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【伝説】「真名野長者伝説」① 出会い

玉津姫
奈良の都の久我大臣に玉津姫という娘がいた。
姫は、顔形は整っていたが、顔一面にアザが出来ており、縁遠かった。
姫は、アザを治したいと、「三輪明神」のお告げがある事を信じて、「丑の刻参り」をはじめた。

お告げ
ある大雨が降る日の夜、社殿で雨宿りをしていると、「豊後の国に、炭焼き小五郎という者がいる。この者と夫婦になれば、末は長者になるであろう」とお告げを頂いた。
翌年2月、16歳になった姫は、密かに都を抜け出し、豊後の国へと下った。

白髪の老人
玉津姫と侍女は、ようやく豊後の国に辿り着いたが、日が暮れていた。
途方に暮れていると、白髪の老人が現れて、「そなたが探している小五郎は、よく知っておる。今夜は、わしの家に泊まりなさい。明日会わせてあげよう」とのことで、姫は老人の家に泊まる事になった。
その夜、姫は夢を見た。
豪壮な屋敷に沢山の待女がいて、皆んなで姫を労わった。そして、アザがとれる水があることも教えてくれた。

つづく

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