だったら、、、

お正月のお休みに家族で近くの山へ登ってきました。幼稚園の年長さんの遠足の定番のお山で、もう少しで3歳を卒業する娘も2時間かけて登りました。(帰り道は1時間足らず)

その道中の事。
私は娘と一緒に、娘のペースでゆっくりまったり足を進めていました。
そんな私達に夫は、事あるごとに「肩車しようか?」と声を掛けて来ます。夫は家で準備をしている時から娘が自力で進むのは無理だろうと決めつけていました。
でも、娘はその声も届かないくらい一生懸命に山と向き合っていました。
葉っぱを拾ってみたり落ちている枝を振り回したり、崖の下をのぞいては肩をすくめ、山道の脇に生える木の葉をつまんで確かめる姿は微笑ましく、追い越していく年配の方々から何度も優しい励ましを戴きました。
そんなこんなで、とうとう最後の難関一直線に伸びる階段へと辿り着く頃には、娘は他所見ばかりでそれまでに無かった小言をこぼす様になりました。そして、とうとう階段の途中で座り込んでしまいました。

一方、夫は登山歴10年以上のベテランさん。
コロナ禍以前は毎年夏の数日をかけ、緑濃い信濃の山々を尾根伝いに歩き回り、最後は温泉で締めると言うひとり旅を楽しんでいました。

そんな人なので、山道で階段で立ち止まる事が許せない様で、イラついた声で3歳の初心者を急かすのです。
「後ろから来ているから、早く歩いて。」
「肩車してあげるから。」
何度も言われた娘は、仕方なく一度は肩に乗りますが、以上に揺れ心地悪いのか、すぐに降りてしまいました。

また、のんびり階段を登り始めた娘を夫はさっきと同じ言葉をもっと力をこめて吐き出し、急かし始めます。

たまりかねて
「3歳だよ。そんなに急かすんだったら、最初から連れて来ない方がいいんじゃないの。」
と私の心の声が溢れてしまいました。娘はうつむいて身体を動かしません。

その様子を遠くから見守っていたであろうご婦人が私達を追い越しながら、
「うんうん、頑張っているね〜、大丈夫だよ。ゆっくりね。」と話しかけてくださいました。柔らかいお声と眼差しで、新年早々一触即発状態のアホ夫婦とその間に挟まれた幼子を救ってくださいました。

夫もその声に我に返り、その後は一度も急かすことは有りませんでした。

めでたしめでたし。

子の為と
先回りして
子を潰す
愛情と言う名の
毒を盛る親

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