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父が亡くなって母が5回結婚してて私は日本中を駆け回った話

タイトル読めばお察しなドタバタコメディ(実話)です。 
親が亡くなって遺産や戸籍の件でバタバタするって話は聞いてはいたのですが、ウチには関係無いと思ってました。
ところが関係ないどころかウチならではの面倒事が発掘される事になり、たまたま私が時間取れたので解決出来ましたけどそうでなければ手詰まりだったかもしれません。
遺産や戸籍の事で心当たりのある方は一読されておいた方が良いかもしれません。


コロナ1年目の秋に父が亡くなりました。
何年も寝た切りになってて余命宣告もされてましたので家族全員覚悟はしてて酷いショックはなかったのですが、実際にその時が来てみると実感は薄く、親父起きて来るんじゃないか?って思うくらいでした。

私は実家を出ているので葬式は弟にお任せ、通夜と葬式を滞りなく済ませたら私は自分の部屋のある茨城に戻ります。
実はその時は丁度仕事が切れていた時で、早く次の仕事を見つけて働かなくっちゃ!と就職活動を再開して数日経った頃、弟から連絡が来ました。

「姉ちゃんと連絡取れる?それと北海道にいた時の戸籍って何?」

うちの父は再婚でその時の連れ子が私、今の母との子が弟で、前の母に付いて行った妹がいました。
彼女とは以前一度連絡が取れたのですが、親同士がまた揉めて音信不通になってます。
そして戸籍の件ですが、父の口座を解放するのに「相続する権利を持つ者全員の同意書」と「本人の戸籍を生誕から死亡まで全て」が必要だと銀行から言われたので取り敢えず現在の戸籍を取ったら北海道から移動して来た記述があったのです。
ちなみに北海道は前の母の出身地。

「妹とは連絡取れない、っていうか北海道の戸籍って何だよ俺も知らねぇよ」

さぁ困りました。
戸籍に関して知ってる本人は先日亡くなっばかりです。
父の口座には退職金をバブルで吹っ飛ばした残りが細々とあるだけでたいした金額は残ってなかったのですが、葬式代をそこから払う予定だったのでお金を別に用意しなくてはなりません。
まぁ戸籍に関しては取り敢えず手に入れてしまえばいいので、父の生誕地、現在、そし北海道の物を手に入れればいいのでは?と思えるのですが、そもそも北海道に戸籍を移した事さえ知りませんでしたのでもしかしたらまだあるかもしれません。

そして妹の方と連絡を取る必要があります。
戸籍に関して詳しい方なら「離婚した後の戸籍を追って行けばいいのでは?」と思われるでしょう。
戸籍にはどこから来て、どこに行ったのかが記載されています。
実際、父の戸籍にも北海道から移した事が記載されていました。
つまり、現在手元にある戸籍から追い掛けて行けば良い訳です。
良い訳なんですけど。。。

妹と一度連絡が取れた、と書きましたが、その時に向こうの母親は5回目の結婚をしていてそれも危ない、という話を聞いていました。
つまり、1度目は私の父ですので4回、もしくはそれ以上戸籍を追って行かなければならない可能性があるのです。
父の戸籍以外は妹の連絡先が分かればいいので、母と妹の移動先を電話で確認出来ればいいのですが、モロに個人情報ですので電話口での解答はしてもらえません。
実際に戸籍を入手する必要があります。
その戸籍は郵送してもらう事は可能ですがだいた1週間から10日かかるそうです。
戸籍が届いてからでないと次の移動先は分かりませんので順番にしか出来ないのですが、それだと2ヶ月くらいかかる可能性もあります。
流石にそんなに支払いを待ってもらう訳にはいきません。
もう現地の役所に行って直接戸籍を出してもらって回るのが一番早いのですが、何ヵ所回る事になるのか分からないのにそんな時間は。。。

⋯あ、俺今無職だわ。

無職なので時間はありますがお金はありません()
弟にその旨伝えて相談してみたら、行政書士とかに頼むより安く済みそうな上に圧倒的に早いって事で都合してくれる事になりました。

さぁ、これから自分の人生のルーツを探す旅が始まります。

私は『旅慣れてる』と言えばカッコいいのですが、カネと時間があったら何処かに出掛けてしまう放浪癖があって、テレビやネットで行ってみたい場所を見つけたらそそくさと準備して時間がなければそのまますぐ部屋出ちゃうし準備って言っても『財布と傘』があれば何とかなっちゃうって思ってるタイプなのでその時もその辺の物をバックパックに詰め込んで準備完了です。
ただ、まだ冬では無いですけども秋深い時期でしたんで防寒はしっかり。
北海道はまだ積もってないという情報ですけど、これから先はいつ降っても全然おかしく無い時期です。
普段はオーバースペックなダウンパーカーが本領発揮してくれそうです。
コイツをコンプレッションバッグできゅうきゅうに小さくしてバックパックに放り込みます。
着て行かないのは、まず熊本からだから。
秋口はまだそんな寒くない、フリース羽織るくらいで十分なので。

一晩寝て起きたら出発、まずは地元から。
父の戸籍は現住所の物しかまだ入手していないとの事なので空港でレンタカー借りたら実家行く前に父の生誕地のある役場へ直行します。
田舎の役場なんですが建て替えたばかりみたいで、えらく綺麗で広くてモダンで案内も分かりやすく、初めて来たのに目的の住民登録系窓口まで迷わず行けました。
しかも、並んでる人がいなくて待ち時間ゼロ、田舎のこういうとこが好き。
窓口には二十代前半と思われる若い女性が座ってました。
何せ父の戸籍なんて手書きの時代の物で古文の例文みたいな訳の分からん代物です、若い人には厳しいでしょう。
まぁ、それならそれで後ろから詳しいベテランが出て来るでしょうし、取り敢えず窓口の椅子に座って挨拶もそこそこに事情を説明します。

父が亡くなって凍結した口座を解放したいのだけど、銀行から「父の全ての戸籍」と「相続権を持つ全員の承諾書」を要求されてて、父の戸籍と離婚した母に付いて行った妹の行き先を知りたい。
母はうちの父と別れた後に4回結婚してるという話で、これからそれを追い掛けなければならない。
それと、うちの家族は北海道に住んだ事はないのに現住所の戸籍では北海道から移籍した事になってるの何で?

「担当者に代わります」って言われて奥に引っ込むもんだと思って説明してたらどうもそんな様子はなくちゃんと聞いてて理解してるっぽいしむしろ凄く前のめりで興味津々な感じ。
実はこの件は当時リアルタイムでTwitterに書いて相互の方で役場窓口勤務経験者の人に相談に乗って貰ったのですが、非常にレアケースで教育用のサンプルにしたいくらい、というお褒めの言葉()を頂きました。
どうも住民登録に関わる方々には「激レアで腕の見せ所」的な案件の様でして。

そのお嬢さんは私の話を聞き終わると、父と私の身元確認をして「しばらくお待ち下さい」と奥に行き、数分後に何枚かの書類を持って帰って来ました。
その書類と私が持参した現住所の戸籍(コピー)を窓口のテーブルに並べて彼女が説明を始めます。

・お父様の戸籍はこちらから北海道の方に移られて、その後に現住所の方に移られてます、全ての戸籍が必要との事ですのでこの間の北海道の物が必要です。
・妹さんはお母様に付いて行かれてますんで、お母様の戸籍を追跡する必要があります、別れられた後に一度実家の籍に戻られてますのでこれも北海道の物から順番に追って行く必要があります。
・戸籍を移した理由は記録されませんのでこちらで説明は出来ませんが、戸籍は現住所とは別に登録出来ますんでおそらくお母様が移されたのでは。
・取り寄せも可能ですが1ヶ所で済まないとなると時間がかかりますし、手違い等で更に伸びる可能性もありますからお急ぎでしたら窓口で確認しながら追って行くのが一番早いです。

こちらが望んでいる答えだけでなくフォローやケアまでして頂くとか、それはまさに『プロの仕事』でした。

戸籍の分の支払いしてお礼言ってその日は実家に1泊、今日ゲットした戸籍と実家で入手済の物を突き合わせて説明会です。
「知ってました奥さん?ウチの家族の戸籍って北海道にあったんですよ?」から始まり「『番外地』なんて健さんの映画のタイトルでしか見た事ないわ!」とかもう家族揃って呆れるばかり。
肝心の口座凍結解除については「目処が立たない」「行ってみないと分からない」というイキバタ状態。
もう順番に行かないとどうしようも無いので、まぁ頑張りますとだけ宣言して飯食って風呂入って寝ます。

明けて出発九州から北海道に移動です。
当面次の目的地は道東なのですが、母の2回目以降の嫁ぎ先が札幌とかなのでは?という見立てと、新千歳なら福岡からの便があるのと帰りの羽田・成田行きの時間が選べる余裕がある事から新千歳から道東までレンタカーで爆走する選択をします。
午前中に熊本出て新千歳着いたの夕方!
夜中に爆走してもいいけどキツいし眠いし取り敢えずネカフェかなんかでちょっと寝て朝のラッシュが始まる前に出発して目的地に午前中着だ!
で、寝るとこ検索してたらネカフェじゃなくてスーパー銭湯発見。
よし風呂入って食って飲んで寝る!(就寝)

夜中の2時ごろ目が覚めたのでもうそのまま起きる事にします。
もうひとっ風呂入って出発です。
まぁ長くなるので詳細は省きますが北海道広いですわ。
お金節約したいし高速使って早く着いても役所開いてないし下道で!
3時発の道東9時着で丁度役所開くくらい?と思ってたんですが途中眠くなって仮眠取って着いたのはお昼前。
(見出し画像はその旅の途中です)

確か5歳くらいに来てそれっきりだと思います。
緩やかな谷間の小さな集落なのですが、当時の記憶の1/3くらいの広さになってます。
母方の実家は役所のすぐ隣だったのですけど、役所が建て替えしてピッカピカの新庁舎になってて、周囲も整地されたみたいで実家の場所の見当も付きません。
まぁ、親戚がいた所で挨拶に行くつもりもありませんし、ノスタルジーは終了、とっとと住民課に行きます。

役所の外観は新しくて綺麗だったのですが、中はよくある「田舎の役所」で、その辺に書類やファイルが山積みになってます。
父の生誕地の綺麗に整理された役所とはえらい違いですけど、役所ってこちらがスタンダードですよね()
そして窓口にはまた若いお嬢さん。
頼り無ぇよなぁ、とは思いつつも前回の例があるので取り敢えずは書類広げてまた説明を。

窓口んとこにお店広げて説明始めると、さっきまで「窓口対応モード」だったお嬢さんの笑顔が職人の顔になります。
あ、この人も頼りになるタイプだ、と確信します。
ひと通り説明終わると確認もそこそこに「一旦書類お預かりしてよろしいですか?」と書類持って奥に下がりました。

待合スペースでツイッターとかやってたら呼び出しかかりました。
30分くらいかかった?えらく長かったなぁ、とか思いつつカウンターの方に行くと、さっきのお嬢さん書類十数枚持って待ってます。
え?何それ何でそんなにいっぱいあるの?って顔に出てたんですかね、お嬢さんちょっと不敵な笑みを浮かべると書類を全部カウンターに広げて「それでは説明させて頂きますね」と講釈が始まります。

・お父様の戸籍は確かにこちらにありました、離婚された後もしばらくこちらに残ったままだった様です
・お母様ですが、一度ご実家の籍に戻られた後、2度目の嫁ぎ先の函館の方に移られてます
・し 3度目の嫁ぎ先がこちらの地元の方で、4度目が隣の◯◯市に移られてますのでその分の戸籍はこちらにありました
・妹さんは3度目迄はまだお母様の籍から抜けてませんので、もうちょっと追い掛ける必要がありますね

お嬢さんファインプレーです、もうちょっとで私、道東〜函館往復するとこでした(高速使って片道7時間半、死)
妹の方は現住所が目的ですから無理に途中の戸籍まで手に入れる必要は無いので、今回は函館の分は見送ります。
ともかく隣の市に行けば次の戸籍が手に入る事が分かりました。
まだお昼前ですんで余裕で今日中に4回目に辿り着けます。
母ちゃんとお嬢さんのファインプレーのおかげではありますが、余裕を持って取っていた旅程が随分短縮されそうです。

「で、戸籍なんですけどどれを持って行かれますか?」
戸籍の写しって住民票と一緒でお金いるのですけど、住民票よりちょっとお高くて、しかも昔の総手書きの物の写しは更にドン!なのです。
そんなのが十数枚ある訳でして、お役所的には事業としてやってる訳ではないので持って来た書類の分全部払え、とは言って来ません。
必要な書類の分だけ渡してくれて、その分の費用しか請求しません。
しかし、今回の件は謎が謎を呼ぶ事件な訳で、後でここ分かんないけど書類が無いので確認出来ない!とかもう勘弁なのです。
「全部下さい」もうこう言わざるをえないのです。

で、この道東の話書いてて気が付いたのですけど、お嬢さんがファインプレー出来たの、うちの母ちゃん知ってたのではないか疑惑。
何せ山間の小さな集落です。
5回も結婚した女性の話が広まってない訳がない。
しかも3回目は地元です。
更に付け加えれば、うちの母親凄いコミュ強者で、離婚した後も近所の奥様方と仲良くしてたみたいで連絡取ったりしてて、当時仲良かった家の奥さんが「また遊びにおいでよ」とか現在の私の家に電話して来たりするくらい人脈太い人でした。
そんな人が田舎で有名人じゃない訳がないのですよ。
なので、最初にこちらの書類広げて説明した時に職人の顔になったの、案件的に面白いってだけじゃなく「◯◯さんの息子さんだ!」ってのもあったんじゃないかなぁ、と推測。
まぁだからってその件を確認しに道東にまた行こうとまでは思いませんけど()

はいはい次は隣の市です。
その前にお昼ごはん。
「折角北海道に来たので何か美味しい物を、しかも道東よ?」と私ならやる筈なのですが、何を食べたのか一向に記憶が無い。
写真撮ってないかな?とアルバム遡ったらその時間帯に撮影されてるのはこちら。

多分、蟹の味噌汁だと思われるのですが一向に記憶が無い。
魚の美味い所に行ったらだいたい回転寿司行くのでこちらもそうだと思うのですが。
「これ、この店のだよ」と思われる方は是非コメントにご一報を。

そして隣の市役所へ。
大きな街なので役所も結構な大きさで、割と年季入った建物でやたら中が入り組んでる。
しかも住民課なんてだいたい1階にあるもんなのに工事中だか何だかで上に登らなきゃならない。
駐車場も何だか分かりにくくて大変だったしすっかりダンジョン気分。
ようやく辿り着いた窓口にはさわやかナイスガイ、待ち時間無し。
若い人ばっかりやなまぁみんな頼りになる人ばっかりだったけどさ、とか思いながら先程入手した書類含めてカウンターに広げてもう何度目になるかって口上を切ります。
父の戸籍はもう揃ったんで後は妹の消息だけなんですけどね。

ナイスガイニキ、特に理解出来なかったって様子もなく必要な情報メモって「少々お待ち下さい」と奥へ。
数分で呼び出しされてカウンターに行くと数枚の書類を広げていつもの説明会。

・お母様はこちらで4回目の結婚された後に離婚されて5回目は大阪へ行かれてます
・妹さんはお母様が4回目の結婚された後にこちらの籍から抜けられて都内に移られてます

今回の目的は母の行き先ではなく妹の方なので、妹が籍から抜けた事を確認した時点で母親側の探索はここで終了。
実際大阪まで行くのは大変ですしね。
で、妹は都内という事なので茨城からなら常磐線ですぐ行ける。

え?これでもう帰っていいの?

道内を走り回る覚悟で来たのでちょっと肩透かしというか、これなら最寄りの空港使えば走る距離もちょっとで済みましたわ。
とはいえ、そんな事事前に分かる事じゃないですししゃーない。
余った日程は札幌で美味しい物でも食べて帰りましょ。
今から戻れば今日中に新千歳まで戻れるかな。
またあのスーパー銭湯泊まっちゃおう。

で、帰りは途中からガッツリ吹雪だしまして、流石にこれをこの距離は厳しい。
無論、雪国のレンタカーですからスタッドレス履いてはいるんですが、下道ずっとは無理と諦めて高速へ。
しかしこっちも中々にスリリング。
ホウホウノテイでスーパー銭湯着。
なんかもう色々あった上にクタクタで風呂入って即寝です。

翌日は丸々空き、翌々日の夕方から飛行機で1日半時間が空きました。

取り敢えず札幌方面にレンタカーで出向くも特に行きたい所がある訳でなく、何か美味い物を食べるつもりだった筈なんですが何を食べたのかさえ覚えてません。
確か『アッガイ水族館』に行って転属してちょっと絆プレイしたくらい。
結局一番面白かったのは車内で聞いた地元のFMだったというオチ。
割と平気なつもりだったんですが、かなり堪えてたんでしょうか。
明るいうちにまたスーパー銭湯戻って翌日の飛行機の時間位までゴロゴロして、飛行機乗って自宅に帰ります。
帰宅して翌日から週末で役所はお休み。

取り敢えず入手した書類の束をコピー、父の戸籍の元本を実家に送ります。

明けて月曜日,妹の転出先になってる都内の区役所へ。
月曜日なのもあってかえらく混み合ってて、こんな時に手間のかかる案件申し訳ないなぁと思いつつ整理券貰って座って待ちます。

10分程待って私の番が来たので窓口まで、今回のお相手は30代くらいかな?イケメンアニキ。
あらかじめコピー取った書類を出して妹の転出先が書かれた書類を一番上にして、そしていつもの口上を垂れます。
都内の区役所なので忙しいせいか今迄回って来たとこより明らかに愛想悪い感じだったのですけど、母親の結婚回数話した辺りからアニキのスイッチ入るの分かりました()
こういう手間で面倒な案件って公務員の人は嫌がるもんだと思って身構えてたんですけど、回った役所全てでガッツリ食い付いて来ました。
やはり、戸籍に関わる仕事をしてる人にとって大変興味をそそられる案件なんでしょう。
こちらの説明が終わったらアニキ、「書類一旦全部お預かりしていいですか?」
いや転出先が書いてあるヤツだけでいいよね?見たいって気持ちは分かるけどさ?()
まぁ彼の好奇心に免じて渡します。

15分程待ってると名前を呼ばれたので窓口へ。
数枚の種類を持ったアニキが説明始めます。
・妹さんはこちらに転入されています。
・一度引っ越しされてますがこの区の中です。
はい簡単明瞭。
こんなに早く辿り着けるのなら、親父が生きてるうちにやっておけばよかったです。
まぁ後の祭りなのですが。

今回も出された書類全部貰って、ようやく確認出来た目的地に移動です。
出来れば前もって電話くらいしてからお邪魔したいもんですけど、戸籍には電話番号書いてない。
アポ無し突撃になります。
詳細は相手に迷惑かかるかもしれないので書きませんが、何とか妹とは会う事が出来ました。
もうお互いトシですので数十年振りの再会も父の訃報も淡々とした物でした。
口座凍結解除にあなたの同意書が必要なのだと伝えると快く引き受けてくれました。
あと、母親は大阪で亡くなったという話も彼女から聞きました。
一応兄弟とはいえ私が妹の戸籍を持ったままなのもよろしくないのでここまで集めた戸籍の妹に関わる物の元本を全部渡して引き上げます。

波瀾万丈な長くて短い旅の締めくくりは意外にあっさりした物でしたけど、唯一驚いたのは「歳取って無ぇなぁ」って事くらい。
ウチの家族、父がまず中々老けない人で60過ぎて急に老け込むまではピッチピチでしたし、私自身も最近では実年齢言っても信じて貰えない事がポツポツ。
弟に至っては背が小さくて痩せてる事もあってブレザー着る職場にいた時は中坊に間違えられてたくらい。
妹もさぞ、とは思ってたのですが、平日の午前中に凸されたので当然すっぴんだったんですけどあれは「32です」って言われても100人中99人は信じる。
こういう話すると「羨ましい」って言う女性がいるんですけど、それはそれで大変な訳で、妹の場合は肌の色が白過ぎて静脈が透けて見えるんで真夏でも長袖だったしファンデ厚盛りだったそうです。
まぁ「若く見える」って点ではお互い様なので向こうも呆れてたとは思います。

後は彼女が実家に承諾書を送ってくれれば終了なので私の仕事は終わりです。
なのでここまでドタバタしておいて面白い感じのオチな無く、平穏無事に解決、だったのですが、唯一続きがあったとすれば、銀行に言われた書類を持って行ったら銀行員が理不尽にゴネて弟がケンカしたくらい。
金融業者はどこも余裕無いみたいで大変なようです。

長々と書いた挙句につまらない決幕で申し訳ないのですけど、自分の戸籍をちゃんと確認していない人や戸籍がややこしい事になってる自覚がある人は面倒な事になる前に確認されておく事をお勧めします、という締めで。

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