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公務(公職)は町の一般インフラを利用すべからず?

 消防、公務員、警察、自衛隊…その他。

 公職の方が市民の利用する町の施設や設備、何でもないコンビニ、飲食店、自動販売機、単なる場としての喫煙や休憩等―――――こういったものを利用したり、その姿が目に付くことに批判の声を上げる市民がいるそうです。
 いるそうです、と書きましたが、何となく意図する所は分かる気もします。それが適切かどうか一度考えてみたいと思います。


気にくわない

 一番問題なのはこれではないか、というのが公務員批判に類する反感でしょう。行政サービスはたいへん質の差が大きいですから、職員の対応に不満や不信感を根強く持っている人は少なくありません。10人中 1人の、言い方は悪いですがハズレ窓口に当たってしまうと、相談や申請に来た市民には大変な影響が出ることもしばしばありますので、どこか他人事で逃げの姿勢ありきの公務員に対して怨恨が深まることもあると思います。
 この辺りの”接客のまずさ”的なものは掘り下げるとキリがありませんが私も色々な経験をしています。その経験から言うとある程度の交渉力がない人は面倒臭いという理由で門前払いに遭うことも多いだろうと予測します。生活保護のニュースなどでは生活保護が出ずに餓死した世帯が取り上げられる事がありますが氷山の一角でしょう。窓口の対応は申請を受付けるなと釘を刺されているという話も聞きます(実は具体的に当職の人から聞いたのですが、あまり掘り下げないでおきます)。
 公共事業は削られるのに、地方公務員のボーナスは50万を超えてしまう所が多い、不動産絡みの申請で無理解から対応が悪い、ミスをしてもはぐらかされて損害が出た…といった話は一つ一つの真偽は分かりませんがそれなりに問題が深いと感じさせられます。何しろ2-3年で異動し各部署たらい回し、専門知識など身につかない人も多くその場その場を適当に乗り切るしかないと言ったやり方で対応している人もそれなりに多いわけです。
 こういった実態を伴った怨恨や不満の捌け口として、公職が市民のテリトリに入ってくることが嫌われるというのはある程度頷けます。見方に寄ってはサボっているようにも見える人もいるでしょう。このような見方が間違っているという指摘は適切だと思います。
 しかし、行政に全く問題がないとは言えないかもしれません。
 特に警察の方は時に市民に疑いをかけるのが仕事です。服装や所持品などを理由に検査されたり身分証を控えられたりといった経験のある人にとって場に入ってきてほしくないのは当然の心情でしょう。それがけじめというものです。自分を取り調べしたその顔で店員に笑みを浮かべて対応すれば、市民がフクザツな気分になるのも想像できるからです。


服装

 公務の中でも警察・消防・自衛隊といった現場仕事の人たちは制服です。制服というのは所属組織の色合いを強く出すシンボル的な服装です。もしくは職場の雰囲気を塗りつぶしている匂いのようなものです。
 これを一般市民の生活空間に持ち込むと、当然その場も組織と職の色合いと匂いが漂います。数が多ければ圧力も感じると思います。
 これを緩和しないと町には溶け込めない事は分かります。

 こうしたらどうか?という例で(何がまずいのか)説明しますと、

・ 生活空間のインフラに入場する時は腕章を示す
  例えば「任務中」とか「休息中」・「待機中」「移動中」
  まず、なぜここにいるのかという目的を明解にしないといけないと思います。次に緊張状態なのか緩和状態なのか示さないと余計な憶測やざわめきを呼びます。これは彼らの職業上の特質がそうさせます。例として必要もないのにサイレンは鳴らさずパトライトを点灯しているパトカーがいますが、ああいった半ば脅しのような行為は止めるべきだと考えます。

・ 軽装を用意して使用する
  飲食店など滞在型の空間に出入りする場合は、通常の服装ではなく軽装を使用します。滞在型の空間には、お客は「場所代」を支払っています。身なりのだらしない客は断わられることもありますが、同様に空気を塗り替えるような方たちに入って来られることは迷惑となりかねませんので、必要の際は障りのない軽装に着替えるなどの配慮が必要です。
 服装については良い印象を持たない人もいる事は考慮すべきです。災害や事件・兵器軍事行動(海外経験)の記憶が蘇ってしまう人もいるかもしれません。
  
・少人数で行動
  同じ制服の人が複数いてその組織の色合いを空間に濃くしている場合、そこにはバリアが出来ます。集団でたむろしている状態です。
 コンビニのレジや自販機の前に並んで列を作ると、近寄り難い空気が生まれて利用しづらくなる人はいると思います。特に用が済んだにも関わらず場に居座って譲らない格好になっていたりすると最悪ですが、彼らも本来の行動中でない事で気が緩んでしまっている可能性があります。迅速に用件を済ませ整然と行動しているかは甚だ疑問があります。なぜかというとコンビニのレジを短時間で済ませる専用の訓練などは恐らくしていません。加えてバイト接客の経験が必須ではありませんので、人の流れをよく理解していない可能性は高いと思われます(個人差がかなりあるのが自然)。先程の10人に 1人の例で反感を買ってしまう恐れはあると思います。
 こういった空間の占拠を防ぐため、買い出しは少人数で行った方がよく、大勢で個々にレジに並ぶと占拠している時間も長くだらだらとするように感じます。できれば買い出し要員は軽装待機しておくべきかと思います。

 たかが服装、気にしないというのも分かりますが、そもそも公務かどうかを見ているのは服装です。一般と公務を色分けしている外見的な特徴ですのでここに気を遣うのが当然でしょう。

最後に

 情緒で捉えるからおかしくなるので、このようにシステマティックに解決すればよいのではないでしょうか。
 情緒から入ると批判の応酬になるだけだと思います。

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