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ノーコンパイロット

私は自分のことを操縦するということが誠に不得手であ
り、それは、言うなれば、人生ずっと運転が安定しない
絶望まっしぐらの飛行機に身を任せているようなもので
ある。

その要因の1つとしては、己の腹の弱さが挙げられる。
今日こそは一等優秀な自分でいたいと願う試験やデートの日に限って腹の奥の方が駄々をこね始め、私はそれの機嫌をとりきれずに持て余し、結局は冷たいお手洗いに張り詰めた表情と共に通い続けるのである。

今日だって、本来ならば楽しく遠出をする予定であったのに、それをどこからか聞きつけた私の腹は、出発のおよそ二時間前から例にもれずぐずり始め、出発を五時間遅らせる羽目になった。


これは本当にどうにかしないといけない。
整腸剤漬けになるか?医者に世話になる気はない。

切実である。

どうにか己をまちまちに優秀な操縦者として教育し、2年後くらいには若干でも信頼できる飛行機に乗っていたいものである。

人生、ままならないのだから。

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