人類補完機構 コードウィナー・スミス

 ハヤカワSF文庫での全三冊を紹介したい。短編のみの全三冊だが、もちろんノーストリリアは別格の、唯一の長編としてク・メルと共にある。未訳文も含めて完訳となったのは嬉しい限り。このSFの素晴らしさは、筆舌に尽くしがたい。なんとも言えぬ雰囲気というか、世界観・宇宙観の見事さというか。バラ色に輝く未来ではない、霧の向こうのベールに閉ざされた未知の世界というか。読み込んだ人にのみ、感じられる世界がそこにはある。

『スキャナーに生きがいはない──人類補完機構全短篇1』伊藤典夫、浅倉久志訳
 序文(ジョン・J. ピアス)
 編集者による序文
 夢幻世界へ
 第81Q戦争(改稿版)
 マーク・エルフ
 昼下がりの女王
 スキャナーに生きがいはない
 星の海に魂の帆をかけた女
 人びとが降った日
 青をこころに、一、二と数えよ
 大佐は無の極から帰った
 鼠と竜のゲーム
 燃える脳
 ガスタブルの惑星より
 アナクロンに独り
 スズダル中佐の犯罪と栄光
 黄金の船が──おお! おお! おお!
『アルファ・ラルファ大通り──人類補完機構全短篇2』伊藤典夫、浅倉久志訳
 クラウンタウンの死婦人
 老いた大地の底で
 酔いどれ船
 ママ・ヒットンのかわゆいキットンたち
 アルファ・ラルファ大通り
 帰らぬク・メルのバラッド
 シェイヨルのいう名の星
『三惑星の探求──人類補完機構全短篇3』伊藤典夫、酒井昭伸訳
 宝石の惑星
 嵐の惑星
 砂の惑星
 三人、約束の星へ
 太陽なき海に沈む
 第81Q戦争(オリジナル版)
 西洋科学はすばらしい
 ナンシー
 達磨大師の横笛
 アンガーヘルム

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?