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ライビュで感じたあたたかい世界【RE_PRAY佐賀感想】
2024年1月14日。
RE_PRAY佐賀公演を映画館のライヴビューイングで見てきましたので、感想を綴っていきたいと思います。
ここ2ヶ月間の心境
前回のRE_PRAY埼玉公演(2023年11月4、5日)
から今までに、色々な出来事がありました。
羽生選手の周りで起きたことに心を痛め、理不尽なマスコミ報道に憤りを感じ、一向に状況が改善されない世の中に対する絶望感を何度も味わって過ごしていました。
いちファンである私が彼を心配したところで何も事態は変わらない事は分かりつつも、
どうしたって彼を案じる気持ちを止めることはできません。
だからこそ今回の佐賀公演はどうしても見たかった(現地応援は叶いませんでしたが)。
SNSの情報によると1月12日の公演ではあまりジャンプの調子が良くなかったらしい、とのことだったので
楽しみというよりもどちらかというと心配で心がザワザワするといった心境で、映画館に足を運んだのでした。
進化した内容
私が行った映画館では300席近くの座席が満席でした。
マスコミに好き放題言われようが衰えぬ彼の人気にホッとするような感心するような気持ちで席に着きました。
RE_PRAY本編が始まります。
白い布を被った羽生選手が登場したのを見た時、
私はそれだけで胸にジーンとくるものがありました。
羽生選手が動いてる。滑ってる。
2ヶ月前と調子が少しも変わらないように見えるオープニングや「いつか終わる夢」の演技が、少し私を安心させてくれました。
元気そう。
カメラを覗き込む仕草のシーンではあまりに美しすぎる顔が大画面に大映しになったものだから、思わず「ヒャッ」と声をあげそうになりました。か、顔がいい……。
映像も演出も演技もブラッシュアップされていて、
特に「鶏と蛇と豚」の演技は動きのキレが埼玉公演から明らかに進化していて
見ていてその迫力にただただ圧倒されました。
緊張の6分間練習と「破滅への使者」
そしてついに訪れた、6分間練習の時間。
佐賀公演の初日は調子が悪かった、という情報にどうしても気持ちが捕らわれます。
更に脳裏に浮かぶのは、
先日放送のあったRE_PRAYドキュメントでのシーン。
埼玉公演で「破滅への使者」を演じ終えた後の羽生選手が、舞台裏でとても苦しそうに崩れ落ちていたシーンです。
今日の身体の調子は大丈夫なのか。
怪我や病気だったらどうしよう?
その日の6分間練習は、いつものようにジャンプは飛ばずに体力を温存しているように見えました。
リンク上の彼を祈る気持ちで見ていました。
怪我なく無事に演技できますように。
羽生選手が満足のいく演技になりますようにと。
思えば、6分間練習の時にこんなに祈るのは、「GIFT」のリベンジロンカプの前以来です。
競技者時代の試合の時のように、心臓がぎゅっと掴まれているんじゃないかと思うくらい緊張しながら祈っていました。
プロ転向してから見る6分間練習も緊張はするのですが、試合前とほぼ同じ思いをしたのは「GIFT」とこの佐賀公演二日目でした。
緊張して冷たくなった手を握りしめながら固唾を呑んで見守っていました。
そして始まる「破滅への使者」。
冒頭のジャンプがパンクしてしまった時は思わず「あぁ…」と小さい声が出てしまいましたが、
後半の連続ジャンプ、最後の3Aが決まってくれて…。
終わりよければ全て良し。
3A、とても綺麗でした。
よく頑張った。
本当によく頑張ってくれた。
きっとものすごく精神も体力も使ったことでしょう。
だけど逃げずに挑戦してくれた。
見ているこちらの息が苦しくなるほどの緊張から解かれた後は、もう羽生選手への感謝の気持ちでいっぱいでした。
そして思いました。
私はやっぱり、アスリートである羽生選手の演技が大好きなのだと。
難しい技に挑戦する、より上手くなっていくために日々努力するその成果を見せてもらえることのありがたさ。
結果がどうであれ、目標をCLEARするために努力する。
日常を過ごす中ではなかなか感じられない達成感を、羽生選手の挑戦を見せてもらうことで疑似体験させてもらっているんだと思います。
だから、ありがたいのです。
達成感を得られれば、「次は自分も頑張ってみよう」「もっと頑張れるかもしれない」と思える。
自己肯定感をわずかに上げてもらえる気がします。暗示であったとしても。
羽生選手の努力のほんのかけらを分けてもらって、自分も頑張る勇気をもらえている、そんな気がするのです。
汗だくの春ちゃん
羽生選手の演技は本当に一期一会だなと強く感じられたのは、実はその日の「春よ来い」の演技でした。
「春よ来い」は何度も演じられているプログラムですし、幸運なことに何度も生で鑑賞していますし、正直そこまでの感動は無いかなと思っていたのです。
でも、佐賀公演ライビュで見た春ちゃんは何かが違っていました。
まず、春ちゃんの登場の仕方が
物語本編で「自由」を手に入れてウユニ塩湖みたいな湖の上で佇む時の主人公のポーズと同じだと気づき、鳥肌が立ちました。
モニターの中の人物が生身の人間として登場するという演出はやっぱりインパクトがありますね。
そして、お顔のアップが映し出された時、
春ちゃんは汗びっしょりでした。
そのお顔がとてもとても綺麗で。
可憐な春ちゃんの雰囲気には一見似つかわしくないような汗だくの姿に、プロアスリート「羽生結弦」としての魅力を強く感じたのです。
その後の演技は最高だったことは言うまでもありません。
何度も見ているプログラムであったとしても、
見る度に違う感情を受け取れる羽生選手の演技。
その魅力の真髄をまた見せてもらえました。
「ヨイショ」
その日のMCはかなり長く話してくれました。
ライヴビューイングやCS放送を見ている人達に対しても呼びかけてくれたのがとても嬉しかったですね。
アンコール「Let me entertain you」の前に「ライヴビューイングの方達も手拍子やコール&レスポンスしてください」と言ってくれたので、映画館の皆で心をひとつにして頑張りましたよ。
とても盛り上がりました。
何かの動作をする度につい「ヨイショ」と言いがちな羽生選手。
その事をSNSでイジられているのを知っているのか、
大勢の観衆の目の前でやっぱり「ヨイショ」と言ってしまったところが可愛くて萌え転げましたね。
「ヨイショって言っちゃダメなんだって…」とガックリしていたけど、客席からの「可愛い!」との声に「あ、ありがとうございます」と戸惑いながらお返事する羽生選手。
29歳男性が「可愛い」と言われて喜ぶはずがないとは思いますが、こういう素の羽生選手が見られるMCの時間はとてもとても貴重なので大歓迎です。
それまで話していたちょっと真面目なお話から一転、羽生選手の「ヨイショ」のお陰で会場じゅうが一気に和んでいたように思います。
そして、羽生選手が関わったスタッフさんへ観客と共にお礼を伝えるシーン。
そこで羽生選手はライヴビューイングや配信組に向けてもメッセージをくれました。
羽生選手の音頭で、佐賀公演の会場の皆さんも拍手してくれて…。
私の居た場所から佐賀は距離的にものすごく遠いのだけれど、
その瞬間はまるで自分も現地で見ているような、
グッと心の距離が近くなったような、
そんな気持ちになれました。
あの時、羽生選手が作り出した世界によって
「RE_PRAY」を見ている全て人々の心が繋がった。
なんて素敵なことでしょう。
アイスショーで感じる独特のあの一体感は、単独ショーならではです。
たった1人の羽生選手を皆等しく大好きなのだと感じることが、
私の心を満たし、癒やしてくれるのです。
印象に残った言葉
すごく今、制作チームと配信チームと運営チームとこうやってアイスストーリーという新しいエンターテイメントを作っていられるなって思ってて、
それって本当に特別な瞬間だなって思いますし、
こうやっていち競技者として、ひとつのスポーツを点数取るために勝ち続けるためにずっとずっと極めようと頑張ってきたことが、
こうやって今は表現として色々なものに進化していって、
もっともっとうまくなりたいって思えてるこの瞬間がホント幸せだなって思いますし、
(略)
コンサートに行っている時にシンガーに向かって「頑張って」って言うことって無いじゃないですか。
(略)
僕は、やっぱりこのスポーツっていうものをやっていて、
ひとつひとつ難しいことだったり体力的に厳しいこともちろんたくさんあるんですけど、
「頑張れ」って思ってもらえる、そして応援してもらってアスリートとして難しいことを、体力的に限界なことを挑戦し続ける場所があるっていうことが本当に特別だなと思うと同時に、
それが表現になってて自分が作りたいエンターテインメント、芸術に繋がっていける、それが本当これはアイスストーリーならではのことだなって思います。
今日今見てくださってる方々、そしてわざわざ来てくださった方々、そういった方々の中にももちろん
様々なバックグラウンドがあって、演技の受け取り方があって、
(略)
そういうひとつひとつの色んな感情が混ざり合う場所っていうのが、本当に幸せだなって僕は思ってます。
「幸せ」という言葉をまた使ってくれました。
それが私は嬉しくて。
そして新しい「アイスストーリー」というエンターテインメントのジャンルを見せてもらえている、私達観客にとってもこの瞬間というのは特別なことだな、と思いました。
制作総指揮である羽生選手はもちろんのこと、MIKIKO先生やRE_PRAYに関わる全ての運営スタッフの方々に、本当にお礼を言いたい気持ちになりました。
羽生選手のこの言葉や、
先程書いたライヴビューイングと配信組へくれた言葉により、
私もこの「アイスストーリー」の中の一員である、と感じることができました。
現地で声援を送るのも、
映画館から手拍子を送るのも、
それぞれの場所から配信で見守る人達も。
全ての人々の想いがひとつとなりこの「アイスストーリー」を形作っている。
それはとても、
「あたたかい世界」だなと思うんです。
あたたかい世界
昔から羽生選手を応援している人、最近ファンになった人、
スケートに詳しい人、詳しくない人、
ゲームが好きな人、
椎名林檎が好きな人、
きっかけが何であれこの「RE_PRAY」を見たいと思って見た人は皆、
それぞれが平等で、物語を自由に感じて良いんだと
羽生選手はそう言ってくれているのだと思います。
SNSでも、
ゲームファンの方々がたくさん考察を書いてくれて、
それを読んでより深く「RE_PRAY」の意味を考えたりもしたし、
このショーのお陰で人生変わったとか、
困難なこともあるけど勇気を出して一歩を踏み出せた、とか
私が「破滅への使者」で感じたことと同じような感想をたくさん見ました。
羽生選手とスタッフさん達が作り上げた「RE_PRAY」は、
非現実の世界です。
だけど、受け取った感動はホンモノ。
血の通った生身の人間として感じるホンモノです。
ここ最近私が感じていた誹謗中傷、裏切り、憶測が蔓延る「絶望」の世界とは無縁。
そこにはただひたすら、
「あたたかい」世界だけがありました。
「祈る」とは
「GIFT」の主人公は、みんなをあったかくするために「太陽みたくなりたい」と願っていました。
そして「RE_PRAY」での物語の終盤、主人公は降りしきる雨を「あたたかい」と感じます。
ここに、羽生選手の想いがこめられているように私は感じるのです。
雨つまり「水」とは、全ての生命(いのち)の源です。
「RE_PRAY」の中でも水の表現は随所で使われていました。
「いつか終わる夢」は水音から始まります。
紆余曲折あって「自由」を手に入れた主人公は、
「あの夏へ」の演技を経て水が示す方へ歩み、
「生きている」と感じ、
雨に打たれながら「希望」「夢」を祈ります。
そして汗だくの春ちゃんが祈る感動のラストシーンへと続くのです。
祈り続ける
いつか終わるとしても
夢の続きを 大切にする
光の糸が そばにある限り
何を考えても 何が苦しくても
本当にやめることを選ばない限り
続いていく
光とともに 明日はやってくる
道は分かれ続ける
どんな選択が待っていても
その先の未来に何が待っていても
ケツイをもって 生きていく
道に迷った時は 立ち止まってもいい
突き進んでもいい
と、思う 自信はないけれど
巡り巡って どこかに辿り着くように
いのちが 巡るように
いのちが 星に届くように
アイスストーリーの中に込められた巡る想いを受け取った私達は、
それぞれの生きる場所で
自分や周りへ「あたたかい」気持ちを巡らせていければ、
現実の世界も少しずつ変わっていくかもしれない。
星にも届くかもしれない。
もしかしたら、羽生選手の「祈り」の意図とは、そういうことなのかもしれないなぁと思ったのでした。
祈るとはつまり、生命(いのち)を削って生きること。
そこに希望や夢といったあたたかさを込めること。
誰かを想う気持ちを巡らせること…。
強いケツイ
羽生選手への誹謗中傷は、まだまだ止みそうにありません。
そのことに強い怒りを感じるし絶望もするけれど、私は負けません。
「RE_PRAY」佐賀公演で見た羽生選手とスタッフさんとファンの皆さん全てから想いを受け取って、
羽生選手をこれからも応援していくという気持ちが更に固まりました。
火のない所から煙を立てる炎を、
応援というあたたかい雨で消し去りたい。
同じ気持ちでいる世界中の仲間たちと共に、
これからも揺るぎなく
羽生選手を応援していきたい。
と、改めて強いケツイをした
今回の佐賀公演ライヴビューイングでした。
誰かのために生命(いのち)を削って生きていく羽生選手の未来を、希望を、夢を、
これからもずっとずっと応援します。
途中で止まっているRE_PRAY埼玉公演現地の感想をなんとか進めていきたいです。
あまりに時間が経ちすぎていますが笑
でもこれは自分の記憶を記録に残したいというためでもあるし、
私なりの応援の仕方でもあるし、
羽生選手が作り出してくれた「あたたかい世界」を少しでもシェアできたらなぁと思って。
読んで下さる方がいるかどうか分からないけれど、たった1人でも共感してくださる方がいればそれだけで私は嬉しいです。
いつかこの想いが巡り巡って、誹謗中傷で人が悲しむことのない世の中になりますように。
そんな世の中は来ない、甘ったれた考えだと笑われるかもしれない。
だけど私は信じている。信じたい。
この世に羽生選手という存在がいてくれるから。
世の中まだ捨てたものじゃないと思わせてくれる存在、
そんな人のファンになれて私は幸せだし、自分を誇りに思います。
終わります。
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