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ほぐほぐマムアンちゃん制作日記 vol.3 「文章のすばらしさ」

スタッフです。
新刊「ほぐほぐマムアンちゃん」発売にあたり、担当編集さんに今回の絵本「ほぐほぐマムアンちゃん」についてお話をきいています。

スタッフ:聞き手、甘いものが好き。
担当編集さん:海外の絵本を日本に仲介する仕事をしていたが、岩崎書店で編集を担当することになった。タムくんのファンでもある、タムくんのライブがきっかけで生命保険に入った。

「悩みのひとつをピックアップ&文章のすばらしさについて」


ー前回は「ほぐほぐマムアンちゃん」企画の背景を聞きました。今回は、じっさいに本の中でどんな悩みが取り上げられるのか、聞かせてください。

(担当編集)人間関係の悩みや、コミュニケーションに関する悩みなどが取り上げられます。

ー具体的にはどんなものでしょう?

(担当編集)「友だちが自分の悪口を言っていた」というのがそのひとつです。
自分が実際に、小学校高学年のとき、「(友だちふたりが)さっきあなたのこと「ずうずうしい」って言っていたよ」というのを耳にしたことがありました。
今になれば「そんなの気にするな」って思えるのですが、そのときはめちゃくちゃショックでした。

ー悪口って、真正面から受け止めちゃうとつらいものがありますね。それに、あとから振り返るのと、そのときの感覚とはまた違いますよね。

(担当編集)本当にそうで、まだ年若かったのもありますが必要以上に重く受け止めてしまい、その後の人格形成にもけっこう影響したと思います。
遠慮がちな性格になりましたから。

ータムくんは「悪口」というテーマに対してどういうことを言ってくれたんですか。

(担当編集)くわしくは本を読んでいただければと思うのですが、「悪口というのはその人のことがよくわかったうえで言われるものではなくて、あくまでその人のことを知らない他人の想像なんだ」というようなことを書いてくれました。

ーただ気にするなと言うよりもふみこんでいますね。

(担当編集)はい。
いま、インターネット上、SNS上での誹謗中傷なども深刻になっていますが、その問題にも通じるような、とっても大切な視点だと思います。

ータムくんの、この語りかける感じがいいですよね。

(担当編集)深いやさしさを感じます。
タムくんは、マムアンちゃんのイラストに短いメッセージをそえたhitokotoが大人気ですよね。
それを見ていて、いつも「どうしてこんな核心をつくことを言えるんだろう」と思っていました。

ーイラストとあいまって、シンプルなメッセージが心に響きます。

(担当編集)hitokotoでは、同じメッセージをタイ語、日本語、英語で書いていますよね。
私はタイ語は全然わからないのですが、英語の一文を見ていつも驚嘆していました。
なんていうのでしょう、英語力?要約力?自分も英語少しは自信あるのですが、いつも、タムくんの単語の選び方とか、予想の上の上をいく感じがあります。
短い文章で伝えるってすごく難しいですよね。

ーひとつひとつの悩みに対して、いつもの「イラスト+ひとこと」だけではなく、さらにタムくんの声が聞けるのが今作「ほぐほぐマムアンちゃん」の魅力ですね。

(担当編集)今までのタムくんの著書を拝読して、エッセイやまえがきなどひとつひとつすばらしくて、イラストと同じくらい言葉の力がある方だと感じていました。
この本では、そんなタムくんの言葉を思う存分読めます。

ーたしかに、言葉のボリュームはいつになく大きい本になりましたね。

(担当編集)タムくん、日本語が母国語じゃないのに、どうしてこんな本質的なことを、読む人に伝わるように書けるんでしょう?

ー内容を読んで、ただなぐさめているのとは違う感じがしました。

(担当編集)そうなんです。
この本を読んでくださったら、きっと自分にはなかった視点に気づかされると思います。
話しかけるように書いているので、だれかに話を聞いてもらったような感じもすると思います。

ーしんどいときには、そういうことがいつもよりずっと響いたりしますね。


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悩みはぜんぶで14ありますので、タムくんがどんな悩みにどんなことを書いているのか、ぜひお手に取ってご覧になってくださいね。


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(タムくんが書いた「悪口」についてのスケッチ。青字は担当編集さんのメモ)

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