プチフラワー、ぶ~け、LaLa

 たぶん、1980年以降のころ。まだ若かった時代に少女マンガにはまっていた。LaLaの「日出る処の天子」やぶ~けの「星の時計のLiddell」に、少年誌にはない複雑さと深淵さを感じた。追って、プチフラワーに登場していた萩尾望都の「半身」「イグアナの娘」に、トーマ以来の衝撃をうけ、学生を卒業してからも買い続けた。もう40年近い前のことなのに、作品を読み返すと苦く、ざらついた、何かが押し寄せてくる。

 思えば、萩尾望都さんは、未だに現役。坂田靖子さんも、あいもかわらず飄々とした作風は変わらない。一方、内田善美さんは絶筆してしまい、一切の情報もなく、著作はAmazonで高値を付けている。水樹和佳子さんのイティ・ハーサは文庫のセットで1000円以下で某〇オフで売っていた。「少年は荒野を目指す」の吉野朔美さん、「夢見る惑星」の佐藤史生さんの新しい作品を観ることは不可能になってしまった。

 すでに、プチフラワーもぶ~けも廃刊となっている。LaLaは、名前は残っていても、まったく様相が変わってしまった。時代と共に、要求されるコンテンツの質は激変し、雑誌も淘汰されていく。古書店に行って、昔のコミックスに懐かしさとほろ苦いものを感じるのは、時間という取り返しのつかないろ過装置を通しているからに違いないのだが。

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 蔵書の整理にあたり、プチフラワー1987年分が全巻出てきました。店のオンラインショップにて販売中です。で、たしか、「半神」と「イグアナの娘」の掲載版もとっておいたはず。でも見つからないのは何故?


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