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三週間の教育実習を終えた。

表題の通り。8月最終週から三週間、母校でもある地元の公立高校に教育実習に行っていた。控えめにいってかなり大変だったけれど、そのぶん密度の濃く長い、しかし思い返せばあっという間な、いい三週間になったと思う。実習当初と終わった今とでは、少し違った人間になったような気分だ。

壁を、越えた実感がある。


今はまだ、実習で何が起きたかを落ち着いて言語化できる段階にはないと思う。だから代わりに、最後に受け持った生徒たちへ送ったメッセージを、これはまず手紙を書いて、それをもとに口頭で五分くらい話したものなのだが、ここにも記しておこうと思う。書いてあるように、僕自身が大切にしていることでもあるからだ。


たった三週間でしたが、皆さんのおかげで、僕はこの教育実習を乗り越えることができました。本当にありがとう。感謝にかえて、僕自身が大切にしてきたことを、僕から皆さんへのメッセージとして送りたいと思います。

これから皆さんは、好む好まざるに関わらず、何度も壁にぶつかることでしょう。そしてその度に悩んだり苦しんだりして、時に絶望することもあるかも知れません。けれど、それでいいんだと思います。だって、僕自身がそうだったからです。22歳になった今でも、そんなことばかりです。この教育実習だって、僕にとっては明らかに壁でした。最初の週に、あるクラスの授業で失敗もしたけれど、それを経験したからこそ(そのクラスの皆には申し訳ないとは思いますが)、皆さんに協力してもらった研究授業のような結果に結びつけることができました。

そのように、僕はまだまだ教員としては未熟です。だから、僕は先生としてではなく、僕自身の体験としてしか、皆さんにお話できるようなことがありません。

ただ、それでも一つだけアドバイスするなら、もしも壁にぶつかった時、決して問題から目をそらしたり、めんどくさがって投げ出したりはしないでください。例えその時、どうしても壁を越えることができないとしても、多少苦しくても、それでも、考えることをやめないでください。それこそが成長のスタートラインであり、また誰かを思いやる優しさを身につけるきっかけでもあるからです。人は、悩んだぶんだけ誰かの悩みに共感できるようになります。


考え続けるというのは大変なことですが、これから皆さんが豊かに生きていくためにはとても大切なことだし、なくてはならない力だと思っています。そして国語を読むというのは、そのための訓練の時間でもあるのです。
悩み抜き、様々な壁を乗り越えて成長した皆さんと、いつか再会できるのを楽しみにしています。

2014年9月12日


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