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【CS準優勝】黒単デスザーク解説

はじめまして、しゃいせと申します。

12月13日のコンプオフ山室CSにて、黒単デスザークを使用し準優勝という結果を残すことができました。

先週は僕だけでなく全国各地でCS入賞が報告されており、メタ読み、環境がハマればまだまだ一線級のデッキということが証明されたといえます。

さらに来年から始まるオリジナル環境での活躍も期待されており、握ってみようかな? と考えている人もいると思います。あとなによりカッコいい

そんなデスザークですが、環境から姿を消した2年ほどの間に、強化といっていい数枚のカードを得ています。ただしデュエマ史上例を見ない程の極端なテーマデッキという特性ゆえ、純粋な入れ得カードというものは少なく、依然として構築、プレイ共に深い思考や状況判断が求められるデッキです。

この記事では環境デッキに対する立ち回りを中心に、各カードの解説をしていきます。この記事を読んでくれた誰かが、新しいデスザークの強さ、魅力に気づき、週末の相棒にしてくれることを願っています。



1.構築と当日までの環境

まずは先日僕が握ったリストと戦績になります。

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直近に結果を残していた各種バーンメア、ドラグナーに加え赤白系のメタビートが多く見られ、上位卓ではそれらを突破したコンボデッキ及びコントロールがソリティアを押し付けあう大会でした。

デスザークにとっては厳しい展開でしたが、幸い本戦4回戦のうち2回が有利対面だったためこの結果だったといえます。はっきり言えば当たり運が良かっただけであり、旧環境においてこのデッキの立ち位置が相当厳しかったことには間違いありません。

しかし殿堂施行によりカリヤドネ、ギャラクシールドといったガン不利対面は姿を消し、次環境はバーンメアや赤白ヴァイカー、白単絶十など、デスザークにとって分の良い勝負へ持ち込めるアーキタイプがトップTierの多くを占めるだろうと予測されています。



2.各種カードの解説


・堕魔 ドゥリンリ ×4

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CSなどの競技大会にこのデッキを持ち込む前提として、ドゥリンリを投げた返しに負けない環境であることが挙げられます。

デスザークは序盤のハンドキープがとにかく苦しく、次のターン死ぬかもしれないから、なけなしの4コスト(このデッキの4コストは全部強い)をマナに置いて2コスト(デュエプレしかいない)を召喚することがザラにあります。

しかしドゥリンリをキャストすることで、それ以降は除去やハンデスにターンを使っているあいだも墓地が肥え続け、ドルスザクが墓地に落ちた場合は手札のドルスザクをマナに置くという選択肢が生まれます(=事実上の1ドロー)。ただ墓地を1枚肥やすだけのウィニーが、後続のバリューを底上げし、ハンドキープを容易にしているのです。

見方を変えれば、このカードが否定される環境(4cデイヤー、カリヤドネ、ラッカドラグナーあたりがいたので1年ほど続きました)は黒単デスザークというアーキタイプそのものを否定しているといっても過言ではなく、それがはじめに書いた前提に繋がります。


・堕魔 ザンバリー ×3

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メタビートへの回答として、ザンバリーを3枚採用しました。

メタビート側は序盤にプーンギやセンノーなど、ドゥシーザで焼けないサイズの小型で刻み、こちらの盤面が並びデスザーク以外に回答がない状況でミクセルを立てる、という戦法を取ってきます。そのため、1コストながらオーリリアよりパワーが高く、ヴァイカーとも相討ちを取れるこのカードによって、メタビート側の打点生成を咎めることができます。

また後述する無限皇帝の顕現との相性もよく、リアニメイト効果を確定させることができるほか、手札を残したまま2ターン目にデスザークを着地させることも可能です。

注意点として、先行1ターン目にザンバリーをキャストしデスザーク以外を捨て、3ターン目にデスザークを作った場合、手札ゼロの状態で4ターン目を迎えることになるため、後攻1ターン目か先行2ターン目以降のキャストが望ましいことが挙げられます。


・無限皇帝の顕現  ×2

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フルスペックを発揮した場合、墓地を5枚肥やす2コスト魔導具に変貌します。

とりあえずで唱えても強力ですが、ヴォーミラをキャストしていない状況でもドゥポイズを使い回せたり、墓地にダブついたザンバリーを使って手札の儀を達成させたり(早期の卍誕を狙う際など)、ヤッタレやミクセルを焼けないときに祈りを捧げてみたりと、序盤終盤を問わず使える器用なカードです。

ただし言うまでもなく魔導具ではないため、採用枚数は2枚に抑えてあります。なおこのデッキにおける魔導具でないカードの枚数ですが、14枚が限度だと考えています。(ユニバース型や邪王門型などはその限りではない)


・絶望と反魂と滅殺の決断 ×1

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様々なデッキに採用されていますが、このデッキのダークネスは他のどのアーキタイプよりも強力だと考えています。

「1コスト増えた代わりにラビリピトを釣れるようになったうえ墓地からも唱えることの出来る除去とハンデスを内蔵した卍月の流星群」であり、盤面0、手札0の状況から5コストでラビリピト+ドルスザクを実現できるパワーカードです。

僕は長らく2枚で回していましたが、卍月の流星群同様、有利な展開をより有利にするカード(引けない=負けではない)という立ち位置のため、無限皇帝の採用にあたって枠を譲りました。

・堕魔 ドゥポイズ ×3

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零龍の採用により新たな運用を求められるようになったカードとして、このドゥポイズが挙げられます。

お互いの盤面に1体ずつ以上クリーチャーがいる状況でキャストすると、それだけで破壊の儀を達成することができます。このギミックを得たことにより、たとえば4コストを引きこめていない試合において、ドゥポイズでドルスザクを壊し墓地の4コストを回収、といったリソースの確保手段が取れるようになりました。


・零龍

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相手への1ドローというデメリットこそありますが、展開補助、カウンター、フィニッシャーを兼ねる、現代のデスザークには不可欠なカードだと思っています。

零龍を採用するデッキでは、この4つの儀を使うタイミングの違いが「勝てるプレイヤー」と「勝てないプレイヤー」を分かつ差だとも考えており、いずれも決して「とりあえず達成したから」でプレイしてはいけません。

復活の儀のみ、フオーコやポクちんなどの裏目がない対面であれば何も考えず使ってもいいのですが、たとえば手札の儀は言い換えると「ゲーム中1回だけ、コストを使わずにデスザークを召喚できる権利」であり、バーンメア対面などでは特に使うタイミングが重要になります(サイコロプス、スロットンなど単体でデスザークを処理できるカードが採用されている)。

使いこなすには経験が必要なため、ここではそれぞれの儀の役割を簡単に説明します。


・手札の儀

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4ターン目にラビリピト+デスザークという、各種ビートダウンに対しゲームエンド級の打撃を与えるコンボが実現できるようになりました。

先ほども少し触れましたが、手札の儀によるGR召喚から無月の門を開くことができ(僕の構築ではGRゾーンをドゥザイコで統一している)、墓地肥やしやメタクリーチャーの除去にコストを使った後、ついでのようにデスザークを立てることが可能です。

赤緑バーンメアはサイコロプスとポクちんが最大枚数投入されている場合がほとんどなので、1体目のデスザークはなるべく手札の儀を使わずに立てるよう心がけたい対面です。


・墓地の儀

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盤面を捌ききれない時以外はなるべく温存しておくことをおすすめしますが(ドゥグラスを入れていない構築なので、墓地の儀残し以外でのカウンターを狙えない)、その際は墓地メタが裏目になりますので、結局どちらの線を切るかは状況、対面次第ということになります。


・破壊の儀

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最速2ターン目に達成可能ですが、赤白やドギラゴン閃以外ではあまり使いません。無限皇帝やダークネス、4コスト帯の回収が最善です。


・復活の儀

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無限皇帝やザンバリーと組み合わせることで、従来の構築ではありえない速度での墓地肥やしが可能となります。

これにより早期のデスザーク着地、またはラビリピト+ガリュザークの安定性が高まり、グリギャンやヴォガイガをキープしたまま対面に墓地メタを使わせる、という戦法も取れるようになりました。無限皇帝からザンバリー以外を蘇生した場合墓地の枚数は4枚になるので、フオーコをケアすることも可能です(ただし恐らくデッドダムド以外には使いません)


・堕魔 ドゥシーザ

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特に説明することもありませんが、環境によって枚数調整が必要なカードのため取り上げておきます。

今回はヤッタレマンやタイソンズ、ミクセル、マーシャルの2コスト初動など、明確に焼きたいクリーチャーが多いと考えたため最大枚数採用しています。

その他のカードに関してはいわゆる固定枠であり、今更僕が説明するまでもないと思いますので割愛します。



3.不採用カード解説


・堕魔 ドゥグラス

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実用に堪える唯一の魔導具トリガーであり、捲れたときのバリューは高いですが、今回は先述のパワーラインと無限皇帝との相性、手札に来てしまったらただのコップである点からザンバリーに枠を譲りました。



・堕魔 ドゥスン

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デスザークが苦手とするデッキ(新環境においては青魔導具、ロマノフなどが予想されます)に対しテンポを取れるカード。今回の構築では不採用ですが、今後はオリジナル環境を中心に必須となるだろうと考えています。



・堕魔 グリナイブ

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除去トリガーをケアしたり、赤緑バーンメア対面などにおいて、1枚絡むだけで有利な試合運びを実現できることもあり、積極的に採用したいカードです。

今後のバーンメアのシェア次第では1〜2枚必要になると思います。


・卍夜の降凰祭

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ドルスザクと比較した場合、墓地から撃てないというデメリットは無視できず、また無限皇帝を採用したことで枠が無く見送りました。ドゥベルやメラヴォルガルなど相性のいいカードは多いので、環境を見て採用したいカードのひとつです。



4.各対面でのプレイング解説


来週以降の新環境でのメタゲームが未知数なため、後日また追記できればと考えています。

ちなみに殿堂施行直前の環境においては

ガン有利:赤白ヴァイカー

有利〜五分:赤白バイク、シータバーンメア、旅路バーンメア、クローシス閃、ラッカ閃、デッドダムド、赤黒邪王門、ネバーループ、アナシャコ等ビマナ

微不利:白単絶十、オカルトアンダケイン、赤緑バーンメア、ブレストドラグナー、蒼ドラグナー、ジョラゴン、マーシャルループ

不利:ギャラクシールド、白緑ネイチャー、零龍ギャスカ

無理:カリヤドネ、青魔導具

といった体感でした。最後までご覧いただきありがとうございます。




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