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亜鉛 



①亜鉛とは

亜鉛は青みがかった白色の金属で、室温では脆いですが、
加熱すると展性になります。亜鉛は地球の地殻の鉱物として自然界に見られ、腐食から保護するための鉄鋼のコーティングとして一般的に使用されています。

亜鉛は、その優れた導電性、耐食性、および低コストにより、
電子産業で広く使用されている用途の広い材料です。
腐食防止用の亜鉛メッキ、電子部品用の亜鉛合金、各種電子用途の酸化亜鉛、低電力用途の亜鉛炭素電池など、さまざまな形態で使用されています。
全体として、亜鉛はエレクトロニクス産業に不可欠な材料となります。

Source: https://www.mordorintelligence.com/ja/industry-reports/zinc-market

②亜鉛の産地、供給、需要

世界の亜鉛の市場規模は、2021年から2027年に4.6%のCAGRで拡大し、
2027年には496億米ドルになると予測されています。
市場を牽引する主な要因には、亜鉛メッキ鋼板の需要の増加と、
インド、ブラジル、インドネシアなどの新興国市場における
インフラ整備などがあります。

亜鉛市場
2018年 16.00K
2019年 16.68K
2020年 17.99K
2021年 19.51K
2022年 21.53K

③亜鉛の価格推移

亜鉛年次価格 チャート リアルタイム

https://ecodb.net/commodity/zinc.html

亜鉛価格の年次推移
ドル建てと円建てで見てみたが、
円建てだと為替の影響が不確定要素になりがちであり
ドル建てで過去の推移を振り返ってみたい。

亜鉛価格の年次推移を見ると成長市場特有の
一本調子の右肩上がり、右肩下がりのトレンドではなく
数年毎の上がり下がりが見られる典型的な景気循環の
サイクルを描いている。

    天井  底          天⇒天 底⇒底 天⇒底 底⇒天

1989年 1658ドル ⇒ 1993年 0961ドル  8年 9年  4年  4年 
1997年 1316ドル ⇒ 2002年★0778ドル  9年 7年  5年  4年
2006年★3275ドル ⇒ 2009年★1655ドル  5年 4年  3年  2年
2011年 2193ドル ⇒ 2013年 1910ドル  7年 7年  2年  5年
2018年 2922ドル ⇒ 2020年 2266ドル  4年    2年  2年     
2022年★3481ドル 

大相場は最近の30年では2回。
2006~2007年にかけての3275~3242ドルの大天井と
2022年の3481ドルの大天井。
 

④亜鉛メジャー 

亜鉛市場は本質的に統合されており、
少数の主要なプレーヤーが市場のかなりの部分を支配。
主要企業のいくつか(順不同)

Glencore
Nyrstar
Hindustan Zinc
Teck Resources、
Boliden


日本企業 5707 東邦亜鉛


亜鉛・鉛の製錬大手。豪州鉱山買収で自社権益比率を拡大。
環境・リサイクル、電子材料を併営

製錬(非鉄金属製品/亜鉛・鉛・銀の製造)
資源(亜鉛・鉛鉱石の探査・開発・生産)
電子部材・機能材料(電子部品、電解鉄)
環境リサイクル製品(酸化亜鉛)、防音建材の製造・販売。
川上事業の鉱山開発(亜鉛・鉛鉱山をオーストラリアで操業)から亜鉛製錬、川下事業の環境・リサイクルと電子部材・機能材料の製造まで一貫して手掛ける。
主力製品は亜鉛(国内シェアは約2割、3位)
鉛(生産国内1位、車などのバッテリー鉛)
銀(生産は国内トップクラス)
電解鉄(世界トップクラスの品質・シェア)
鉛遮音材(国内トップ)。
2010年豪州の鉱山会社CBH社を完全子会社化。
2019年豪州西オーストラリア州Abra鉛鉱山開発事業に参画(2023年粗鉱採掘を開始)。

亜鉛製錬は再生原料比率2割を25年度5割、さらに8割へ。電力高継続見据え原料費抑制し採算確保。リチウムイオン電池リサイクルの前工程参入も目指す。

年度 当期利益 EPS  BPS

2016年▲16,221 なし 3,254
2017年 8,814 649  3,828 
2018年 10,373 764 4,594
2019年▲2,550 なし 4,087
2020年▲18,364 なし 2,674
2021年 5,508 405 3053
2022年 7,922 583 3,385
2023年 794  58 3,720
2024年▲30,000 なし 1,000を切りゼロ近くまで減少、、、   

ラスプ鉱山閉山に伴う現存損失などで通期で多額の赤字となり、利益剰余金が欠損となり、自己資本比率も20%割れ
へ悪化、


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