許容ラインの綱引き
最近、メンヘル患者同士が交流できるサイトにちょくちょくお邪魔している。
連絡先を交換して、個人的な話をする人も何人かいる。
その中のひとり、私より年上で旦那さんとふたりアジアに住んでいるAさんと知り合った。
彼女は旦那さんととある趣味の最中事故があり、旦那さんが障害を負ってしまって看病しているそうだ。彼女自身も事故でPTSDになり、治療しながら旦那さんの介護をしているとのことで苦労しているそう。
その国は公的機関のサービスもほとんどなく、介護するにも厳しい環境で友達もたまに手伝ってくれるけど細かいケアまではしてもらえないと困っている様子だった。
PTSD持ち同士、できることがあったらと申し出た。初日は私の今日の調停と病状の話を聞いてもらえて、実親と折り合いが悪いことも共通しているし、調停のときに支えたいと言われて嬉しかった。
変化は4日目に起きた。
外出先でパニックがおきそう、どうしよう、とのメッセージだった。落ち着いて、リラックス法をためしてみて、と返信したけど返ってこなかった。
心配しているとなんとか乗り切れたと夕方にメッセージ。ほっとして、無理せずいてくださいと返信した。
次の日から、Aさんが動揺したりパニックになるというメッセージがほとんどで、私が頑張って考えて送ったメッセージは全部スルーして、向こうが言いたいことだけを送ってくるようになった。
具合悪いとか、フラッシュバックが起きそうだとか。
相談相手に、ということで連絡先を交換したけど、私が一方的に聞き手になって、向こうがずっと具合悪い、説明してもわかってもらえない、協力してもらえない、と愚痴をぶつけるようになっていた。
私も具合悪い中、誰も聞いてくれないならと無理を押して返信していた。
10日目に、過眠がひどくてすぐ返せなくていたら、具合悪い? 催促ではないです。とメッセージが来ていて、催促ではないと書いてあったにも関わらず、それを催促だと感じた。
この頃からもやもやが少しずつ溜まりだしたので、過眠もひどいし、このままいくと爆発しそうだったので少し時間をあけて返信していた。
決定的なできごとが、2日後に起こった。
たまたま妹が同じ趣味をしていたので、そのことについて「妹が同じ趣味をしています」と言ったところ、それはフラッシュバックのトリガーだから話をしないでほしいと言われた。
そこで私の何かが限界をむかえた。
こっちが譲歩して、尽くして、お礼も言われず体調不良をおして丁寧に返信しても全部スルー。なのに自分の主張は通す。
夫と同じだと思ってしまい自分もフラッシュバックが起きてしまった。
それを正直に伝えて、間隔をあけさせてと言った。
向こうから長文の謝罪と、また話したいと書いてある返事をもらった。
その日は、明日追撃メッセージをもらって嫌になる確率が4割、そのまま自然消滅が6割だな、と思っていた。
夫と喧嘩したときもそうだったから。
次の日に、思ったとおりの謝罪メッセージが来てしまった。
また夫の手段を思い出した。
こうしてほしいと希望を伝えて、謝罪をもらっても、結局は自分の都合がいいように運ぼうとする。
もう無理だった。Aさんに嫌なところを全部ぶつけてブロックして終わった。
私だけが一方的に被害者だとは思わない。
だけど、許容範囲のラインをきちんとしておかないといけないと思った。
線引きをしてなかったから、相手にぐいぐい押されてしまって、結局狭くなったところで爆発してしまった。
あと、当たり前だけど女性でも合わない人はいるから、女性だというだけで安心するのもだめだなと思った。警戒しすぎもよくないけど。
不思議と、Aさんに会わなければよかったとか、こんなことしなければよかった、とかは思わない。
Aさんには今も静かに怒ってるけど、Aさんがいないとわからないこともあったと思う。
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