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母との思い出を抱きしめる

ー大好きな母に捧ぐー

母の亡くなった日からもう10年が経った。

もう10年、まだ10年、どっちだろう。

あの時私は17歳で高校3年生の春、

これから進路という大きな決断に迫られてる時

静かに家庭崩壊した。

母という存在は家族の中で大きくて

絆創膏のような役目をしていたんだと

今になって感じる。

母のことで家族全員が振り回されたけど、

だからこそ家族として団結してた。

絆創膏がなくなってしまって傷がひらいた。

高3の半分は家に帰らず

姉の家から、友達の家から、ネットカフェから

学校に通った。

今まで力を入れてた勉強を高2の後半から捨てて

朝も夜もバイトして授業中全力で寝て

どうにか自分の力で生きていけるように

早く家族から離れて生活したい。

そればっかり考えた。

そうやって自分の中の憎悪が増していくのが怖かった。

母の死を無駄にしてる気がして、

その度自分は何も成し遂げてないと責めて

段々と自分の首を絞めていった。

そうしてるうちに本当に文字通り、

自分の首を絞めたことがある。

その時しっかり母の死と家族と向き合おうって

ぎゅっと自分を抱きしめた。

振り返ってみる。

病院泊まり込みで看病して夜中の病院が怖かったこと。

夜中に体が痛くて苦しそうな母の泣き声も。

母の最期をみんなでベッドで囲ったこと。

棺桶に入る母にお化粧したこと。

お葬式で泣かないって家族で約束したのに

速攻で破ったこと。

怖かったこと全部覚えてる。

でも嬉しかったことも全部覚えてて。

母が亡くなる少し前に好きなアーティストが

来日するのに一目でいいから会いたかった。

東京に1人で弾丸旅行に行きますというと

家族が猛反対する中、母は「行っておいで」と

言ってくれたこと。

(おかげでKaty Perryに会えたよ✌️)

人と違うことに自信がなくなった時、

必ず「さりちゃんらしくてそのままが可愛い」と

背中を押してくれたこと。

病気になってもおしゃれを楽しむ力。

他にもたくさんあって。

私が母になってから

母のくれた言葉や行動に対して

すごく尊敬と理解できた。

今年は少し母に近づけた気がする。

母が私に贈ってくれた「あなたらしくそのままで」を

息子に伝えれる。

母から感じ取った想いを後世に繋げる。

私が今できること。

これが私の中の最大の敬意。

10年経ってやっと前を向けた。

しっかり辛かった過去の自分を抱きしめた。

人それぞれ立ち直り方、乗り越え方は違うけれど、

少し誰かの励みになったら嬉しいなあ。

いきなり全部抱きしめようとしないで。

一つずつ少しずつ。一歩ずつ。

あなたのペースでね。

サムネイルの写真は母と私と姉。

弟はまだお腹の中。

長い間シングルで育ててくれた母ありがとう。

今なら心底共感できる。母の頑張り。

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