変わったジンクスがある。

「誕生日前後と年末は環境に気をつけなさい」「体調を崩したりつらいことが起きたりしやすいから」

昔、母親に言われた言葉である。どうやら母親も母親の祖母(私から見れば曽祖母)に言われたことがあるらしく、少なくとも4代ほど受け継がれているジンクスのようなものである。体調を崩すときは崩すし、タスクに忙殺されるときはされるし、人間関係で問題が起こるときは起こるもんだろうと思ってはいるが、確かに思い返すと誕生日前後や年末は風邪で寝込んでいたり多忙で気力を使い果たしていることが多い。

このジンクスにかなり振り回されているのが父親である。父親は6月の中旬生まれなのだが、6月いっぱいまるごと忙しそうにしているし、年末には風邪を引いている。ひどいときは父親のパソコンのHDDがお亡くなりになっている。記憶違いでなければ、ここ5年ほどで6月に2回ほどお亡くなりになっているはずだ。寿命なのかもしれないが、ピンポイントで6月にお亡くなりになっているので流石に可哀そうである。青い顔をした父親から「HDDが認識されない」と言われたとき、母親とこっそり「6月だもんね……」「ジンクスじゃ……」などとひそひそ話をしている。もはや「HDD死んだ」が我が家の季語だ。去年の6月はHDDは無事であったが仕事の方でタスクを積み、慣れない時差出勤で体調を崩していたのだったか。この記事を書いている今は6月上旬である。父親はどうやら人間関係を少し拗らせたようでげっそりしている。ああやっぱり6月だ。HDDは今年も無事に6月を越えられるだろうか。

ところで、私の誕生日は6月末であり、私も6月、特に下旬あたりから要注意なのである。去年の誕生日前後は初のオンライン授業に伴う容赦ない課題に忙殺された。一昨年は寝不足にならざるを得ない状況になり体調を崩しかけ、結膜炎を発症し目を赤く腫らしていた。父親ほどではないが私もジンクスに振り回されている。今年は無事に夏を迎えたい。

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