見出し画像

BATTLE JACKET

皆様はじめまして。
眼力殺目(メジカラキルマナコ)と申します。

普段は糞みたいなサラリーマンです。
どうぞよろしくお願いいたします。

とりわけ80~90年代のカルチャーが大好物でして
スラッシュメタル、ラップを好んで聴いております。
推しのバンドはANTHRAXとEXODUSです。

ANTHRAX
EXODUS

崇拝するラップレジェンドはDMC師範代です。

メロイックサインかますDMC師範代
あんたはもうメタルだよ・・・。

いつか作りたいと思っていたバトルジャケットを製作したので、
備忘録として残したくこの記事を書いている次第です。

もし、バトルジャケットを作りたいな~って思っている方がいれば、
こんなに簡単に作れますので、参考にしていただければ幸いです。

『バトルジャケット』とは

メタルミュージックを愛する民にとっては、
ライダースジャケットと双璧を成す文字通り『戦闘服』です。
バトルベスト、メタルベスト、メタルジャケットとも呼ばれています。

よく見かけるよね
この光景みたことあるでしょ?
MODなのかな?
グランドセフトオートにも
出てくるみたいよ

作り方は文章にすると非常に単純でして、
デニムジャケットの袖をカットオフし、
自分の好きなバンドのワッペン(パッチ)やピンズや缶バッチ、
スタッズ(鋲)、ペイント、ダメージ加工等を施します。
ライダースジャケットやシャツなどを加工する人もいます。

古くはWW2の頃のアメリカ空軍のパイロットのボマージャケットに
配属部隊のイラスト等をペイントしたのが起源だそうですが、この辺りのことは諸説あるだろうし、
興味ある人なんていないだろうからあえて割愛します。
バトルジャケットの歴史が知りたいという人はググってください。
バイカー、パンクス、ロッカーズ、モッズとかも調べたらいいと思います。

日本では、ご存じスギちゃんのイメージが強すぎて、
デニムベストはワイルドを表現するために、素肌で着るものだと思っている方が多い印象です。80%の方が「裸で着ないの?」「ワイルドなの?」って
聞いてきます。

スギちゃん

◆デニムベストのイメージ(嘘)
・ワイルドな人が素肌に着る・・・50%
・右肘と左肘を交互に見せる人が着てる・・・20%
・ケンシロウっぽい・・・10%
・メタルピーポーが着てる・・・10%
・格闘技の人が着てそう・・・3%
・オシャレ・・・2%
・その他・・・5%

このところ夏になるとよく古着屋でデニムベストみかけたから、
水面下で流行ってるのかも・・・
ネクストブレイクアイテムなのかもなんで
今のうちに押さえておきましょう。

ただ、最近ではNETFLIXで放送されているドラマ
「ストレンジャーシングス」
に登場するキャラクター「エディ・マンソン」が着ている事で
認知された方も多いかと思います。
シングルライダースの上から、
バトルジャケットを着るというカッコよさ。
イケメンで高身長は何着てもかっこいい。

エディ・マンソン

DIOのバックパッチさえ入手できればすぐにでも再現できるから、
そのうち作ってみたい気もしますが、
お恥ずかしい話でストレンジャーシングスをまるで観ていない
(というかNETFLIXに加入してない)ので、
この辺で切り上げます。

ちなみに、エディのバトルジャケットには、
DIOのバックパッチのほかに、
メガデス、リヴァイアサンクロス、アイアンメイデン、
モーターヘッドのパッチが貼ってあります。
あとピンズもね。

前置きが長くなりましたが、材料の説明です。
【用意するもの】
・デニムジャケット(新品より中古がいいです)
・ワッペン(以下、パッチ)
・ハサミ(デニムジャケットの袖をカットオフするのに必要です)
・糸切?糸カッター?(アレなんて名前?先端がヘラクレスオオカブトみたいになっている棒です)
・針と糸(100均にあるものでOK、ミシン糸か手縫い糸がいいと思います)
・安全ピン(まち針)
・缶バッチ、ピンズ(好きなジャンル、好きなバンド、好きなキャラクター、なんでもOK)
・スタッズ(鋲)

たったこれだけです!

ミシンで作る人もいますので、ミシン持っている人はミシンの方が
キレイに完成するかもですが、残念ながら私の家にミシンは存在しません。

デニムジャケットは、拘りがなければなるべくセカンドハンド品、
または着倒したものがいいと思います。
リユースショップやフリマサイトでマイサイズを安く買いましょう。
リジットとか絶対やめといたほうがいいと思います。
なんせパッチを縫うんで、洗うと絶対的に縮むだろうから・・・。

あと、これもやってみると分かるんですがリーバイス557か70505が
おススメです。世間では3rd、4thと呼ばれるモデルですね。
脇ポケなしで胸のフラップポケットだけのヤツ。
後期になるとポケット付いてるのか。しらんけど。

アメリカ製やビンテージに拘らなければ、同じ型なのに比較的安く買えるのと、なにより脇のポケットがないからです。
パッチを縫う上で、ポケットがあるはもっとも難易度高いです。
だって布が何重もあるからね。
やってみると超めんどくさいし指がちぎれそうなほど痛くなります。
袖付きで作る方もいますが、袖がないだけで非常に針裁きがしやすいです。

英知の賜物ですね。バトルジャケットって理に適ってる。

パッチは大量にあった方がいいと思います。
好きなジャンル、好きなバンド、好きなキャラクターなんでもOKです。
器用な方はTシャツ等をカットしてパッチ代わりにする方もいます。
パッチはバンドTシャツ専門店などで購入できますし、通販サイト(ヤフー・楽天・アマゾンなど)やバンドTシャツ専門店、音楽グッズ専門店、
CDショップ、メルカリ・ヤフオクでも買えます。

材料が揃いましたら、さっそく作っていきましょう。

①デニムジャケットの袖を切り落とす(カットオフ)

躊躇することなく、ハサミで袖を切り落とします。
普通に生活するうえで、「デニムジャケットの袖を切り落とす」ことって
ほとんどないと思うのですが、やってみるとすごく気持ちいいです。

とはいえ、中古品はまずは洗いましょう。
オキシ浸け&エマールで洗います。

ションベンみてえな汁が出てきた

これ、フィリピン製のやつなんです。
この頃ってダメージ加工や汚れ加工が流行ってたんで、
なぜかほとんどのデニム生地が白糸に泥加工?されてるんですよね…。
なのでオキシ浸けで落とします。
こうすることで白糸の色が抜けていい感じになります。
型はいいのでこーゆー時にはフィリピン製を探します。
洗えばいいからね。

エマールで洗ってだいぶ綺麗になりました。

乾いたらいよいよ袖を切り落とすわけですが、
写真撮るの忘れたので、イメージお借りしまーす。

破壊活動ってチョー気持ちいい。

写真はMetal-Lifeさんのサイトから(https://www.metal-life.com/?mode=f10)

好みがあると思いますが、フリンジ(ちょっとボソボソ)させたい方は、
少しだけ生地を残して切りましょう。私は際っキワを攻めたい派です。

写真はMetal-Lifeさんのサイトから(https://www.metal-life.com/?mode=f10)

袖をボソボソさせたい方は、カットオフのあと洗濯機で洗います。
ある程度生地がほつれてボソボソします。
ボソ足らない場合は、指とかハサミの歯で擦るとボソボソしてきます。
やり過ぎると元2700のツネになります。

解散した2700

ご注意ください。

あーKAPPEIで伊藤英明きてたなそーいえば

何故、
『強い=素肌にデニムベスト』なんだよ!?!?
そういうファッションアイコンなのかよ!!!!

で、このあとの行程がすごく重要です。

②パッチの位置を考える

これが一番大事な行程であり、楽しい時間でもあります。
楽しいからずっとコレだけやってたいぐらい。
多分みんなこれやるので満足しちゃうからバトルジャケット完成しないんじゃない??

※このあと、デニム地にパッチを手で縫うという修行が待っています・・・

こんなかな〜
こんなかな〜

適当に並べてみます。この時間が楽しい。

③バックパッチを縫う

バトルジャケットは背中で語れ。

バトルジャケットの醍醐味であり、最も主張が強い場所になります。
とにかく最推しのバンドのお気に入りのデザインのモノを貼りましょう。
バックパッチは古い物は高価ですが、比較的新しいものは1,500~3,000円くらいで購入できます。

とにかくパッチを沢山貼りたいという方は不要です。

私のは、敬愛するANTHRAXの「Persistence Of Time」の
1990年製デッドストックのモノを貼りました。
結構高い金払った記憶…。

安全ピンでガチどめ

縫い方はもう各自の自由です。私は「なんちゃってたてまつり縫い」です。

たてまつり縫いイメージ

家庭科で習った記憶を頼りに無心に縫っていきます。玉結び苦労したよね。

縫い糸の「1本取り」「2本取り」というのがあるのですが、
縫っているうちに、『パッチを縫うのは2本取り』が最適
と勝手に思いました。理由は頑丈そうだから。ただそれだけです。
縫っているうちに糸がよく絡むけどね。

「1本取り」と「2本取り」

パッチの位置を固定するために、まち針や安全ピンで留めて縫った方が
非常に楽です。
縫っているうちに斜めになったりするからです。
パッチに刺し跡が残るんですが、水に通してふにゃふにゃ手もみすれば、跡なんてほぼ無くなります。

縫い付けました。

④パッチを沢山貼る(縫う)

最初で最大の難関、バックパッチが縫い終わりましたら、
あとはパッチを無心に貼っていきます。ここからは修行です。

途中で飽きるので、自分の好きな音楽とか動画流しながら、
とにかくリラックスして作業しましょう。

YouTubeで外国人がバトルジャケットの作り方紹介してる動画あったので見てみましたが、とにかくバトルジャケット作りに重要なのは瓶ビールとメタルだと言ってました。
針が通らないところは瓶の底で打ち抜けとのことです。先人の知恵だ。

あと、老眼気味になってきた私にとっては、灯りがかなり重要でした。
スタンドライトあった方がいいかもです。
貼りたい位置を決めながら、バランス見ながら縫っていきます。

まずはスラッシュ4天王と
アイアンメイデン

パッチにはアイロンのりが付いているタイプもあるのですが、
ここで経験上のアドバイスです。

『縫いましょう』

アイロンパッチはアイロンで貼るだけなんで便利なんですけど、
はがせない(というか剥がすのにかなりの労力がいるし、
キレイには剥がれません)のでリセットできません。
あとアイロンノリは洗濯するうちに剥がれてきますので、
結局縫うことになるので、最初から縫えばいいと思います。

だいぶバックは完成に近づきました。

ここまで来るとだいぶ飽きてくるのですが、まだフロントが残ってます。『人の第一印象は顔が90%』
メラビアンの法則でしたっけ?

バックより難しくね??
でも正解なんてないので、自分を信じて好きなように進めていきます。

ゴリゴリ進めてます。

こだわりポイントはSLIP KNOTのパッチを中心に配置したところ。
自分、未年で山羊座なんす。元祖草食系男子。

ただそれだけです。

様子みながら、フラップポケットにピンズや缶バッチを付けていきましょう。だいぶ印象が変わります。

インドフェスで買ったブッダアイの缶バッジがいい感じ

缶バッチとかピンズって知らないうちに落ちてなくなるんですが、
少しでも失うリスク回避のために、裏側にピアスのストッパーをつけると
少しだけ外れなくなります。ピアスのストッパーは100均で売ってます。

こんな感じでかませます。

本当なら胸ポケットのところにもパッチ貼りたいんですけど、
ここ縫うとポケットが機能しなくなるんですよね・・・。

あ、どうせなら内側にポケットつくっても良かったかも。
今さら思いついた。

⑤完成!!!

できました。
自分で作成した2着目であり、結構ガチで作りました。
ピンズと缶バッジは外してあります。

フロントは割と幅広いバンドで構成してます
バックはスラッシュメタル色強め

だいぶいい感じに仕上がったと自負しています。

でもこれで完成ではないのです。

こいつは今後コンサートに毎回着ていく『一張羅』になるのです。

きっとこの先もパッチの位置を変えたり、外したり、足したりしながら、
まだ出会っていないイケイケのバンドのパッチを貼っていくのです。

旅行カバンかのように・・・

コンサート行くときはライダースを着ていくことがあるんですが、
ライダースジャケットは重いんです。この歳になると肩こるのよ。
拳なんぞ振り上げてヘドバンしたら、翌日めちゃつらいんですよ。

これからはバトルジャケット着ていきます。

ちなみに初めて作ったやつは、本当なら先日開催されたTHE BAY STRIKES BACK TOURに着ていくつもりだったんですが、バランス悪くて失敗したのです…。

これはコレでいいけど
脇ポケついてんですよ。

ということで…現在は、少し縫う技術が向上したのでスクラップビルド中です。LAMB OF GODが中心になる予定です。(彼女仕様)

ポケットを使えるように縫ってます。
再構築中

いつか完成した時にまたご紹介します。


最後に余談になりますが、

長く生きると分かってくるんですが、
欲しい服が世の中にないんです。まじで切実に。

ブランドロゴが不要になり、かっこいいのものさしは自分の心にあり、
周りの目なんて気にならなくなる。

こうなると本当に服屋にいっても試着したいとも思わないし、
流行りについていけなくなる。
これが俗に云うところの『老い』ということですね。

でも『老い』は『情けなくなる』のではなく、
『研ぎ澄まされていく』ことだと思っています。

チンチンは勃たなくなるけどね。

たまに老人が着てるカーディガンとかジャケットが
すさまじいオーラ醸しているときあるじゃないですか?

健康診断の時に行く病院の医院長が、
スーツ型白衣着てて、机の横には、
金の鷹が持ち手についた白ステッキ置いてるんですよ。

どこで買ったのよそのヴィランが持ってそうなステッキは。

欲しい服ないじゃん。じゃあどうするか?
自分で作り出すしかないんです。

自分の着たい服を生み出すために、
そのベースとなる服を古着屋で探して生まれ変わらせる。
SDGsを意識するわけでもないけど、誰かが着なくなって売ったGジャンが、
バトルジャケットとして再び蘇るなんて、
すごくエコロジーじゃないですか?
ものすごいサスティナブルでエモーショナルですね。

ではまた・・・

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?