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羽生結弦選手単独東京ドーム公演「GIFT」感想⑥【いつか終わる夢~Notte Stellata】

羽生結弦×マトリックス

黒いロングコートの羽生選手は発狂しそうなくらいかっこよかったです。(私、危ない人?笑)

スタイリッシュな映像が続きます。
これも声を大にして言いたいですが、白い背景の中黒いロングコート着た羽生選手が延々と歩く動画という、この上なく極上の映像を撮ってくださった方に感謝申し上げたいです。

すごくマトリックスぽいなと思ったのですが、私だけでしょうか?
似た感じのシーンがあったような気がするのですが。
真っ白い空間で黒いロングコートのネオとトリニティが会話している場面…。

画面左側から羽生選手が一人、二人、三人と連続して現れた時の私の頭の中、大変なことになっていました。
一人でもドキドキするのに複数人出てきちゃって私は一体どうしていいのやら(どうにもならない)。

眠れない夜に羊を数えるんじゃなくてあの映像を思い浮かべようかな。
いや、ますます眠れなくなりますね。

黒いタートルネック着てましたよね?
あの羽生選手が着てるタートルネックを私が着たら、もっと首が埋もれるしなんなら布が余って女子高生のルーズソックスばりに何重にもなると思うんですけど、羽生選手は埋もれるどころか軽く首元が見えてるくらいでした。

同じ人間とは思えませんね。
首なっが!長すぎる!と思いながらまたマスクの下であんぐりと口を開けて見ていました。

黒コートの羽生選手に翻弄されてうっかり物語もスルーしそうになる中、羽生選手は重要なことを呟いていました。

「夢は、覚めなきゃ」

「夢は、終わった」


ここでステージ暗転。

暗闇の中、羽生選手が出てきたようですが何をしているのか私の席からは見えません。衣装も何も見えなかった。

そしてここで、聴き覚えのあるイントロが。

それを聴いた時、私の涙腺は崩壊するのでした。

いつか終わる夢、ふたたび

嘘でしょ。
まさか。
まさかまた「いつか終わる夢」をやってくれるだなんて…!


あの海の色みたいな衣装で、リンクのプロジェクションマッピングを纏いながら雄大に滑る羽生選手。

涙があとからあとから溢れ出て、リンクを見ることができませんでした。
せっかく再演してくれたのだからしっかり見ないと!と一生懸命見ようとするのですが、すぐ視界が涙でいっぱいになって、ちゃんと見ることができない。
涙を堪えるのが難しかったです。

「いつか終わる夢」、大好きなんです。
このプログラムへの愛は、過去記事に2回程書いています。

私は、「いつか終わる夢」は叶わなかった夢への苦しみを浄化して、新たな夢へと踏み出す儀式みたいなものだと捉えていたので、もしかしたらプロローグで演じたのが最後なんじゃないかと思っていたんです。
でも一方で、いつかどこかで再演してくれることを願ってもいた。

それが、こんなに、こんなに早く叶うだなんて。

東京ドームという特別な場所でふたたび見ることができた「いつか終わる夢」、

美しかった。
ただひたすらに。

氷上を舞う異界送り。
見ている私の心を浄化する、聖なるプログラム。

大好きなFF10のゲーム音楽にのせて、羽生選手のスケーティングと幻想的なプロジェクションマッピングを堪能するという贅沢な時間は、
儚い夢のように、あっという間に終わってしまいました。


考えてみれば、このプログラムはMIKIKO先生が演出したプログラムですし、
プロローグを現地で見ていないけどGIFTでは見られる、という人も多かったはずなので、
GIFTでの再演は十分考えられることでした。
私の予想は間違っていたけど、これは嬉しすぎる誤算。

横浜初日でこのプログラムをひとめ見て大好きになって、どうしてももう一度現地で見たくて八戸行きを検討していたくらいですから。
結局八戸には行けませんでしたが。

やっぱりこのプログラムはプロジェクションマッピングと共に見るのが最高です。
リンクの中に作られた異次元空間を羽生選手が滑っているというあの現実離れした感覚は、リンク全体を見て堪能できるものだと思うからです。

「いつか終わる夢」の再演、
これは私にとって最大級の「GIFT」でした。

ありがとう、羽生選手。
もう一度「いつか終わる夢」を見せてくれて、ありがとう。
この身に受けた感動、いつまでも忘れたくありません。

(ちなみに後日談ですが、ディレイビューイングで「いつか終わる夢」を見た時はドームで見た時よりも号泣しました…)


いくつもの才能

黒タートルネックの羽生選手がスクリーン中央に現れ、独り語りが始まりました。
ずっとカメラ目線でセリフをしゃべっています。

羽生選手の語りに、ときどき話しかけてくる自然の声(星や月や花たち)が入るのですが、これも声優・羽生選手が声音を変えて演じています。

この独り語り、カメラ目線だし、特にカンペを読んでいるようには見えませんでした。
それに私はものすごく驚いてしまって。

セリフがとにかく長いんです。
だから、これだけの量のセリフをカンペなしで語っているとしたら、これはもう「俳優・羽生結弦」ですよね。

映像が途切れているようにも見えないし、一発撮りだったとしたら、これはもうとんでもない人だなと。

一体いくつの才能を持っているの?
羽生選手はスケーターであり、声優であり、ダンサーであり、俳優?
そうだ、忘れちゃいけない。この「GIFT」の製作総指揮も羽生選手だ。だからこの才能の中に「プロデューサー」というのもつけなければならないですよね。

天から彼に与えられたいくつもの才能、
「彼はGiftedだ」という人もいます。

でも、それは私は半分は当たっていて、半分は当たっていないと思います。

羽生選手は、もがき苦しみながらも、皆の期待に応えたいから、本来の自分以上の力を発揮することができる。
持って生まれた才能プラス、それに甘んじない努力ができる人だから、自分の可能性をどこまでも広げられる人なんじゃないかなと思います。

この長ゼリフだって、本当に凄い人だなと思うけれど、きっと陰でたくさん努力して覚えたんじゃないかとか、一生懸命練習したんだなとか、そんな風に思う自分がいます。
曲がりなりにもピョン堕ちして5年も羽生選手を応援してきて、彼が何事にも全力投球なのを見てきたからそう思うのです。

「ガラスの仮面」という有名な演劇漫画がありますけど、私は羽生選手は「姫川亜弓」タイプだと思うんですよね。
「北島マヤ」みたいに本能でこなせる天才タイプではない。
ひたすら一生懸命頑張って、汗まみれになって練習するからこそ完璧になれる「姫川亜弓」の努力型タイプと似ているんじゃないかなと思うのです。

Notte Stellata

ここでノッテステラータがきました。
このセトリにも驚きです。
3月に宮城であるアイスショー「Notte Stellata」にて上演されるものとばかり思っていたからです。
ただの私の勝手な思い込みだったのですが、ノッテステラータは3月に宮城で見られるものだとばかり思っていて、思ってたよりも早く見られることになって正直なところ心の準備が追い付かなかったです。

でもこれが、羽生選手が紡ぐ「GIFT」という物語の締めに相応しい曲なのだろうと思いました。

優しい優しいこの曲は、全てを包み込む愛で溢れていて、まさに羽生選手から私たちへの贈り物でした。

後ろ向きで片足で滑って、両手を大きく後ろに挙げる、あの場面が大好きです。
もう、白鳥そのものにしか見えないです。
羽生選手、綺麗だったなぁ。

プロジェクションマッピング、映像も格別に美しかったです。

今でも思い出します。
あの時私は、初めてドームの天井を見上げたのでした。
ステージじゃなくて天井を見上げたのはノッテステラータの時だけだったかもしれません。
そこで私が見たのは、羽の形をしたたくさんの光たちが、観客席に降ってきている光景でした。

まるでスノードームの中にいるみたい。
スノーじゃなくて、フェザードームとでも言うのかな。
私はあのたくさんの光たちがみんな羽に見えました。

キラキラと光って、揺れて、回って…
羽がドームと羽生選手と私たちを包み込んでいました。

自然が作り出した景色は美しい。
でも、人が作りだした景色も、また美しい。
この景色のためにたくさんのスタッフさん達が動いていたと思います。たった一夜限りの特別な夜のために。

東京ドームに羽が舞う。こんな非現実的なことも、夢みたいなことも、
やってのける凄い人たちがいるんですね。


「続けていこう。
走っていこう。
GIFTを届けにいく旅を」
と語る羽生選手。
そのまま白鳥はゴンドラで宙に浮かんで、GIFTを私たちに届けるという旅のために飛び立ちました。

ノッテステラータが終わって、ステージが暗転。
シンクロライトが白く光りだしました。

「元気で毎日過ごしていますか?
つらい気持ちになっていませんか?
ひとりで悲しくなっていませんか?
どこにいても、
いつだっていいです。
疲れて心が干からびた時に、帰ってきてください。
こんなくだらない物語と、
とっておきの物語が、
ずっとここにいます。

あなたのこれまでとこれからの物語のために。」

観客たちのシンクロライトが、
暗闇に光る無数の星たちみたいに見えて、すごく綺麗でした。

そして、リンク上に羽生選手の手書き文字が。
「FIN.」と、物語の終わりを意味する言葉が綴られました。

ついに終わってしまった…。
寂しい。
でも、なんだか心はあったかい。
「帰ってこれる場所」
羽生選手の贈り物とは、そういう意味なのかなとぼんやりと思いました。


正直、現地で見ていた時は、物語の意味まで完全に理解できていた訳ではなかったので、ここまではあくまで現地で見た印象を中心に書いてきました。


この「GIFT」という物語、掘り下げれば掘り下げるほど面白そうです。
すでにたくさんの報道各社からのレポートがあるし、ネット上では皆さんそれぞれの考察が溢れています。

私も、物語についての自分なりの感想を、いつか機会があれば書いてみたいなと思います。

とりあえずNotte Stellataのアイスショーまでに、最後までGIFT感想を終わらせることが当面の目標です…!


続きます。


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