8/18(日)現役競馬誌記者 今週の1鞍 中京11R CBC賞(G3)
イギリス各地で極右団体による移民排斥の暴動が発生している。13日までに1000人以上が逮捕され、なかには11歳の少年も含まれていた。この発端となったのが、先月発生した殺人事件をめぐる虚偽の情報拡散だった。
7月29日に英中部サウスポートで女児3人が刺殺され、逮捕された当時17歳の少年が「昨年にボートで入国した亡命希望のイスラム教徒だ」という虚偽の情報が拡散した。実際は英ウェールズ生まれで、ルワンダ出身の両親を持つ人物だった。
55歳の女性がネットで拾い集めた誤った情報をSNSに投稿すると、これを見た極右団体EDL(イングランド防衛同盟)の創設者、トミー・ロビンソンが約98万人ものフォロワーに向けて煽動的なメッセージを発信した。暴動はモスクや亡命希望者が泊まるホテルなどが標的となり、商店の略奪や放火なども発生している。
55歳の女性は事の重大さを認識し、投稿を約1時間後に削除。しかし、当局に身柄を拘束された(現在は保釈済み)。またイーロン・マスク氏もこの暴動についての虚偽情報を投稿したが、約170万回以上の閲覧後、説明なく削除している。
情報は尾ひれを付け足しながら認知の海を泳いでいく。たとえインターネットでなくてもだ。競馬界でも先日、騎手の死亡をめぐるさまざまな憶測が広がった。
全世界で信じられていた競馬のウソ情報のひとつに、1904年のグランドナショナルを制したニュージーランド産のモイファ(Moifaa)が、難破船から生き延びた馬という都市伝説があった。ウソ情報拡散に加担するつもりはないので詳細はご自身で調べていただきたいが、アメリカのマスコミが流した虚偽の情報を、昭和の頃は日本でもマスコミが真実のように語っていた。
何が本当なのか分からないのは100年前も現在も同じ。自分の頭でしっかり物事を考えられない陰謀論にはなりたくない。週末の競馬が思考のトレーニングになるといいのだが…。
さてCBC賞。2桁人気のワンツーもあるハンデ戦で、過去10年では1着馬のハンデ平均が53.7キロで、2着馬が54.4キロ。ハンデ頭は【0-1-2-7】と勝ち切れていないので注意したい。
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