「コオロギ」を食用にしようとする理由は多分コレなんじゃないの?っていう考察

巷では「コオロギ食」が話題です。
某パンメーカーは悪気無く自社製品に練り込んでネット販売したら好評だったらしく一般市場に出したらパニックが起きてます。
一部の「未来食」に理解がある層以外の人達には明らかに抵抗があるようです。

なぜ「コオロギ」を食用にするのでしょう?
売る側は「未来の食糧危機に備えて蛋白源の確保」とか言っておりますが、食料にするのならもっと蛋白質が豊富な虫や養殖が簡単な虫、もっと美味しい虫は他にある。
わざわざ栄養少なめな上に養殖難易度が高く、しかも美味いという話を一切聞いた事がないコオロギを選ぶ理由が分からない。

そんな風に思っていたら、ふと昔見たテレビ番組の事を思い出しました。

闘 蟋

その番組を見たのは30年くらい前でしょうか、正直そんなにはっきり覚えてません。
経済解放政策からしばらく経って中国の経済成長っぷりが注目され出した頃だったかと思います。
その番組では中国の色んな場所に行って現地の人達の生活を取材していました。
その中で「闘蟋」という現地の人達の遊びを紹介していました。

「闘蟋」とは、日本では「コオロギ相撲」と呼ばれていて、要は闘犬や闘鶏の様にコオロギ通しを戦わせる競技です。
ググッてみて知ったのですが、唐の時代に宮廷で始まった遊びで約1200年の歴史がある由緒正しい趣味なのだそうです。
その番組の中では闘蟋のサロンみたいな場所に各々のコオロギを持ち寄って遊んでいる現地の人達を撮ってました。
それは今の日本のカードゲームショップのプレイスペースみたいな雰囲気で、日本と違うのは幅広い年代の人達が集まっていてそれこそ子供からお年寄りまで参加してるのです。

そのコオロギはどうやって手に入れているかというと、自前で獲ってくるのだそうで、時間と行動力に余裕のある子供が有利(笑)
体が大きく足の太いコオロギが強くて(現代では重量別に階級分けされてるそうですが)強いコオロギは高く売れるので子供達の良い収入源になってたとか。
当時からそんな調子だったので経済発展した現代でも相変わらずで、ちょっとググッた所ではコオロギ1匹に10万円以上の値段が付く事もあるそうです。

…ここまで書いたら感の良い皆さんはピンと来るでしょう。
そんな需要があるのなら他の虫ではなく「コウロギの養殖」が行われるのは当然です。
30年前には養殖なんてしてなかったから自分で探してた訳ですが、おそらく今はお店で買えるのではないでしょうか?
この辺は現地にいる人でないと分からない事なので、ご存知の方はノートかTwitterにコメントして頂けると助かります。

おそらく、闘蟋向けには高く売れる強い個体だけを選別して、余った個体を回してるのでしょう。
最初は人間用ではなくペット用として流通させてたようです。
以前はそんなの無かったのでいつ頃から出回り始めたのか気になったので詳しそうな方に聞いてみたのですが、だいたい10年くらい前くらいからじゃないか、というお返事。
そして、人間向けに出回り始めたのが5年くらい前からでしょうか。
中野にコオロギ入り食品の自販機が置かれてるのを見たのはそのくらいだったと思います。
あれはアンテナショップ的な物だったんでしょうね。

日本でもペット用にカブトムシの養殖が流行った事がありました。
あんなのが万単位で飛ぶ様に売れるんですもん、そらぁ養殖しますよ。
カブトムシって獲るのは大変なんですが、養殖はそんなに難しくない。
っていうか、うちの近所でも製材所で木屑を掘ったらいっぱい獲れましたからね。
しかし、ブームが落ち着いて需要が減ったら養殖やってた人はさっさと撤退してました。
大抵の人は元々農家で副業的にやってたのでしょうし、本業やりながらだと大変でしたでしょうから見切りも付けられた。
中国人はここからペットや人間の食用として売ろうと考えるんですから、その根性だけは見習うべきだと思いますね。

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