を両立した。

レオパルドⅠは、設計の最適化によって森林地帯での待ち伏せに敵視つつも妥協的に平坦部での運用にも耐えるバランスを実現した。

それぞれの国情により、スゥエーデン陸軍は地形的に国境からの戦車を尖兵とする敵軍の侵攻を地形を利用して少ない予算と人員で独自に防げる限定的必要性から(平地が極端に狭く防空と機甲侵入防御が中心となる)、自衛隊は北海道を主にしてその地形を活用しつつ緒戦での上陸敵機甲師団の短期急進を限られた予算と人員に併せて貧弱な兵站システムの下で遅滞防御しつつ米軍来援までの時間を凌ぐ為(基本戦略は空海による上陸阻止と合せた水際からの縦深陣構成)、西独は上記2国の条件の中間的ではあるが陸続きで防衛戦線

が長くならざるを得ない上に第2次世界大戦の経緯や工業輸出による経済大国というイメージからハズレくじを引かされ易いNATO陸軍の最前線、などと特質的であった。

対して米軍は全地球的に展開する都合や商売都合、英国は当時まで科学先進国でありながらも海外領土なども持つ経済的下降国で、仏軍などは単に政商と併せた各方面での高いだけのプライド?と戦間期と似た「どうせ本土は攻められないよ」という呑気に起因するかのような自信から来る?各所での暴発に対する戦訓を加味したとする(だけの?スペック重視な)基は国策国有企業体主体の輸出都合など…戦車を自国開発できる各国には共通しないそれぞれ特有の都合が合ったともいえる。

際立って特殊な存在はソ連であり、後に自国発に踏み切(らざるを得なくな)ったイスラエルでもある。


ソ連時代には、非現実的であっても現実的に見える様に「常に西側に侵略する姿勢」を保ったプレゼンスと、衛星国を構成するワルシャワ条約機構軍の配置バランス(近隣の輸出対象国=衛星国から逆侵攻されては困るし威厳も保たねばならない都合)、更には極寒の本土での最適運用性と量産性が発揮できながらも砂漠の友好国も抱え整備から訓練まで行えねばならない事などなど、これらを共産圏という限定される不都合な経済規模の下で実現出来なければならないという制約があった。


イスラエル軍は、各国の中東政策によって左右される提供元でありながらも常に敵に囲まれている現場運用の都合を満たさねばならない、自国の想定戦場に特化してでも使える兵器を最適投資で揃えねば成らない奇特な事情を抱えていた(いる)。

戦車に限って言っても、新品を売ってもらえないから中古の英戦車センチュリオンで数を揃えつつ鹵獲品や改造部品で延命化しつつ、広く開けた砂漠での野戦整備を伴う運用ではショボすぎた戦車すらもマトモに売ってくれなかった米国が突如新鋭のM60を供与してくれたかと思えば次期開発車は無理と言い出したり、フランスが売り込んできたかと思えば一方的な政治的都合をキレイごとというオブラートに包みつつ押し付けてそれまで主力で使用していた航空機まで込み込みでキャンセルしておきながらも「(こっそりと)フランス製じゃなければ横流しできるよ」と持ちかけて来たり…

西側諸国は信用できないけれど逆側には成り立ち上絶対に頼れない、という奇特さが建国以来繰り返し続いてきた事からも、自らの工業力をサービス業紛いの軍需産業で構築せざるを得ずに現状に至った。


平たく言えば、考え様に依っては、コンセプトデザインの段階から戦術用兵思想と戦略的環境要件を合理化して設計を満たし実運用される戦車は(貧弱な予算や開発始原ながらも)、ソ連時代からの系譜であるロシア戦車と、独自に苦難を乗り越えてきたイスラエル戦車位しかない、とも言えようし、ゴージャスな米軍のロジスティクスを失うととたんに運用性がガタ落ちしかねないのが2次側兵器郡とも言い換えられるかも知れない。

米陸軍が直接運用するM1A2エイブラムズやM2ブラッドレーでさえも、環境に非適合な整備不全で不稼働率が激増した例は少なく無い(笑)。

今世紀の米軍は、見かけからよりも激弱なのである。元々規模から逆算すると激強でもないのだけど…つか、弱いんだけど…(涙)


今世紀の米軍の弱さの要因は、恐らく半分以上は運用兵器の汎用性の低さと予算激減による人員の質の低下が招いているだろう事は、各所で指摘されているし意味不明な自己の多発で顕在化もしている。

同時にその米軍の予算圧縮は末端兵器の新規開発も停滞させ、M1エイブラムズの後継MBTは実質的には開発が頓挫しているも同然で、西側最新鋭MBTは旧世代を近代化改修したM1A2とレオパルド2A7+のままでもある。

勿論、世界的に新世代MBTがまったく開発されていない訳では無いし、既に実用化に漕ぎ着けている新世代車両も存在する。


NATO諸国の開発兵器は、そもそもがNATO軍での所定の運用法の範疇外での実力は未知数に近く、コソボでのレオパルド2A4中隊全滅と同様にM1エイブラムズやM2ブラッドレーにも高温と砂塵でメインテナンスが整わずに予定を大幅に超える不稼働車が出た話も散在し、西側兵器は開発時の想定戦場と違う環境で思う通りに運用できずにその度に追加対策された事例が少なくない。

(コソボのレオパルド2A4は違うものの)十分に訓練された兵站ユニットと戦車部隊のコンビネーションですらも不測の事態に悪戦苦闘する結果が多過ぎる程なのだから、促成部隊ではもっと酷いことが当然に予測できるだろう。


また、NATO軍の用兵思想は基本的に米軍に近くなりがちで航空優勢を前提とした空爆先行の後に展開する陸上兵力もまたそのエアカバーで護られることを前提としており、戦略構築の段階から戦術形成までが各国独自の国土防衛を除けば世界的に展開する米空母打撃群が無いと能力が半減しかねない。

その上で、陸上戦闘は正攻法の

戦線構築からの進撃を基本とした運用配置でロジスティクスと伴う航空輸送拠点展開構想も並行しているし、空軍展開の形態も変わりがない。その為、STOL(short take-off and landing、短距離離着陸)性能や不整地運用に野戦整備的な思想にも乏しいゼイタクな装備が少なく無く稼働率維持コストが高いし米本土や数カ所に限られる拠点整備によるダウンタイムも長い。

即ち、米軍の展開から遠い地域での現地運用性を著しく下げていて、これを理由にして輸入しない国家地域も少なくないのが近年までの前世紀末からの傾向でもある(航空自衛隊のF-X選定に米軍運用機以外が明確に候補に上がるのはその顕在化の一例でもある)。


極端な言い方をすれば、直接共に戦闘に参加してくれない場合の米軍準拠装備機材は、弾やアッセンブリ交換方式の定期オーバーホール部分と改修パッケージ程度は自国単体で製造・調達出来ねば危うく、能力の原資の大部分はそれに起因しかねない電磁装備であるから尚更に危険度を助長しかねないとも言えるだろう。


例え自国開発生産であってもNATO軍が装備する兵器ならば事細かなNATO外への輸出制限付帯契約があり、都度契約を結んでは新形式として製造されることが殆どで、これも又世界的に採用され難い要素でもありこれを避けたい場合にはロシア製を直輸入するかノックダウン・ライセンス生産するか…イカガワシイ裏道経由で欧米諸国の息のかかった政商団体経由で都度可能な選択肢からボッタクられつつ買うしか無い(東アジア・中東・アフリカやらで謎の兵器を見かけるのはこうしたルートに依るし、北やらウクはその有名経由どころで大概は仏英米独の資本が絡むところも経由している事が殆どらしい…中国兵器はリバースエンジニアリングというよりもそんな歪経由で入手した技術ドロボーコピーが少なくない…まぁ冷戦時代にはその逆ルートでソ連に様々流れてたんだから、なにかまココムしてますか?だよ正負裏予算絡みかよ大したセキュリティだなソーケーって感じではあるが)。


ブッチャケルと…

イラン物たくさんついてて高いし、使えるようになるの大変だし教育費も又高いし、維持管理費も高くて修理改修はもっと高いし稼働率維持コストも高くつくから壊れたら捨ててやろうかって感じで、都合の良い時だけサービス良い事もアリ得るけど後で高くつくし、使い難いし要望は聞いてもらえないし事故は大概自己責任だし裏には売り手側の重大過失が隠蔽されてたりもフツーだし、オッカナクッてカイタクねーよーぉ😱

ってのが対等に近い水準では交流できない戦諸国以外にとっての西側兵器の大半に対する心象風景😅

「合衆国の友となるのは命取りになりかねん」とは、キッシンジャー御自らの言葉(爆😱)

独の情報期間もコエェくらいに優秀だと世界的には云われるけど、どーなんだろーねー、ホントならばレオパルド2シリーズ輸出版ってのも相当ヤベーんかもね💦

M1A2とレオ2って目立たない好くない話を良く目にするのぉね😅


まぁ、レオパルド2A4以降型がNATO軍的に優れた兵器であったとしても、どこで誰が使っても最強というわけではないのは確かだろう😭🤤


今日はワシがロールアウトした日らしいけぇ駄文長文投稿してみたゃ🤣

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