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【伝説】

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たまたま行った、大分県豊後大野市にある内山観音。 そこに伝わる伝説に魅了されました。 これからも色々な伝説を小説風に記録していたいと思います。
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#流鏑馬

【伝説Re:03】「真名野長者伝説」⑤山路の正体

BGMを聴きながらお楽しみください 山路は、立派に流鏑馬の古式を披露し放生会は滞りなく行われた。 そして、般若姫の婿となり、しばらくの間般若姫と山路は幸せに暮らした。 家族全員が参加している般若姫ご懐妊お祝い会の席で、突然「八幡神」が出現し「皇子よ早く都に戻るのだ天皇が危篤だ」と告げた。 長者も般若姫もその場に居た全員が驚いた。 山路の正体は、欽明天皇の皇子、橘豊日皇子(後の用明天皇)だった。 山路は、いや皇子は、般若姫との別れが辛かったが、勇気を出して言った。

【伝説Re:03】「真名野長者伝説」④般若姫伝説へ

BGMを聴きながらお楽しみください 般若姫誕生長者夫婦に可愛らしい娘が生まれ、玉世姫と名付けられた。 姫はすくすくと育ち、とても美しい女性になった。その噂は、都にも伝わった。 姫は、内山観音の申し子として、「般若姫」と呼ばれるようになった。 山路 (さんろ)ある日、長者の館に奉公人として働かせて欲しいと熱心に頼みに来た青年がいた。 名を山路と言った。 山路は、普通の人と違う何かがあった。 奉公人の管理人は、人手が不足してたこともあり山路を雇った。 山路の仕事は、草刈りと