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コロナワクチン接種後の心筋炎・心膜炎の発生状況について(厚生労働省の煽りパンフレットの検証)

「15歳~39歳の男性がコロナに感染した場合、心筋炎・心膜炎が発症する割合は100万人あたり834人と記載して、この世代の男性がコロナワクチンを接種するよりも新型コロナに感染する方がリスクが高い」というワクチン接種を煽る厚生労働省のパンフレットがあります。
 心筋炎・心膜炎の発症が「新型コロナウィルス感染症にかかった場合」と「ワクチンを接種した場合」の比較で明らかに間違っているのは、「コロナ感染者の入院患者」を分母にして心筋炎・心膜炎発症者の割合を計算している点です。
 「ワクチン接種した場合の心筋炎・心膜炎発症者数」と比較するならば、「コロナに感染して入院した場合に心筋炎になる」と比較したのでは、コロナ感染者より少なくなる入院患者を分母にすると心筋炎・心膜炎の発症率が当然高くなるので、比較の対象が公平ではありません
 病院の医者や専門家は「入院患者」のうち何人心筋炎・心膜炎を発症するか知りたいのかもしれませんが、私たちが知りたいのは、コロナに感染していない私たちが、どのくらいの割合でコロナに感染し、また感染したら、どのくらいの割合で入院し、そのうち何人が心筋炎・心膜炎を最終的に発症するかという点だけです。
 国内の一定期間内の15歳から39歳の男性で新型コロナに感染して心筋炎・心膜炎が発症した者の人数が判れば、「国内の15歳から39歳の男性の総数」で除することにより、「新型コロナウィルスにかかった場合の心筋炎・心膜炎の100万人あたりの発症者数」を算出でき、公平に「ワクチン接種した場合の心筋炎・心膜炎の100万人あたりの発症者数」と比較することができます。
 その結果、厚生労働省のパンフレットに、コロナに感染した場合に心筋炎・心膜炎が発症する割合は100万人あたり834人と記載していますが実際は4.5人程度という推計結果になりました。
 計算の詳細は添付EXCEL「心筋炎(パンフ比較2022年4月)」に示しています。

厚生労働省の「コロナに感染した場合に心筋炎・心膜炎が発症する割合」の数値修正

 心筋炎・心膜炎が発症する割合は100万人あたり834人という根拠になる2021年5月31日時点のデータを提出していますが、このデータは15歳~39歳男性のデータで副反応検討部会で委員から「データが30代を含むのはどうなのか」という質問があり、2021年9月28日時点の10歳~29歳男性が心筋炎・心膜炎が発症する割合のデータを公表しています。
 このデータでは、調査病院数を922施設から771施設に減少させ、年齢も29歳までとしたのは良いけれど、下は15歳から10歳に下げ、心筋炎・心膜炎発症者数が100万人あたり800人台に維持するよう調整した疑いがあります。
詳細は添付EXCEL「心筋炎(パンフ比較2022年4月)」に示しています。

 この2021年5月31日時点のデータと2021年9月28日時点のデータから、武漢型+アルファ株蔓延時とデルタ株蔓延時の心筋炎・心膜炎発症者数を確認することができ、デルタ株蔓延時の心筋炎・心膜炎の発症割合武漢型+アルファ株蔓延時の心筋炎・心膜炎発症割合より7分の1ほど、減少していることがわかります。
 弱毒化しているオミクロン株に至っては、心筋炎・心膜炎の発症割合はこれよりももっと減少していると思われます。

武漢型+アルファ株蔓延時とデルタ株蔓延時の心筋炎・心膜炎発症割合の比較

 次に、2022年4月13日のワクチン副反応検討部会に2021年12月6日から2022年3月20日までの心筋炎・心膜炎の新たなデータが追加されましたので、これを元に厚生労働省のパンフレットの訂正版を作成してみました。
 このパンフレットによるワクチン接種による心筋炎・心膜炎の発症割合は2021年10月3日時点のもので、2022年3月20日時点では心筋炎・心膜炎の発症割合は2.2倍から10.7倍に増加しています
 データが古くなり2倍から10倍の乖離が発生しているパンフレットを未だにホームページに掲載しているのは問題があると言うより、上記のことからしてワクチン接種を煽るため故意に掲載しているとしか思われません。
 グラフ作成の計算は添付EXCEL「心筋炎(パンフ比較2022年4月)」に示しています。

2022年3月20日時点の心筋炎・心膜炎の発症数(人/100万人あたり)

 また、全国の医師からワクチン接種による心筋炎・心膜炎発症の報告が厚生労働省に上がってくる訳ですが、心筋炎・心膜炎のブライトン分類レベルという分類によってレベル1~レベル3は心筋炎・心膜炎に分類されます。
 ブライトン分類レベルでレベル4(心筋炎・心膜炎と報告されたが,十分な情報が得られておらず、症例定義に合致すると判断できない)になると心筋炎・心膜炎含まれないとされます。
 この割合は2021年12月6日~2022年3月20日の期間のファイザーと武田/モデルナの心筋炎・心膜炎発症の報告247件のうち66%に当たる163件がレベル4に該当し、心筋炎・心膜炎に該当しないとされています。
 厚生労働省の医官の判断によって心筋炎・心膜炎に分類されなくても、現場の医者の診断によって心筋炎・心膜炎が発症したとされるものが厚労省の分類より2倍以上あることを知っておく必要があると思います。

ファイザーワクチンのブライトン分類による分類
武田/モデルナのブライトン分類による分類

この投稿作成の詳細は下に添付したEXCEL「心筋炎(パンフ比較2022年4月)」に示しています。


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