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JANコードとISRC

マスタリングでは、プレスマスターを作成する時に、ISRCとかJANコードっていうものを入力します。

よくこれらについて比較的多く質問を受けるので、今回はJANコードとISRCについての簡単な内容をテーマにしてみました。

JANコードというのは、要するに様々な商品に付いているバーコードですね。商品の識別番号です。
マスタリングの現場では、「POS」と呼んでいます。
正式には「JANコード」が正しい呼称で、「POS」というのは、バーコードを使った集計システムのことです。
CDの裏側や帯などに付いていますので、見て頂ければすぐにわかります。
この取得については、ISRCの説明の後でご説明しますね!

ISRCとは、「International Standard Recording Code」の略称で、
日本語で「国際標準レコーディングコード」といいます。

どういうものかというと、レコーディングされた音源の識別に使われる国際標準コードで、バージョン違い(リミックス含む)やタイム違い、別のアーティストさんがカバーした場合などすべて含めて、それぞれの楽曲に対して個別に付けられる識別番号です。
レコード会社さんなどでは、社内管理などに利用したり、Music Forestのようなサイトなどでは、ISRCによる楽曲検索も可能です。

ISRCを必ず取得しなければならないという法律があるわけではないので、取得しなくてもCDをリリースすることは出来ます。
ただし、配信リリースをする場合、事業者によってはISRCの取得が必要な場合があります。
また、同じアーティストさんが歌っている場合でも、バージョン違いなら別のコードが付くことになりますし、どなたかがカバーをする場合なども含めて、誰のどのバージョン、といったことの確実な確認も可能になります。
二次使用の場合には、分配にも利用されることがあるので、商用目的の場合は取得しておいた方が良いです。

では、ISRCコードがどういう構成になっているかというと、まず、最初に国名コードが入るので、日本の場合は「JP」が必ず最初に付きます。
そして、次に登録者コード、例えば、「AA0」といった風に3桁、次に年次コードが2桁なので、2015年の場合は「15」ですね。
(ISRCが運用されて100年経つ頃にはどうなるんでしょうね!)
そしてその後にレコーディング番号5桁が続きます。この5桁には「00000」は除くということになっています。
だから、あるレコード会社でその年に一番最初に付与される番号は「00001」ということになるのです。
このように通し番号が多いですが、最初の4桁を通し番号で、最後の一桁をヴォーカルもの、カラオケ、インスト、などの識別用に使ったりする会社もあります。

さて、JANコードやISRCの取得方法ですが、まず、JANコードについては、事業者登録をしなければならなく、これには、早くても10日~2週間程かかりますので、早めの準備が必要です。
そして、どういった品目を扱う事業者なのか、年商はどれくらいとか、登録申請書に、細かくいろいろと記載しなければならないのでちょっと面倒です。
また、3年毎に費用を払わなければならなく、継続していかないと自分が取得した主コードを変換しなければならなく、その後、他の事業者が使うことになる可能性もあるので、個人で生涯に何作品もリリースすることがない場合は現実的ではありません。
では、どうすれば良いのか、、、。プレス会社さんなどで、取得をしてくれる会社もあり、また配信会社さん(アグリケーター)でも取得は可能ですので安心してください。
そして、Winns Masteringでも、事業者登録をしているので、もし必要なインディーズ、自主制作のミュージシャンの方は、ご利用くださいね!!

次に、ISRCコードですが、こちらは登録する人、会社は、その楽曲について基本的に権利を数%でも持っていることが条件になります。
そのため、どこかの会社などで代行するということは、あまりありません。
個人でも簡単に取得出来ますし、ご相談があった場合には、ご本人や、バンド単位での取得をお勧めしています。
ただ、配信リリースの場合は、アグリケーターで取得出来るようです。とは言え、マスタリングでプレスマスターを作成する時に、必要になりますので、事前に取得して準備しておくのが現実的です。
JASRACへのISRCの取得にはUプランとJプランがあり、個人で登録する場合は「Jプラン」になります。
費用は、1レコーディング単位(1曲辺り)で330円(2023年10月時点)です。
申請には、住民票の写しと印鑑証明書が必要になるので、早めに準備しておくのが良いですね。

「Jプラン」で申請した場合のISRCコードの最初は、「JPZ92」までが共通で、その後は「年次コード」「通し番号5桁」が続くようになっています。

以上が、音楽制作におけるJANコードとISRCの説明と取得についての解説です。

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