その女アレックス (文春文庫) ピエール・ルメートル

 突然誘拐されたアレックス。誘拐したのは、前の彼氏の父親。どうも息子の行方を聞き出そうとしているらしい・・・ 檻に閉じ込められた彼女は奇抜な方法で脱出するが。脱出した彼女は、奇妙な行動を起こす。
 脱出した彼女は、なぜ警察に行かないのか謎が謎を呼び、警察は彼女を追う。そして驚愕のラストへ・・・

 かなり評判になった一冊で、長期にわたって積ん読状態だった。しかし、読む機会・きっかけがなかった。が、ふとしたキッカケで、ついつい読み始めたら止まらない!! 誘拐されたアレックスが悲惨な状態に追い込まれ、そこから奇抜な手法で脱出する彼女。でも警察に行かず、読者が思いもつかない行動を起こし、居場所を転々と変える。次々に展開する彼女を取り巻く状況、追跡する刑事たち。彼女は何をしようとしているのか。

 最終的に到達する結論を含めてミステリというよりも高度なサスペンスな一冊と言える。主役のアレックスに対する感情が一転二転三転する話だった。ただ、最後が気に入らない人もいるかもしれない。私は、かなり良いサスペンスと思った次第。

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 これは三部作で、三部作中第二部にあたる。一部も三部も秀作だが、読後感は良くなかった。しかし、何故日本の出版業界は三部作の途中から邦訳を出版するのだろう。


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