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【海運の次は陸運だっ】【陸運受注爆増で店舗に商品並ぶのが追い付かない状況も】【陸運には隠れた高収益企業も】




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1.概況

このところ全米のスーパーマーケットで、空っぽの陳列棚を見かけるのが日常的になっている。食料品への需要が回復する一方、輸送コストの上昇やオミクロン株拡大に伴う人手不足により新たな物流停滞が発生しているのだ。業界団体によると、約12万人の労働力が不足しているのに対し、先月新たに雇用できたのはわずか1500人だという。

2022/1/22 18:00 ロイター発信


昨日スーパーに買い物に行ったら似たような感じの状態でした。しょうがないので別の店舗に行ったら普通に商品棚はいっぱいでした。他のTwitterの在米日本人の方からもスーパーの棚に物資がないみたいな報告もいくつか見かけたのですが、今サプライチェーン混乱しているのかな?(ぽーさん)

2022/1/10  ツィッターより


 上記の、情報からもかなり陸運が逼迫している様子がみてとれる。

  足元の運賃は通常の2-2.5倍!!という凄まじい情報もっ!!

 サプライヤーの費用負担で、コンテナピックアップ→積み込み→港の指定場に持っていくまでのトラック手配はサプライヤーの責任で契約していることが多い。が、この条件に関わらず、トラック会社とうまく連携が取れていないサプライヤー企業はいつまでたってもアレンジ出来ておらず、終いには匙を投げサプライヤー企業が配車ができずにいる始末。高騰するトラック料金を折り込めきれず次からはトラックの手配をサプライヤー企業が出来ないと言ってきている事案が発生。。。身近な例で、この1月で3件同じような事案が発生している。。。1ヶ月で3件は異常です。今後もこのような動きは出てくるか。さらに今年の夏にロス/ロングビーチ港のストが計画されており、ただでさえ供給がタイトな陸運業界の一層の混乱要素である。



2.運輸業界


 運輸業界は、賃金上昇率も非常に高い。

  ⇒業績、受注が多いことがわかる。

   *運賃が誤字で、正しくは賃金ですね。



 運輸、陸運、倉庫セクターは雇用回復は既に100%を超えており、十分、雇用は回復している状況ということがわかる。

 雇用が回復しているのに、運賃が高騰している。

⇒需要、受注が圧倒的に以前より多いことを物語っている。

   *海運が誤字で、正しくは陸運、倉庫ですね。



 運輸業界についてもっといろいろ調べておきたいところだが、上記の需要がとても強いことがわかる賃金と失業率の数字で今回は十分強いことがわかったので、今回はさくっと個別銘柄チェックに行こうと思う。スタリオンさんが以前挙げてらした5銘柄を中心にさくっと。。

 



個別企業①SAIA サイア

 


サイアは、完全子会社を通じ、米国全域で、地域内および地域間の小口トラック輸送(LTL)、アセット・ライト型トラック輸送、急送サービス、およびロジスティック・サービスを提する運送会社である。貨物運送料が収益源である。

時価総額:7183    自己資本比率:62%   ROA:13.1%

  売上 増収率 当期利益 利益率  営業CF  マージン PE

19年 1,787 8%  147  8.2%   273  15.2%  48.8倍 

20年 1,822 2%  176  9.6%   309  16.9%  40.8倍

21年 2,277 24%  245  10.7%          29.3倍

22年 2,581 13%  301  11.6%          23.8倍

所感:財務が強い(自己資本比率 62%)利益率は上昇基調で、営業CFマージンが15%強と高いのが好感直近のコロナダメージ中も連続増収中でこれには好感・先々のコンセンサスも良好2022年末時点のPEは23.8倍見当と現状の40.8~29.3倍からは下がる。やまえつとしては投資適格な銘柄である。


個別企業②ODFL オールド・ドミニオン・フレイト・ライン


オールド・ドミニオン・フレイト・ラインは、米国第3位の小口トラック輸送(LTL)会社である。240カ所を超えるサービス・センターを展開し、保有するトラクターは9,200台を上回る。トラック業界で、最も規律が高く効率的な会社のひとつとされており、収益率と資本利益率は競合他社をはるかに上回る。継続的なインフラ投資により業界トップクラスのサービスレベルを維持して市場シェアを拡大することで、ネットワーク密度の高度化を図ることを主な事業戦略としている。


時価総額:34,136    自己資本比率:76%   ROA:21.3%

   売上 増収率 当期利益 利益率  営CF  マージン  PE

19年 4,109 1.6%  616   14.9%  984   23.9%  55.4倍

20年 4,015 -2.3%  673   16.7%  933   23.2%  50.7倍 

21年 5,234 30.4% 1,017   19.4%            33.5倍

22年 5,919 13.1% 1,192   20.1%            28.6倍

所感:財務がとても強い(自己資本比率 76%)利益率は20%前後と非常に高い上にさらに上昇基調で、営業CFマージンが25%弱とこちらもとても高いのが好感。20年は減収だが、先々のコンセンサスは良好。特に21年の増収率は30.4%と非常に高い見込みである。2022年末時点のPEは28.6倍見当と現状の50.7~33.5倍からは下がる。やまえつとしてはもちろん投資適格で好みな銘柄である。

個別企業③JBHT JBハント・トランスポート・サービシズ


JBハント・トランスポート・サービシズは、北米の陸上輸送会社で、売上高でみたトップクラスの企業の一社である。主な事業部門は、第一種鉄道運送事業者を基礎としたインターモーダル(複合一貫)輸送(2020年の売上高の約49%)、顧客固有のニーズに対応したフリートを提供する専用トラックサービス(23%)、レンタルトラック輸送(5%)、重量物ラストマイル配送(7%)、アセットライト(資産の軽量化)型のトラック仲介(17%)である。


時価総額:20,908    自己資本比率:45%   ROA:10.9%

   売上 増収率 当期利益 利益率  営CF  マージン  PE

19年 9,165 6.4%  516  5.6%  1098   11.9%   40.5倍

20年 9,637 5.1%  506  5.2%  1123   11.6%   41.3倍

21年 12,168 26.3% 761  6.2%             27.4倍

22年 13,939 14.5% 932  6.6%             22.4倍

23年 14,811 6.3% 1,021  6.8%             20.4倍

所感:財務は普通(自己資本比率 45%)利益率は安定しつつも上昇基調で、営業CFマージンが10%強とこれも安定直近のコロナダメージ中も連続増収中でこれには好感・先々のコンセンサスも良好。2023年末時点のPEは20.4倍見当と現状の41.3~27.4倍から下がる。やまえつとしてはとっても安定していると感じ一番安心して投資出来るのでもちろん投資適格。

個別企業④KNX ナイト・スイフト・トランスポーテーション・HD

ナイト・スイフト・トランスポーテーション・ホールディングスは、資産規模で米国最大級のトラック運送会社である。売上高の約80%は、自社で保有するトラックによる輸送事業(ドライバン、冷蔵、専門輸送契約を含む)が占める。残りは、トラック輸送仲介やアセット・ライト(トラックを保有しない)なロジスティック・サービス(同8%)、および、輸送の主要区間に第1級鉄道を使用するインターモーダル(同8%)が占める。また、ドレージサービスも提供している。


時価総額:9,227    自己資本比率:69%   ROA:6.7%

   売上 増収率 当期利益 利益率  営CF  マージン  PE

19年 4,844 -9.4%  309  6.3%   840   17.3%   30.0

20年 4,674 -3.5%  410  8.7%   920    19.6%  22.5

21年 5,922 26.7%  752  12.6%             12.3

22年 6,862 15.9%  822  11.9%             11.2 

所感:財務が強い(自己資本比率 69%)利益率は上昇基調で、営業CFマージンが20%弱ととても高いのが好感。連続減収中だが、先々のコンセンサスは良好。2022年末時点のPEは11.2倍見当と現状の22.5~12.3倍から下がる。やまえつとしてはもちろん投資適格でとても好みな銘柄である。

個別企業⑤ARCB アークベスト


アークベストは、物流事業を手掛ける。資産ベース、ArcBest、FleetNetの3部門で事業を運営する。資産ベース部門は、ABF Freight System Inc、および ABF Freight System (B.C.) ULC、ABF Freight System Canada ULC、ABF Cartage, Inc、Land-Marine Cargo, Incを含むその他の子会社からなる。ArcBest部門はアセットライト型の物流事業を手掛ける。資産ベース部門から最大の収益を得ている

時価総額:2,171    自己資本比率:46%   ROA:9.3%

売上 増収率 当期利益 利益率  営CF  マージン

19年 2,988 -3.4%  40  1.3%  170  5.6%

20年 2,940 -1.6%  71  2.4%  206  7.0%

21年 不明

22年 不明

所感:財務が弱く(自己資本比率が低)利益率もとても低い。連続減収中であり、規模も大きくなくアナリストがついておらず先々のコンセンサスも不明である。やまえつとしては投資不適格。

個別企業⑥XPO XPOロジスティックス


XPOロジスティックスは、多角的に事業を展開する運輸・物流企業である。主に買収(2016年まで)を通じて事業を構築してきた。2021年第3四半期の物流請負事業のスピンオフ(分離・独立)後の事業ポートフォリオは、資産を保有して行うLTL輸送などの運輸事業(粗利益の33%を占める)、インターモーダル(複合一貫輸送)やトラック仲介などのアセットライト(資産を保有しない)フレイト仲介事業(同29%)、重量物ラストマイル配送事業(同8%)、欧州の貸切輸送・LTL事業(同24%)で構成されている。残りの粗利益は、管理輸送とグローバルフォワーディングサービスが占める。

時価総額:7,642    自己資本比率:16%   ROA:2.6%

売上 増収率 当期利益 利益率  営CF  マージン  PE

19年 16,648 -3.7%  419  2.5%  791  4.7%  18.2倍

20年 16,252 -2.4%  110  0.6%  885  5.4%   69.4倍

21年 11,372 -30.0% 504  4.4%           15.1倍

22年 10,789 -5.1%  545   5.0%          14.0倍

所感:財務が非常に弱く(自己資本比率が16%)利益率も低い。連続減収中で、先々のコンセンサスも21年度は大きく悪化する見込みでその先も減収見込み2022年末時点のPEは14.0倍見当と現状の69.4~15.1倍から下がる。やまえつとしては投資不適格。

4.結論


 陸運もシクリカルトレード候補として面白いと感じる。5つの銘柄をみて行ったが、財務が堅実で利益率、営業CFマージンも高く安定している銘柄もあり落ち着いてトレードが出来ると感じる。

財務良好(自己資本比率 76%)安定成長、高収益、高営業キャッシュフローマージンのODFL オールド・ドミニオン・フレイト・ラインがやまえつの一番のお気に入りである。

JBHT JBハント・トランスポート・サービシズ

SAIA サイアも、安定感が素晴らしいので安心してトレード出来る銘柄です。

KNX ナイト・スイフト・トランスポーテーション・HDも面白い。


5.やまえつの本音

今からの業績上方修正も楽しみだが、長期的にみてサイクルが循環し業績悪化して来る来るべき数年後の激安バーゲンが起きたら、、この4社の中からバーゲンハントを楽しむのも一興である。

トラック画像④ ODFL


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